特集 スギダラツアー西粟倉・秋の陣 報告
  西粟倉ツアー秋の陣

文/ 大島 正幸

 
  *大島さんの支部長就任挨拶はこちら
   
 
  今日の西粟倉は晴れです
空が一層高く見える秋晴れの日。
   
  異様な熱気をまとった人々が、スギ・ヒノキだらけの村に降り立った。 電車を降りてきた瞬間から、「日本全国スギダラケ倶楽部」を背中に背負ったハッピ、胸元には会員証。「家からですかっ?!」と心の中で叫びながらのお出迎え。やはり、スギダラは只者ではない。個々のキャラ立ちとパワーが圧倒的だと感じたスタートでした。
   
  まず向かったのは、約300年前から人の手が入っていないという若杉天然林。そう、若杉天然林。やはり西粟倉村と若杉さん、スギダラとの出会いは必然だったのだと、感じながら皆で散策。
   
 
  若杉原生林を散策
  若杉天然林にはブナの木が多く群生しており、去年がブナの実の成り年とあって、ちらほらとブナの実が落ちています。また、遊歩道を少し外れて獣道を行くと、吉井川の源流があります。天然林を登るごとに狭まる川幅は、森に貯水されている水の量の豊かさに気付かせてくれます。
   
  次に向かったのは、「100年の森」。 西粟倉村に住むNさんが、先代から受け継いだ山に、丁寧に丁寧に手を入れ続けた100年生のヒノキの山です。下草には和紙の原料にもなる三椏が生える明るい森です。スギダラ一団、きれいな山に入ると、チェック厳しく、顔はウキウキ。ポールを持ち出して、直径と立木の距離を測る人もいます。突っ込み所満載なのですが「ほぉー」と笑顔の一団。これが常識!これがスギダラの普通。帰りにはクロモジの大木を発見(直径10cm位)「こ、これは凄い!」と盛り上がる。普通はまず、気が付きません。が、目の前の方は、大興奮。分かります。私も興奮しております。この興奮を共有できるなんて、幸せ(笑)
   
 
 
皆で散策@   皆で散策A
 
  立木の距離を測ります
  一同車に乗り込み、伐採現場の見学に。西粟倉村では「100年の森構想」という大プロジェクトが進んでいます。「100年の森構想」とは、50年前に盛んに植林が進められた山々を、これからの50年間で、さらに良い山にして行こうという大プロジェクトです。
   
  現場では、高性能林業機械が稼動中。何故でしょうか、機械を見るとワクワクして目が星になってしまうのは。ロマンでしょうか。かっこいい機械を操り、日々、山と格闘しているのは、森林組合のイケメン24歳です。仕事に誇りを持って、日々働いています。 「100年の森構想」とは、きれいな山を作ることだけが、目的では無いと思うのです。きれいな山に手を入れながら、関わる私達がイキイキとしていること。それを子供達に「カッケーなー!将来やってみたいなー!」って思って貰う事。50年前から受け継がれているバトンを私達がイキイキ顔で差し出して、イキイキ顔で継いでもらう事。とても難しい事ですがやってみたい!
   
 
 
しし鍋。本当においしかったです。   おいしさを顔いっぱい使って表現
   
  すっかり日も暮れて、しし鍋を囲んでの懇親会。「ある意味で本番」です。村長と村会議員も駆けつけて大人数で宴会がスタート!  木の話がばかり出る珍しい自己紹介を終えて、あちこちで盛り上がりを見せる会場。こんな事しているよ、こんな事してみたい。仕事も役職も忘れて、盛り上がる。楽しいし、夢があるし、元気だし。良い飲み会です。2次会深夜には、スギアワーの裏番長が岐阜より参上!飲み会は大盛り上がりのまま深夜まで続きました。日が明けて、2日目です。流石に、昨日は遅かったし、皆さんお疲れでしょうと思いつつお迎えにあがると、、、めっちゃ元気 !? うわぁ、元気ですね皆様(笑)。スギダラ=パワフルですね。
   
  1日目は山中心でしたが、2日目は、木を加工する工場の見学になりました。 まずは、「ニシアワー製造所」です。凄い名前は置いといて、ここでは、モルダーや木材乾燥機等があり、床材や柱等の建築材を加工する工場です。  次に「坂根工舎」私が日々製作している工房です。ここは、家具や小物等の細かな製作できる機械が配置されています。
   
  さて、見るだけではつまらないでしょう。ってことで、ワークショップです。杉の細い角材をカッターで削って、お箸をつくります。頑張らないと、お昼に使う箸が有りませんよ! っと、言うまでもなく、皆さん黙々と真剣に杉に向き合っております。角箸、丸端、色々な形が削りあがって面白い。細くしすぎて折れないか?と心配するKさん。いつも見慣れている物を自分で作るのは面白い!無事にお昼前に皆さん出来上がりました。自慢の箸を高らかに掲げて1枚パチリ!
   
 
  自作のお箸を片手に、「できた〜っ!!」
  あ、太すぎた。あ、細すぎた。等々の声が聞こえつつお昼を堪能。
   
  そして、お別れのとき。 本当に1泊2日ですか?と思えるほどに、濃くて楽しい、仲間意識が生まれた最高のツアーでした。
 
 
 
西粟倉支部長 大島正幸   ツアー担当者 坂田憲治
   
  ここで、今回のツアーをメインに構築してくれたスギアワーツアー担当の坂田君より一言頂きましょう。 「多くの方にご参加頂き、本当にありがとうございました。また、西粟倉のスギとヒノキに会いに来て下さい。」
   
  良い事いいますねー。本当に坂田君お疲れ様でした。坂田君のおかげで本当に楽しいツアーになりました。一団を乗せた車は、お別れの駅「大原」に到着。なんか寂しい…。
   
  駅員さん:「〜〜電車が故障していて、遅れています。ご迷惑をお掛けいたします〜〜 」
   
  一同  :「!!!!!」
   
  さっきまでの寂しさは消し飛んで、1時間ほど先の大きな駅までお送りすることになりました。最後まで、波乱万丈、パワフルで楽しい、最高の「西粟倉ツアー秋の陣」でした。   この最高の仲間達となら、山も人も「イキイキ」に出来るような気がします。
   
 
  大原駅。電車が止まっていると聞き、皆苦笑い
  最後に森の学校牧より一言。
  「第2回の西粟倉ツアーはいつやりましょうか?」
 
  西粟倉・森の学校代表 牧大介
   
   
   
   
   
  ●<おおしま・まさゆき> 木工房ようびhttp://www.youbi.me/?cat=3
スギダラ西粟倉支部長http://sugihour.exblog.jp/
   
 
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