「ヤタダラ」発進と「平成日南飫肥杉物語り」の予告
文/写真  南雲勝志
  いま地域が生き残るために・・・
 
今年の抱負にも書いたように、ヤタダラと日南の秋のイベントは今年特に力を入れざるを得ないものになる。今回はその二つの前触れをちょっと紹介しよう。
   
 
   
 

40号で宣言をした日本全国屋台ダラケ倶楽部、略して「ヤタダラ」がついに発信した。といっても今のところブログを立ち上げただけであるが、これから徐々に仕掛けていく予定である。まだ見ていない方はぜひどうぞ。→http://yatadara.exblog.jp/

あくまでスギダラ活動の一環として位置づけであるが、特徴はその名の示すとおり、「ヤタイ」のデザインに焦点を絞って活動していこうというものだ。スギダラ活動は非常に幅が広いため、その中でより具体的なモノのデザインとして提案しやすいこと、イベントなどで実際に使ってみると、その効果がすぐに理解できることが理由である。加えて今までの流れの中で、その必要性と有用性を強く感じてきたからである。
簡単にブログの説明をすると、まず「ヤタダラとは」で内容と目的を簡単に紹介、新着情報ではヤタイコンテスト(略してヤタコン)の予告をしている。これはヤタダラの大きな柱となるものである。ヤタコンへの参加、それが即ちヤタダラとは・・・が伝わるようなコンテストを準備中である。
その他これまで行ってきた「ヤタイデザイン」や「ヤタダラ活動」の紹介。また日本や世界の屋台の「各地の屋台紹介コーナー」、月刊杉の記事のなかから屋台に関連した記事をピックアップした「関連記事」コーナーが主なところであるが、徐々に充実していく予定なので気長にお待ちいただきたい。
また、会員全員の名前と所属がわかる「会員リスト」は一つの特徴でもある。ヤタダラとはどんな人間で構成されているかをオープンにすることで、チームのイメージ、想い、雰囲気などが伝わる。良い意味の責任も感じる。
さて、どんなイベントが出来るか? どんな活動が出来るか? 皆さんどうぞ期待をしながらも、協力お願いしたい。

   
 
 

にちなんにちなんだ商品開発も試作がスタートした。写真は風物シリーズ、ashikara屋台の一部。

 

 
   
 

さて秋の日南市のイベント。こちらは「オビダラ日記」でちょくちょく紹介されているのでご存知の方もいるでしょう。
大まかには、今年秋11月14-25日、日南市の堀川運河祭りと併せ、杉イベントを集中して行おうというものだ。題して「史上最大の飫肥杉大作戦」。
堀川運河祭りは運河の中心部、「夢広場」や「夢見橋」〈月刊杉27号28号参照)を舞台に日南市商工会議所が中心になって行う市民イベントである。そこに同時開催で「杉コレ2009 in 日南」を行う。今年は「堀川運河とその風景に似合う杉のカタチ」がテーマだ。審査も運河を練り歩きながら行おうというものである。何と今年は審査委員長内藤廣氏に加え、特別審査員篠原修氏、川上元美氏というとんでもないコンペにになってしまった。
もう一つ昨年から日南市、地元メーカー、内田洋行、ナグモデザイン事務所、協働で行ってきた、「にちなんにちなんだ飫肥杉商品開発」の発表も同時開催する。飫肥杉を切り口に、祭り、杉コレ、商品デザインの三つのアプローチを行い、ものづくりからまちづくりへの可能性にチャレンジする。
さらに秋に向けていくつか関連イベントを行っていく予定である。第1弾は2月20日、川上元美さんによる「飫肥杉とデザインの可能性(仮称)」日南で行われる。

「史上最大の飫肥杉大作戦」は単に杉プロダクトの結集ではなく、山から運河そしてまち、さらに港から全国へと日南市全体を舞台に発進してきた、飫肥杉の歴史と文化をもう一度現代版に組み立ててみようという試みであり、日南市の未来に向けたメッセージにもなる。
関係者の日南市、宮崎県木青会、宮崎県、ミヤダラ、内田洋行始め、スギダラの総合力を結集する時でもある。現在関係機関の調整が始まり、いよいよ具体的に秋にむけて動きだした。
ということで 秋までに数回、「平成日南飫肥杉物語り」と題し、その興奮や緊張などを含め、経緯と裏側を報告していきいと思っている。

   
 
  堀川運河下流から上流を見る。奥に見える石橋が堀川橋。現在この周辺の護岸復元が急ピッチで進められている。
   
  ● <なぐも・かつし>  デザイナー
ナグモデザイン事務所 代表。新潟県六日町生まれ。
家具や景観プロダクトを中心に活動。最近はひとやまちづくりを通したデザインに奮闘。
著書『デザイン図鑑+ナグモノガタリ』(ラトルズ)など。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部
 
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