特集 鹿沼の木工デザイン再構築プロジェクト
  鹿沼商工会議所
   
 
 
  スギダラ倶楽部と鹿沼
 
文/ 樽見正衛
   
  鹿沼の彫刻屋台は、西暦1600年に起きた関ヶ原の戦いの8年後、再興した今宮権現に民衆が雨乞いを祈り、願いが神に通じ、土砂降りの雨になった神特を忘れないようにと祭礼を行い、神霊を乗せた神輿の後に従ったのが屋台である。(白石邦男氏著「鹿沼の木材木工400年史」による)
  以来、鹿沼の祭は、雨に祟られることが多く、昨年も折角来ていただいたスギダラ倶楽部の方も、雨の中でのお祭り見学となってしまいました。
   
  しかし、今年はどうだろう。雨が降るのが神の御加護なら、晴れるのも神の御加護?それとも加護亜依の御蔭?朝から晴れてたから。
  いやいや、晴れたのは、屋台屋のメンバーの熱い心が神ならぬ天に通じ、降るはずの雨が蒸発して、晴れてしまったのかも。
  というわけで、天候にも恵まれ、東京からはるばる応援に駆け付けくれた日本全国スギダラケ倶楽部の人達のパワーを増幅して、屋台屋も無事開店いたしました。
   
  屋台の店先に並んだのは、若杉さんはじめ、デザイナーによる杉のおもちゃ。これが素晴らしくて、良すぎ、出来すぎ、廉すぎと三拍子そろったけれど、すぎたるは及ばざるが如しで、売れすぎには及びませんでしたけれど、購入した方は、拍子木で祝っていただき、きっと嬉しすぎ。我々は、囃しすぎて拍子抜け。
  でも、木のおもちゃという鹿沼の木工業界の新たなジャンルへの挑戦は、子供のおもちゃから大人のおもちゃ(大人の方でも楽しく遊べる)へと発展しそうな気がします。
   
 

当組合のモットーは「木は優しくて力持ち」で、どちらかというと構造材が中心ですが、来年は、もっと勉強して、木のおもちゃに挑戦したいと思います。

   
  最後に、若杉さんはじめ、日本全国スギダラケ倶楽部の皆様にお礼を申し上げて、来年もよろしくお願いたします。
   
 
 

鹿沼の木工軍団を仕切る親分、樽見さん。

 
  2010年内田洋行にて。ちなみに樽見さんの持ってるのはウーロン茶です。酒も飲まずにダジャレをガンガン出してきます。
   
   
  ●<たるみ・まさえ> 鹿沼商工会議所 副会頭
栃木県集成材協業組合 理事長
   
   
 
   
   
  鹿沼の木工の日 屋台屋プロジェクトに思う
 
文/ 入江史朗
   
  2011年 10月8日・9日(土・日)「鹿沼ぶっつけ秋祭り」が、晴天のうちに2日間開催されました。2日間とも天候に恵まれたのは、久しぶりのことでした。
  元来、鹿沼は木工の街として江戸時代より栄えてきました。鹿沼のぶっつけ秋祭りの屋台は、日光東照宮建造に携わった宮大工の方々が、深く関わったと言われています。
  今回、「鹿沼ぶっつけ秋祭り」に合せて「鹿沼の木工の日・屋台屋プロジェクト」が行われましたが、ここにプロジェクト成功までの思いと。今後の展開について述べさせていただきます。
   
  今から、3年前に毎年10月8日を「鹿沼の木工の日」とすることを鹿沼商工会議所が制定しました。
  1年目は、国産材の研究の権威者である、東京大学名誉教授の有馬先生の講演会。
  2年目は、内田洋行さんを筆頭に地元木材木工企業と東京の発注企業との商談会の開催。
  3年目の今年は、屋台屋プロジェクトでした。では、なぜ屋台屋プロジェクトがスター トしたのか、ここに解説させていただきます。
   
  きっかけは、昨年の木工商談会に参加した、内田洋行さまご一行が「鹿沼ぶっつけ秋祭り」を見学したことに起因しています。当日は、生憎の土砂降りで大変寒かったのを覚えています。帰りの東武新鹿沼まで、送って行き別れ際に、内田洋行の若杉さんから、来年はあの祭り会場に屋台でも出してみたいね・・・と言われたの最初でした。
   
  その後、あの2011年3月11日(金)の東日本大震災の当日、再度内田洋行さまご一行が鹿沼の木工企業の工場見学会に来られまして、翌日の3月12日(土)帰りの東武電車は動いてなく、午後3時頃にはようやく運転が再開されることとなりました。その帰り際に、やはり東武新鹿沼駅で、今回の木工企業の工場見学をした会社と参加したデザイナーとのコラボ企画として何か「鹿沼のぶっつけ秋祭り」で展示販売会をやりたいですねと、内田洋行の若杉さんに話したのが、2度目のきっかけとなり、その場で若杉さんが同じく参加していたデザイナーの寺田さんに、寺ちゃんやらない? 
  その場で寺田さんが即答是非やりましょう・・・ やらないと今回参加した意味がない デザイナーと鹿沼の企業が組むことが絶対いいと言っていただきスタートしました。
  (寺田さんに感謝!)
   
