特集 いよいよ迫った 日南飫肥杉大作戦
  古道具博物館と各地のスギダラ大集合
文/ 吉武春美
 
飫肥杉大作戦まで、早いものでもうあと一月となってしまいました。 特集の「飫肥杉大作戦の意義、今までの背景と期待」「にちなんにちなんだ飫肥杉商品開発 "obisugi design”」を読まれた方は、これまでの飫肥杉大作戦プロジェクト流れの全容や飫肥杉課の奮闘ぶりを感じとれたことと思います。飫肥杉大作戦に携わる人々、関わる人々を、このように熱くするくスギモノ(杉と人が重なっている)たち。辻さんが書いておられるように、コトはだいぶ前から動き始めていました。
   
   
  ●スギダラ各地の杉モノ展示と杉道具博物館
   
  飫肥杉大作戦は、最初は三本柱で計画していました。ミヤダラ(スギダラ宮崎支部の愛称)は、これまで杉コレクションには「かふぇ みやだら」を出店参加、今度は至上最大の飫肥杉大作戦!ミヤダラとして、昨年の北部九州支部開催の『杉モノ+デザイン展』の成功を受けて、何かできないだろうかと思案していたのでした。今年は飫肥杉で知られる日南での開催。山と町と人々を、杉文化の良さ・豊かさを市民の生活の中から身近なこととしてつなげることができたら、さらに今後へとつながる可能性が開けてくるのではと信じて動き出しました。飫肥杉で繁栄した日南、宮崎には、きっと魅力ある古い杉道具・家具たちが埋もれているに違いありません。そこからまた新たな魅力ある杉道具・家具の誕生へとつながっていく可能性もあります。
  杉コレクションをはじめ、ずっと関わり続けている宮崎支部長の海野さんも古い杉道具探しを「杉道具博物館」と名付け、デザインアドバイザーとして川上元美氏をお願いするなど、ミヤダラとしてこれまでとは違うイベントだけで終わらせない飫肥杉大作戦へと動いたのでした。
  日南・宮崎のみなさま、まだまだ埋もれている古い杉道具・家具を探しています。どうかご自宅や親・祖父母の家など探してみてください。懐かしい暮らしの日々や家族の思い出とともに、新たに蘇ってくる宝が埋もれているかもしれません。ぜひ掘り起こしてみませんか?そして、ぜひ杉道具博物館へおこし下さい。
   
  そして杉道具博物館に加え、北部九州支部開催の『杉モノ+デザイン展』の発展形として、スギダラ各地の杉モノ展示も欲張っておこないます。スペースも限られていますが、各地スギダラの特徴ある杉モノも探訪できる展示会にできれば、そして全国各地のスギダラメンバーの交流展示会にできたらと考えています。 全国各地のスギダラなみなさま、ぜひ史上最大の飫肥杉大作戦へおこし下さい。杉モノたちから、様々な幾つかの「コト」もこの二日間で感じ、経験できるに違いありません。
   
   
  ●“誰かのためでなく、仲間に対して、地域にたいして、そして自分自身のために”
   
  スタッフとして動いている宮崎支部(ミヤダラ)のメンバー、みなさん本業の仕事を抱えながら取り組んでいます。かく言う私も私ごとですが8月から新たな職場へ就職となり、この活動にあまり力を注げずに取り組みがきびしい状態が続いています(「南のスギダラ」ブログ更新も停滞状態でごめんなさい)。そんな中で、史上最大の飫肥杉大作戦に携わっているみなさんの動きや各スギダラのみなさんの言葉に、どれだけ力や励ましをいただけていることでしょう。
  まだまだ途中ですが、この長い準備期間の中で出会った人々から見える、関わり響きあう人、生かし合う人、自分を、周りの人々をも変えていく人。ほんとにそれぞれが “ 誰かのためでなく、仲間に対して、地域にたいして、そして自分自身のために「やり遂げる!」熱い気持ち ” で前へ進んでいます。
  全国のスギダラのみなさん、そんなスギダラな仲間のみなさんと語りに、出会いに、ぜひ日南飫肥杉大作戦へきてください。
   
   
  ●日本スギダラ大作線?!
   
  この10月10日に、観光特急「海幸山幸」号が運行となります。内装・外装ともに杉ダラケのこれまでにないデザイン観光特急列車です。
  http://www.jrkyushu.co.jp/tabi/umisachiyamasachi/index.jsp
  コトが史上最大飫肥杉大作戦に合わせて動き出したかのようにさえ思えます。実は春に津高さんのセッティングで、主なミヤダラ(宮崎支部)メンバーとJR九州の宮崎数名のみなさんとの杉談議の場を持つ機会があり、その後も杉つながりが深まりました。(その後まさか!私の新たな仕事がJR九州さんとつながっていくことになるとは、春には想像だにできませんでした!)
  観光特急「海幸山幸」号運行に合わせて飫肥杉大作戦開催地である日南線油津駅を、飫肥杉を使ってリニューアルできないかとJR九州さんや日南市飫肥杉課、スギダラで動き出したのでした。そこで奮闘したのが、前飫肥杉課課長松山さん、制作者メーカーさん、デザイナー南雲勝志さんです。油津駅に飫肥杉で製作したホーム用ベンチ・駅舎用ベンチ・杉フレーム掲示板が設置されることになったのです。そこにいたるまでには、資金調達や調整の面でもたいへんな労力と、飫肥杉大作戦にかけるみなさんの熱い思いがあり実現できたところがあったことと思います。(その後、宮崎市の青島駅、こどものくに駅舎も、スギダラ化へと動きました)
   
  今回の日南飫肥杉大作戦に全国各地から見えるスギダラのみなさま、ぜひJR九州の観光特急「海幸山幸」号に乗って、飫肥杉でリニューアルされた油津駅を玄関に訪れたら、史上最大の飫肥杉大作戦を体感できるでしょう。帰りには、きっと全国各地へ線路が繋がる「日本スギダラ大作線」に、みなさん向かっていることでしょう(笑)
  そして時間のある方は、ぜひ宮崎の観光地である青島にもお立ち寄りください。青島駅「コンシェルジェあおしま」にて、私がお迎えご案内いたします。
   
   
   
   
 

●<よしたけ・はるみ>
日本全国スギダラケ倶楽部 宮崎支部広報宣伝部長 HN:春杉
宮崎支部ブログ「南のスギダラ」→http://miyadara.exblog.jp/

   
 
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