連載
  スギダラな人々探訪/第55回
文/ 千代田健一
  「東日本大震災被災地応援活動報告 by 有吉徳洋(ソーケングループ)」
 
 
  月刊杉45号(2009.05)のこのコーナーでご紹介した、ソーケングループの代表取締役、有吉徳洋さんからちょっと感動的なレポートが届いたので、ご紹介したい。
   
  有吉さん、もちろんスギダラ会員で、千代田が福岡に転勤になった後も時折、ご自身でやっている活動についてレポートを頂戴している。グループ会社3社の代表を務めながら、多彩な社会的活動にも奔走しておられる超多忙な方なのに、こういうお便りを小まめにいただける事自体、驚きなのだが、できる会社の経営者とはそういうものなのかも知れない。おさらいしておくと、ソーケングループの核となる事業は内装工事業で、特注家具製作工場とCGパース、アニメーション等のデジタルコンテンツの制作会社を束ねたグループ企業だ。
   
  今回お便りいただいたのは、表題の通り、東日本大震災被災地応援活動に関するレポートだ。
正直言って、あまりにも熱意ある具体的な活動の数々に驚嘆した。本業の強みを活かして被災地に企業としてできることをやっている、と言えば普通なのかも知れないが、有吉さん率いるソーケングループのやっている活動は、そんなレベルを遥かに超えている。有吉さんの人柄を少なからず知っている千代田としてもそのバイタリティと実行力にはただただひれ伏すだけである。
   
  まずは、今回届いたお便りに沿って、その活動の概要を見ていただきたい。
   
 

※以下、有吉さんからのメール

   
 
   
  仮設住宅被災者様の支援ご報告
 
文/ 有吉徳洋ソーケングループ代表取締役社長)
   
  大震災から半年が経ち支援の輪が風化しないように、9/6と9/13に仙台市:あすと長町仮設住宅様(300戸)と石巻市:トゥモロービジネスタウン仮設住宅様(1000戸)様を支援活動の一環として、訪問させて頂きました。
 
  総合活動報告(2011年8月24日)
 
  仮設住宅支援1
 
  仮設住宅支援2
   
  風評被害で苦しむ福島県須賀川のお米農家様に、第三弾として今月もイオングループ様の全国横断東日本大震災の義捐金活動で集めた善意のお金から購入させて頂き、同じく川崎市の福祉作業所様のクッキーもご一緒にお届けに上がらせて頂きました。
   
  9/13に福島の農家の方々とも話をしたのですが、写真に写っている23年度米も検査は今月するのですが、風評被害もあり売り上げになるかメドが立たないと言っていました、野菜も同じで、ネギが震災前は160円前後だったのが風評被害後は10円〜20円でしか安全保障済みなのに売れなく、非常に厳しい状態が続いているとのことです。
   
 
  五斗蒔ライスファーム様
   
  また、本業の強みを活かし間伐材を使った縁台で仮設住宅の皆さまとご一緒に工作し、孤独にならないように被災者同士のコミニュケーションツールとして友達作り(特に男性のお年寄りの皆さん)のきっかけ作りなる取り組みと被災者のニーズの高かった物置設置工事を支援して参りました。
   
 
  縁台プロジェクト
   
  この活動のお陰で、経営者仲間の同じく二代目の美容室経営者の方からも支援の輪が広がり、あすと長町仮設住宅様の多くの方は、仙台平野で農家の方が多く、津波で田畑が無くなりその上財産を無くし無職になられた方々へ、少しでも支出を減らすことは出来ないかと、自治会長様と協議して集会場でチャリティー美容院を開催することになりました。
   
  3.11の震災から半年が過ぎて、やはり現地では風化しつつあり仮設住宅に避難している被災者の皆さまも言いようのない孤独感があるとのことです。
   
  微力ではありますが、今後も継続することが、被災者様との絆だと思います。
お届けするモノも千葉県山武杉の間伐材利用から里山支援にもなり、福島の風評被害に苦しむお米農家様も含めて関わる人々がお互いに喜んでもらえる活動も考えながら進めていく所存です。
あと、色々な企業様とも、今回の美容院様のような企業の強みを活かした支援の輪も同時に広げていければと思います。
   
