連載  
  あきた杉歳時記/第36回 「いろんなことがありました」
文/写真 菅原香織
  すぎっち@秋田支部長から、旬の秋田の杉直(さんちょく)だよりをお届けします ・・・・
 
月刊杉の読者の皆さま、お久しぶりです。昨年9月に父が急逝してからなんだかんだと慌ただしく、気がついたらもう2月。実に半年も経ってしまいました!多方面にご心配ご迷惑をおかけしました。今月はこの半年間の主な出来事を振り返ってみたいと思います。
   
 
   
  ●杉玉ワークショプ
   
  9月19?20日、美短の大学祭にあわせて、一昨年開催して好評だった杉玉ワークショップを実施しました。当日私は父の葬儀でいなかったのですが、公共デザイン分野の三人の学生が中心となって、2日間のワークショップを頑張ってくれました。(北のスギダラ参照)翌月10月25日には、秋田駅前にできた「まちの駅あきた」のオープニングイベントとして杉玉ワークショップをやってほしいということでオファーをいただき、3時間という短時間でしたが、10組の方たちに杉玉づくりを楽しんでいただきました。
   
  そして11月7?8日には、宮崎県日南市油津の堀川運河で開催された、やまんかん祭り&杉コレの会場の一角でもオファーをいただき、杉玉ワークショップを開催。スギダラ館の入口には直径80センチはあろうかという巨大な杉玉を飾りました。その後、JR九州の6つの駅に杉の大玉が飾られ(詳しくは今月号で紹介)多くの方に杉玉を知っていただくことができました。南雲親分からは「スギダラ流杉玉づくり家元」という称号もいただきましたので、今後とも全国に弟子を増やし、杉玉づくりを通して、スギダラの輪を広げていきたいと思います。
 
   
 
   
  ●まちの灯りワークショップ
   
  「まちに手作りのあかりを灯して、寒い冬の夜のまちを暖かくてらそう!」と言う趣旨で昨年から始まった「まちの灯りワークショップ」。市民が気軽に参加できるワークショップの企画運営を通して、「参加のデザイン」を学ぶ授業の一環として行っています。昨年の12月20日、まちの駅あきたにて開催したワークショップの講師は美短の学生たち。教室から飛び出して街なかでのワークショップは初めての体験です。昨年は牛乳パックで作る灯ろうを作りましたが、今年は「スターボール」と「三角灯ろう」の2つ。身近な材料を使って短時間で作れるように学生たちが考えたものです。合計20名近くの学生や一般の市民の方も参加して、全部で50個ほどの灯ろうを作りました。出来上がったものを持って、バス停広場で点灯実験してから、12月24日のクリスマスイブ本番の点灯に臨みました。この日は、大屋根のかかったアーケードの照明をライトダウンして、1000個近くの牛乳パック灯ろうと一緒に飾り付けました。夕方からあいにく風が強くなり、ろうそくがすぐに消えたり、灯ろうが倒れて燃えるというハプニングもありましたが、道行く人たちが足を止めて記念写真を撮ったり、寒い中頑張っている学生たちに声をかけてくれたりと、「ほっと」な時間と空間を共有することができました。
 
   
 
   
  ●リメイクキャンドルワークショップ&第8回あらや大川散歩道雪まつり
   
  新屋駅から美短をつなぐ約1キロの大川散歩道に約2000個のミニかまくらが並ぶ雪まつりが1月30日にありました。最初は町内会の有志数人ではじめた交流イベントでしたが、いまでは沿道の5つの町内会と子供会、美術工芸短大が実行委員会を組織して実施しており、あらやの雪まつりとして知られるようになりました。
 
   
  毎年1月の最終土曜日に開催することになっているのですが、今年は開催1週間前からずっと暖かくて、雪がほとんど融けてしまい開催が危ぶまれました。地域のみなさんが協力して歩道脇に除雪してある雪や日陰に残っている雪などをトラックやリヤカーで何度も運んで、ミニかまくらや雪像を作りました。美短のサークルプラザには学生たちがデザインした動物や様々なカタチのミニかまくらが並び、たくさんの方が足を運んで楽しんでくれました。
 
   
  新屋は風が強く、毎年途中で消えてしまったろうそくが大量にでるので、今年は使いかけろうそくで「リメイクキャンドルワークショップ」を1月23日に開催。美短の学生と地域の子どもたちとでバニラやチョコレート、ストロベリーなど、甘い香りのするカラフルなリメイクキャンドルを作りました。
   
 

雪まつり当日までに学生たちが作ったリメイクキャンドルと合わせて250個の色とりどりのキャンドル秋田杉屋台に並べていたところ、通りかかった方に「これは売っているのですか?」と聞かれて「いくらで買ってくださいますか〜?」と聞いてみたり。来年は「キャンドル屋台」がお目見えするかも?

 
   
 
   
  ●窓山再生プロジェクト2010始動!
   
  1月18日、久しぶりにスギダラ秋田二ツ井支部のみなさんにお会いしました。毎月18日に集まって交流している一八(いっぱち)会のメンバーがスギダラに入ってくださっているのです。この日は、窓山のプロジェクトをみなさんに紹介して協力を仰ぐ予定でしたが、肝心の野呂さんが体調を崩して欠席だったため、窓山産豚の鍋を賞味する会になりました。昨年窓山では野呂さんが豚を三頭、比内地鶏を20羽飼育したのですが、窓山の環境と水でのびのび育ったからでしょうか。本当においしくいただきました。
そこで、今年はこのおいしい豚肉をメインに窓山に牧場を整備して、「農」(低農薬米・ジュンサイ・綿)、「林」(シイタケ・薪・大黒柱)、「畜」(ブタ、トリ、ヒツジ、ヤギ、カルガモ)、「漁」(川魚、海釣り)の4つのカテゴリで「作る、育てる、採る、収穫する、食べる、着る、伐る、住む」といった里山本来の循環型の暮らし体験を通した支援ネットワークをつくり、窓山の再生をめざそう!ということになりました。
具体的なアクションプランは3月に企画会議を予定して開催することになっています。窓山デザインコンテストや窓山デザインWSでまかれた種が、ようやく芽を出そうとしています。「窓山再生プロジェクト2010」始動します。皆さん、応援をよろしくお願いします。
 
   
   
   
   
  ●<すがわら かおり> 教員
秋田公立美術工芸短期大学 産業デザイン学科 勤務 http://www.amcac.ac.jp/
日本全国スギダラケ倶楽部 秋田支部長 北のスギダラ http://sgicci.exblog.jp/
『あきた杉歳時記』web単行本 http://www.m-sugi.com/books/books_sugicchi.htm
   
 
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