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*第42回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編1 |
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*第43回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編2 |
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*第44回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編3 |
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*第45回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編4 |
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*第46回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編5 |
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*第47回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編6
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*第48回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編7 |
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*第49回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編8 |
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4.考察 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4−2. 柱カウンターウェイトと水平耐力 つづき | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4−2−4 カウンターウェイトのモデル化 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
浮き上がりの実験結果をもとに、浮き上がり範囲をモデル化することにより、カウンターウェイト値を簡潔に求める方法を提案する。 モデル化を行う際の仮定事項は以下の通りである。 |
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この仮定のもと、長方形のもう1辺の長さ(1辺は梁長さ)を定めるため、以下の2種類(モデル1、2)の2つのアプローチにより、モデル化を考えていくものとする。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1)モデル1 (CW1) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
まず1つ目のアプローチとして、長方形の1辺の長さすなわち浮き上がり限界の梁からの距離を、今回の実験の梁・床の浮き上がり範囲の測定結果をもとに定めた(直交壁金物なし:2.4(m)、金物あり:1.8(m))。 その結果がどの程度実験結果と違いがあるかを、CWU/CW1の値から検討した。 1以上の場合、実際の浮き上がり範囲計測値から計算されるCWUよりCW1の方が小さい値すなわち安全側になっていることとなる。 全体的に安全側になっているが、直交壁金物なしの試験体の一部で1を下回る結果となっている。 そこでCW1を0.9倍し、低減した所、ほとんどすべてで安全側の結果となった。 これは浮き上がり範囲の梁からの距離が、金物なしの場合2.16(m)、金物ありの場合1.62(m)でモデル化したことになる。 金物ありの場合は低減しない場合でも安全側である。 よって、以下の浮き上がり範囲を設定すれば、全体的に安全側の評価となる。 直交壁金物なしの場合:梁からの距離2.1(m) 直交壁金物ありの場合:梁からの距離1.8(m) |
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<モデル1の欠点> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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図89 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2)モデル2 (CW2) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2つ目のアプローチは、下図のように壁線間を等分割した浮き上がり範囲を考えたものである(CW2)。 実験結果の浮き上がり範囲から、全体的に浮き上がり範囲の梁からの距離が壁線間隔の1/2の1間を越えているので、この考え方であると全ての試験体で十分安全側の評価となった 。 重複範囲の考慮をしなくてよい分、簡潔であることが長所である。 |
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<モデル2の欠点> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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図90 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カウンターウェイト値と水平耐力 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
表10 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
5.結論 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.カウンターウェイトについて | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地震水平力によって耐力壁は剛体的回転をし、柱に浮き上がり力が生じる。 その際、長期軸力以外に上階からの押さえ込み力、すなわち柱カウンターウェイトが発生する。 本論では実験により、そのカウンターウェイトがどの程度存在するのかを、柱頭の圧縮軸力及び、梁の浮き上がりを計測することにより推定した。 その主な結果は以下の通りである。 |
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2.カウンターウェイトのモデル化 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4.考察で示したとおり、本報では以下のような2種類(モデル1、2)のアプローチによりモデル化を考えた。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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それぞれ、以下の特徴がある。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
モデル1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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モデル2 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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図91 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
図92 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
<カウンターウェイト算出法> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
@一梁ごとのカウンターウェイトを計算するためのモデル化とする。 A耐力壁は個別に剛体的回転をするものと仮定する。 B層間変形角1/30(rad)時のカウンターウェイトを求めるためのモデル化とする。 C浮き上がり範囲は、底辺の長さを梁長さとした長方形を考えることする。 D浮き上がり範囲長方形モデルの高さ方向は壁線間隔を2分割した長さとする(モデル2より)。ただし、壁線間隔が3p以上の場合で、梁中の突き上げ点が1カ所の場合は、その半分の長さとする。 E壁線間隔が5pを越える場合は、浮き上がり範囲長方形モデルの高さ方向を2.5pとして計算する。 F耐力壁による浮き上がりが、水平力がX方向、Y方向の両方向で生じる柱については、カウンターウェイトを両方の場合について求め、その小さい方を、採用する。 |
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図93 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編 終 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●<たはら・まさる> 構造設計家 「木構造建築研究所 田原」主宰 http://www4.kcn.ne.jp/~taharakn 大阪工業大学大学院 建築学科 客員教授 月刊杉web単行本『杉という木材の建築構造への技術活用』 http://www.m-sugi.com/books/books_tahara.htm |
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