  それからとんとん拍子で事が進むかと思ったら、予算の件などもありなかなか思うように進捗しなかったのが現実でした。何回か鹿沼で打ち合わせを行い、鹿沼側の企業5社と組むデザイナーとのマッチングを行い、ようやくチームが確定したのです。
   
  デザイナーの方々がデザインした製品を発表し、その製品をどの企業が作成するかのマッチング会を行ったときのことですが、デザイナーの寺田さんのプレゼンが印象深く、自分で今まで手がけてきた作品の紹介をされた訳ですが、その中で色使い等、私は個人的に感動しました。
  世の中にはこのような感性を持っている方がいるのだと、その時に心の中で、別途思案中であった別のプロジェクトのデザインを寺田さんにお願いしようと。
  余談ですが、ちょっとその別のプロジェクトを紹介しましょう。
   
  それは、シュウマイの崎陽軒の創始者の野並茂吉さんが鹿沼出身であり、そこで、シュウマイで鹿沼のまちおこしはどうかというプロジェクトです。
  3年前からシュウマイでまちおこしの話を事あるごとにいろんな方に相談していました。中には蒸すのが大変だとか・・・いろいろと参考意見を聞かさせていただきました。今後、多くの方々の協力をいただきながら、シュウマイ・プロジェクトを立ち上げて頑張っていこうと考えています。
   
  その際のシュウマイハウス?の設計デザインを寺田さんにやってもらうことを独断で決定させていただき、10月8日の「鹿沼の木工の日・屋台屋プロジェクト」の飲み会で、何が何でもやり遂げることを宣言させていただきました。
   
  今後の屋台屋プロジェクトのますますの成功と併せまして、シュウマイ・プロジェクトも成功できるように頑張っていきますので、杉だらけクラブの方々も応援よろしくお願いいたします。
  最後に、杉の本場 市木が杉の鹿沼をみんなで愛してください。
   
 
  3月の鹿沼木工所ツアーの案内中の写真。佐藤さんと共に鹿沼を盛りあげています!
   
   
  ●<いりえ・ふみお> 鹿沼商工会議所 中小企業相談所長
宇都宮大学コーディネータ
   
   
 
   
   
  素晴らしい仲間
 
文/ 佐藤貞行
   
  平成22年3月25日に行った若杉部長の講演会から何もかもが始まった。
とても熱い話であった。共感するところが沢山あった。高山氏も長身でスマート(笑)
   
  4月29日に、(株)内田洋行に訪問するとショールームなどを見学、その後、大交流会が開かれた。向井名誉会長にも参加、その他多数の方々が参加とても感激、パワーを感じた。
その後、10月8日に、当所主催の産地商談会を開催。若杉部長と高山氏が再び来鹿。次の日に鹿沼ぶっつけ秋祭りを見学して頂いたが、寒くて大雨。
   
  今回のプロジェクト発足の前日の平成23年3月11日、大震災が起きた。 若杉部長ご一行役20名が鹿沼の工場を見学会していた。地震が起きたときは、丸太の置き場を見学中であったが、皆さん無事だった。とても良かった。
   
  今回、工場見学した企業と共同で商品開発、開発した商品を鹿沼のぶっつけ秋祭り時に販売する計画がでた。地震の影響で中々準備ができない状況が続く。
ようやく7月8日に、第1回目のプロジェクト会議を開催した。
   
  事務方とすれば、テントを借りて、机の上で販売する方法と考えていたが・・・・・
ところが、販売するテントから造るとのこと。
頭が痛い・予算がない・時間がない・天気が心配、気になる。会議を重ねる。
   
  出展者会議、出店場所が良いところを取れた。
しかしながら、「木工品販売」するの!大丈夫なのかと心配される。
ならべる商品は少ないのではないのか?色々心配する。
   
  秋祭り前日、デザイナーとメーカーが集結する。天気も3日間は良好。
屋台を組立、商品を並べる。商品はボリュームあり、素晴らしい商品ばかりであった。
【案ずるより産むが易し】
次の日、スギダラメンバーが、応援にかけつけてくれた。
   
  終わってしまうと事務局の私が心配することは、お天気以外はなにもなかった。
   
  とてもパワーがある、若杉部長率いる御一行様である。素晴らしい仲間でした。
感激、初めて会ったときの感覚はなにも変わらない。
   
  引き続き、太く長いお付き合いをお願い致します。
   
 
 

一番右端が佐藤さん。いつもこの笑顔で僕のわがままを聞き入れてくれます。佐藤さん、これからもどうぞ宜しく。(by高山)

   
   
  ●<さとう・さだゆき> 鹿沼商工会議所 振興課長補佐
 



   
 
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