連載
 

東京の杉を考える/第49話 「東京にしがわ大学の開校」

文/ 萩原 修
   
 
いよいよというべきか、ようやくというべきか、1年以上の準備期間を経て、2010年10月9日(土)に、東京にしがわ大学(通称 にわ大)が開校した。
   
  パルテノン多摩での開校式の当日は、あいにくの雨。雨でもやるといきおいこんで準備をすすめていたけど、さすがに水上ステージでの開校式は無理と判断。急きょ、屋内に会場を変更。ぎゅうぎゅうつめで、会場の外にもあふれるほどの500人以上が集まった。
   
  この日は、にしがわ先生を100人に来てもらい、ステージ上で紹介するのがメインの催し。桜美林大学のチアリーダーに先導してもらい、次々と紹介される先生の多様性がにわ大のカラーをつくっていく。
   
  開校後の11月からは、第2土曜日に3本の授業を定期的におこなう。授業は、授業コーディネターという役割の人が企画する。自分がうけたくなるような先生と場所と内容を決めていく。つまりは、第一の生徒としての視点を大事にすることが重要になる。
   
  現在、にわ大では、授業コーディネターが不足している。というか、職員もスタッフも、まだまだ体制が整っているわけではない。そもそも、あまりお金のかからないしくみだけれど、最低限に運営していくだけの資金も不足している。
   
  人もお金も不足しているのに、熱い気持ちだけは、たくさんある。学びを通じて、新しいコミュニティをつくっていく。自分たちの住んでいる東京にしがわエリアに愛着をもって、取り組んでいる人たちが集まりはじめている。
   
  大胆にも、シブヤ大学の姉妹校として立ち上がっておきながら、シブヤ大学とは違う路線や方向性をすでに模索していたりする。東京のにしがわエリアを、東京都から独立させようなんて、大胆な意見も飛びだしたりする。
   
  今は、勢いにまかせて、つっぱしっているようにみえる にわ大。10年後の姿を想像しながら、そこに向けて、できることからはじめてみたい。
   
  スギダラトーキョーとして、まずは、森や杉の授業を企画してみようかな。
   
 

東京にしがわ大学 http://www.tokyo-nishigawa.net/

 

にしがわ先生コレクション100 http://www.tokyo-nishigawa.net/collection/

東京にしがわ大学開校式 http://www.ustream.tv/recorded/10084471

シブヤ大学 http://shibuya-univ.net/

東京の杉を考える/第50話 「東京にしがわ大学開校準備中」

   
   
   
   
  ●<はぎわら・しゅう>デザインディレクター。つくし文具店店主。
1961年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。
大日本印刷、リビングデザインセンターOZONEを経て、2004年独立。日用品、店、展覧会、書籍などの企画、プロデュースをてがける。著書に「9坪の家」「デザインスタンス」「コドモのどうぐばこ」などがある。
つくし文具店:http://www.tsu-ku-shi.net/
『東京の杉を考える』web単行本:http://www.m-sugi.com/books/books_tokyo.htm
   
 
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