  最後に、間伐材を使った縁台プロジェクトで仮設住宅の皆さまからのコメントとお礼のメールを一部転載します。
   
  ●昨日は、素敵なワークショップ誠にありがとうございました。 ソーケンさまの温かい人間性が、住民の方々の心をわしづかみしているようでした。(笑)』
   
  ●間伐材での物作りとても良いですね!
早速、おばあちゃんたちが3人縁台に座っていました。ほほえましい光景でした。
   
  ●皆様お疲れの中、深夜移動し一時も休むことなく被災地支援をしている姿、企業さんでここまで本気な姿見たことがありません。ソーケンの皆さんの真剣さ、本当に頭が下がります。真にありがとうございます。
   
  ●人見知りな人は、友人を作れずに一日部屋に閉じこもる傾向があります。
一刻も早く、関係性、セーフティーネットを構築していく必要があります。
縁台プロジェクトを通じて住民の友達作りを早く広めて孤独感をなくさなければと思います。
   
 

●昨日は真にありがとうございました。
本当に良いワークショップとなり、感動しておりました。
住民の方々がここまで楽しそうに前のめりになって参加するワークショップはそこまでありません。
女性から男性、小さなお子さんまで、集まり楽しそうに過ごしていただき、実に良い日でした。

   
 
   
  ※以上が有吉さんからのメール
   
  仙台のあすと長町仮設住宅における外壁の遮熱工事に端を発したこの一連の復興支援活動。仙台から石巻に広がっただけでなく、同じく被災地である福島の農家を繋いだり、本業とは関わりの無さそうな音楽イベントやチャリティ美容院の開催等、よくぞここまで!と言った感じだ。
   
  この活動のすごさ、素晴らしさは有吉さんもご自身で書かれているように、「企業の強みを活かした支援の輪」、これに尽きるのではなかろうか。それもこういった活動を実施に向けてディシジョンできる有吉さんのような経営者がいればこそだと思う。もっとも、社長自ら奔走してこういった支援の「輪」を広げて行っているのだから、社員も一丸となって行かざるを得ないのだろうが・・・
   
  同じく、企業という組織の中にいる身としては、勇気付けられると同時に何もできていない自分自身を恥ずかしくも思った。
   
  仮設住宅の皆様からの御礼メールの中に「皆様お疲れの中、深夜移動し一時も休むことなく被災地支援をしている姿、企業さんでここまで本気な姿見たことがありません。」とある。この一言にソーケングループがやって来た企業としての支援活動の意義が言い尽くされているように思う。
   
  ソーケン有吉さんが広げて来た支援の輪をさらに広げて行くために、スギダラ倶楽部の活動もその一助になればと思うばかりだ。(ち)
   
   
   
  以下のサイトで有吉さんの活動のより詳細なレポートをご覧いただけます。
   
  【ガンバレ東北、つながれ日本!】
  〜仮設住宅の被災された方々の声を纏めた応援サイトのお知らせ〜
  http://www.soken-shop.jp/shien/pbbsr.php
   
  【日本財団様より、弊社サイトの震災支援活動を記事にして頂きました】
  http://news.canpan.info/2011/07/post-252.html
   
  【ソーケングループ】
 

http://www.soken-net.co.jp

   
   
   
   
  ●<ちよだ・けんいち> インハウス・インテリアデザイナー
株式会社パワープレイス所属。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部広報宣伝部長
『スギダラな人々探訪』web単行本:http://www.m-sugi.com/books/books_chiyo.htm
『スギダラな人々探訪2』web単行本:http://www.m-sugi.com/books/books_chiyo2.htm
   
 
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