連載  
  あきた杉歳時記/第59回「窓山だより2014」
文/写真 菅原香織
  スギダラ秋田支部から、旬の秋田の杉直(さんちょく)だよりをお届けします ・・・・
 
 
 

2008年に窓山デザイン会議を開催してからちょうど6年。会議の翌年には最後の住人だった野呂長介さんの息子さん忠一さんご一家が生家に戻り、5年目の今年は田んぼもだいぶ増えて来ているよ、とスギダラ二ツ井支部長の加藤さんから伺い、8月のお盆休みに加藤さんと一緒に窓山に行ってきました。

   
 
 
  まずはスギダラ二ツ井支部へ。ここが駅前だということを忘れそうな程、庭木が大きくなっていました。
   
  お昼過ぎに窓山に到着すると、ちょうどお墓参りから戻ってきた野呂さん一家と親戚のみなさんと出会いました。「午前中来るかと思ってさぁー、待ってたんだよー!」とお元気そうな野呂さん。窓山の田んぼは裏山から引いてきた水をため池で暖めてから使わないとよく育たないそうで、一番上の田んぼに水を張っていました。前に豚を飼っていたところは田んぼになっており、南端まで棚田になっています。減反廃止の影響か、休耕田を貸してくれる地主さんが増えたそうで、昔のような棚田の風景が戻りつつあるのを感じました。
   
 
  お墓は窓山の田んぼが見渡せるところにあります。
   
  「ちょっと、ぐるっと一回り見てから寄りますー!」といって、まずは窓山デザイン会議の会場となった場所へ。当時オオカミ犬がいたところにはトイレが出来ていました。パネルディスカッションをしたところの木々の背が高くなって風景が一変、時の流れを感じます。おこぜ祭りをした会場の一角に植えた記念樹の「スギダラ一号」もしっかり根付いておりました。まだまだ野原もありますが、だいたい半分ぐらいは田んぼになってきたな、という感じです。今後も田んぼを増やしつつ、ため池のジュンサイや茅の活用を考えているところだそうです。稲刈りの頃には、ぜひまた訪れたいと思います。
   
 
  リヤカーがおいてあるあたりが講演会とパネルディスカッションをしたところです。
   
 
 
女子の参加者のために作ってくれたバイオトイレ。   スギダラ記念植樹ですが、杉ではありません(^^;)
   
 
  ネイチャーガイドの真下さん(一昨年ご病気で故郷にてご逝去)が使っていた炊事小屋とログハウスの土台は倒壊して片付けられて、みんなで登った作業小屋の屋根もトタンに張り替えられていました。
   
 
  左手奥が白神山麓。裏山の湧き水を使った「窓山源流米」の収穫が楽しみです。
   
   
   
   
  ●<すがわら かおり> 教員
秋田公立美術大学 景観デザイン専攻 助教 http://www.akibi.ac.jp/
日本全国スギダラケ倶楽部 秋田支部長 北のスギダラ http://sgicci.exblog.jp/
月刊杉web単行本『あきた杉歳時記』 http://www.m-sugi.com/books/books_sugicchi.htm
月刊杉web単行本『あきた杉歳時記2』 http://www.m-sugi.com/books/books_sugicchi2.htm
   
 
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