特集 吉野 「吉野材を使った暮らしの道具デザインコンペ」
  吉野貯木で逢いましょう!
文/写真  石橋輝一
 
 
  月刊杉81号83号でお知らせした「吉野材を使った暮らしの道具デザインコンペ」
いよいよ2012年12月16日(日)に吉野で最終審査会が開催されます。
   
  今回のコンペ開催までに様々な紆余曲折がありましたが、僕自身が感じている大きな流れがあります。
   
 

それは2009年11月に開催したスギダラ吉野ツアー&フォーラムから始まりました。この中で、吉野の自然、歴史、文化の素晴らしさ、吉野杉の美しさ、吉野の持つ力に気付かされました。フォーラムでの南雲さんの「エンドユーザーが何を考えているのか。というよりも、吉野が自分自身のやり方で吉野を実践していくのが大事。この方が楽しいはず。」という言葉が、その後の活動に出発点になったと確信しています。

 
  2009年11月、スギダラ吉野ツアー&フォーラムの記念写真。
   
 

そして、このスギダラ吉野ツアー&フォーラムの懇親会で閃いた「やっ樽で〜!」「桶(オッケー)!」のノリで、吉野林業の原点であった「樽」に着目し、日本の木の文化を見つめ直す形で、吉野流を実践するべく、吉野杉の木桶仕込みの日本酒の復活に取り組みました。

  *参照:月刊杉68号特集「銘木と銘酒の町フォーラム」
 
  2011年3月、銘木と銘酒の町フォーラムの記念写真。
   
 

スギダラの仲間の応援をもらいながら、吉野の地で一歩ずつ前進する中、つながりが幾重にも重なり、山と街がどんどん近くなっているのを実感しています。

  *参照:月刊杉78号特集「吉野を盛り上げる杉関包囲網」
 
  2012年1月、谷町う木う木まtreeの記念写真。
   
  そして、今回の「暮らしの道具デザインコンペ」。
   
  かつての吉野林業は、暮らしの道具「樽」の材料を作る事から始まり、その端材を利用した割箸生産など、木の道具として、日本人の生活を豊かにしてきました。
しかし、現代の日本人の暮らしの中で、木の道具が活躍できる場は少ないです。生活を豊かにするような木の道具を、今一度、吉野から発信できないか、今回のコンペの大きな目標です。
   
  日本全国から197作品のご応募をいただきました。本当にありがとうございました。
一次審査の結果、6作品が最終審査に進みました!
スツール、姿見、カップホルダー、ランプ、食品ケース、そしてカルタ!
木の温もり、木の性能を活かした力作揃いです。現在、実物の試作を進めており、12月16日の最終審査会でお披露目です。
スギダラ本部デザイン部長の若杉浩一さんも、審査員として吉野に来て頂きます!
   
  そして今回、プレイベントとして、前日15日(土)に「吉野貯木まちあるき」を開催します。
   
  吉野貯木は昭和14年にできた日本初の木材工業団地であり、最盛期には80軒を超える製材所、木工所、樽丸工場が軒を並べ、貨車の引込線が貯木場内を縫うように走り、日本の木の文化の発信基地として、活気に満ち溢れていました。現在でも30軒近くの木材関連施設が集まり、まち全体が製材所で、吉野貯木は木の香りに包まれています。
   
  吉野貯木まちあるきでは、吉野の製材所、樽丸工場、集成材工場、原木市場、製品市場と、吉野でしか見ることのできない風景が目白押しです。
樽の材料である樽丸製造の実演、杉の大径木の製材実演、社寺仏閣用木材の見学、特殊集成材の製造現場、掛軸の巻き芯の製造現場、原木市場での解説、吉野材のモデルハウス見学、工場の中にKOU-BAR出現!?、吉野杉の木桶仕込み日本酒の出張バル、などなど盛りだくさん。
ちなみに、当社(吉野中央木材)では、製材機には欠かせない帯ノコ、その目立ての技をご覧いただきます。
   
  15日のまちあるき終了後は、吉野山にて前夜祭も開催します。会場はスギダラでいつもお世話になっている旅館歌藤さんのスギダラケ空間にて。食べて、飲んで、笑って、泣いて、翌日の最終審査会に向けて、結束を固めましょう!
   
 

12月16日のコンペ最終審査会、前日15日の吉野貯木まちあるきの詳しい情報は、ホームページフェイスブックページをご覧ください。

   
  まちあるき、前夜祭、宿泊、最終審査会は、事前申込みをお願いしております。ヨロスギお願いします!
  お申し込みフォームはこちら!⇒http://yoshinostyle.jp/pg132.html
   
  ※デザインコンペホームページ⇒http://yoshinostyle.jp/yoshinotokurasu.html
※フェイスブックページ⇒http://www.facebook.com/yoshinotokurasu
※吉野貯木まちあるき特設サイト⇒http://yoshinochoboku.okoshi-yasu.net/
   
  師走の吉野貯木で逢いましょう!
   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴5年。杉マスターを目指し奮闘中!
吉野中央木材ホームページ: http://www.homarewood.co.jp
ブログ「吉野木材修行日記」: http://blogs.yahoo.co.jp/teruhomarewoodもよろしく!ほぼ毎日更新中です。

『吉野杉のハラオシをしよう!』web単行本: http://www.m-sugi.com/books/books_ishibashi.htm
   
 
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