特集日光

 
杉のまちのまちづくり
文/写真 大嶋久美子
 
 
 
 
  江戸時代の今市宿の絵図:今市宿の中央に川が流れ、馬が休憩し、水を飲めるようになっている。 町の中央には
「市(いち)神(がみ)」が祭られ、市(いち)の取引の繁盛と人々に幸せをもたらすものとして崇められていた
 
   旧今市市は、今年3月に2市2町1村が合併して、日光市となりました。
 その中心をなす今市は、江戸時代に、東照宮の社参のために街道両側へ人工的に作られた宿場町でした。日光へ向かう日光街道・会津西街道・例幣使街道には、松平正綱公が植えた杉が13,270本、総延長37キロメートルに及び、街道両側でうっそうと茂っています。この杉並木は、国の特別天然記念物と特別史跡の二重指定を受け、また世界一の並木道としてギネスブックにも登録されています。
 ゆえに、杉といえば日光市は世界に誇る杉のまちなのです。
 また、日光市のもうひとつの特徴が、二宮尊徳翁の行った農村復興事業(報徳仕法)です。この仕法によって開発された二宮堀は、今も豊かな水田の恵みをもたらしてくれます。そして、豊かな自然環境に育てられた杉・檜の良質材の産地としても知られています。
 しかし、時代は流れ、第1次産業の衰退や、地元の商店街の活力の低下は、全国の周辺地域の共通の課題となっています。
 そこで、今市のまちづくり団体『報徳塾』がまちの活性化に向けて立ち上がりました。
『報徳塾』とは、旧今市市が養成した『市民大学報徳塾』の修了者を中心に結成されたまちづくり団体です。地域づくりのリーダーを養成することを目的に実施されましたが、期せずして老若男女の異業種交流の場となりました。しかし、誰も自分が「老」に当てはまるとは思っていません。
通常は、会員一人ひとりが、思い思いに自分の「ミッション」を持って仕事をし、プラスαの活動しています。

 事例1・杉線香製造の技術を生かして医療用の線香の製造
 事例2・木工の匠の技を生かしてこだわりの建具
 事例3・シクラメン生産日本一を何度か受賞。最近は弟子ばかり受賞しています。

と、枚挙に暇がありません。
こんな個性的な仲間が集まって、中心市街地を地域の特長を生かした活動で活性化しようと
木製品を使った安らぎのまちづくりを展開しています。(文責:大嶋久美子 林業家)
 


 
事例1 『今市・愛の一言メッセージ・川柳』コンテスト事業
   寒い冬に、ことばの温かさで、まちを住みよく元気にしようと、全国に作品を募集し、優秀作60点を大通りに、行灯にして飾ります。行灯は匠の会員による特製「報徳行灯」です。2003年1月に第1回が試行され、好評のために止められなくなりました。今年で第5回になります。現在作品を募集中です。詳細は、次のとおりです。

 
一言メッセージ・川柳 募集要項
☆ 作品 「川柳部門」 課題 愛
     「メッセージ部門」 30字程度の短文
☆ 投稿料 一応募・2作品につき1000円
☆ 募集期間 2006年9月30日まで
☆ 申し込み先 〒321-1299 今市郵便局 局留め
☆ 住所・氏名・щL入 ☆ 今市楽の冊子を郵送
☆ 入賞総数60作品を行灯にして展示・地場特産品贈呈


 
あなたのメッセージを行灯にして 街の中に飾ります。
『今市・愛の一言メッセージ &川柳』 コンテスト

      
入賞作品の作成作業

   
 

入賞者表彰&交流会 2006.2.11




   

 
  街中を照らす行灯


 

 

  <おおしま・くみこ>自営業兼林業家。
大学で国際学を学ぶかたわら、杉の町日光・今市のまちづくり運動に奮闘中。
 
 
 
   
 
   
   
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