特集 長野県栄村セミナー&スギダラツアー
  長野県栄村セミナー&スギダラツアー フォトダイジェスト
文/ 奥ひろ子
   
写真/ 奥ひろ子・山田聖士・今井茜
 
 
  1日目:2013年5月25日(土)
   
  ● 集合! その1
  東京より新幹線組4名、上越新幹線・越後湯沢駅到着
今回ツアーの案内役である栄村森林組合・久保田さんが栄村より約1時間の道のりを迎えてくださいました。ここから集合場所である森宮野原駅へ向かう途中、南雲さんより電話があり、集合時間に遅れそうだからと若干飛ばし気味だったところ、スピード違反で捕まったとのこと。スギダラツアー、波乱の予感。
     
  今回ツアーの案内役である栄村森林組合・久保田さんとご挨拶
 
  栄村までの道のりも新緑がとても眩しい。 只今、田植えで大忙し
   
   
  ● 集合!その2
  12:00 JR飯山線・森宮野原駅集合
東京からの車組、長野県庁チーム、十日町からと続々と到着。
ツアー途中からの参加も含め、東京組10名、十日町フラワーホームさん1名、オーストリア大使館さん1名、長野県庁チーム5名、栄村森林組合さん1名、瑞穂木材さん1名、延べ19名のツアーの幕開け。
   
    久保田さんが東京にいらした際に、若杉さんはインフルエンザで寝込んでいたため、初対面
   
  森宮野原駅に集合。ここは日本最高積雪地点でもある   ちょうど森宮野原駅に電車到着
   
   
  ● 秋山郷の森林へ
  東京から栄村へ移住されたという地元で人気の中華料理屋さんにて、まずは腹ごしらえ。食事中に栄村に到着した南雲さんより、フラワーホーム藤田さんと先に秋山郷へ行っていると連絡が入る。
私たちも追っかけるように秋山郷へ。栄村森林組合・久保田さん、長野県庁のみなさんに秋山郷周辺の森林をご案内頂きました。
途中、伐採現場に立ち寄り、今回ツアーの目玉「根曲がり杉」にご対面。
根曲がり部分は、2mで伐採し、主にキノコ栽培(エノキダケ)用におが粉にし、培地として活用しています。
 
  伐採された木々 この周辺のナラは菌による感染のため枯れてしまっている
 
  根曲がり杉。雪の重みによって幹が曲がっている。杉だけでなく他の樹種も曲がる
   
  山菜も豊富。人気の「こしあぶら」   これは「ぜんまい」。オスとメスがあることを初めて知る。
   
  秋山郷は、長野・新潟の県境をまたぎ、苗場山と鳥甲山の山間に続く全長約22Kmにおよぶ中津川渓谷に点在する12集落を言います。昔は「陸の孤島」と言われ、近代以前の遺風や独特な生活様式が保たれてきました。平家落人の伝説も残されています。
長野県側・栄村には、5つの集落があります。マタギによる狩猟、川魚、柿・栗・トチの実、山菜等を採ることで自給自足が可能であり、1つ1つの集落にて生活が完結しているとのこと。冬は、豊富な森林資源を活用し、ほとんどの集落にて薪ストーブを採用しているそうです。(どんな薪ストーブなのか非常に気になりました。この辺ではホームセンターなどで売っているらしいです)
森林はブナやナラといった広葉樹と杉が入り交じるように存在し、現在は杉の育ちが悪い場所については、自然に広葉樹が生えるように、自然に戻しているそうです。
 
  向こうに見えるは苗場山(標高2145m) 。杉と広葉樹が入り交じり、とても美しい森林に見とれる。
   
  南雲ご夫妻と合流できた大瀬ノ滝入口。秋山郷に入ってから携帯が全く通じなかったため合流できて一安心   ここにも根曲がり杉
 
  根曲がり部分は山に置かれたままになっている
 
  荘厳な鳥甲山(標高2037m)
   
  どの風景を切り取っても美しい   のよさの里「牧之の宿」にて。鈴木牧之「秋山紀行」の挿絵を解説頂く
   
  南雲さんに「漬け物にしたら美味しいんだ!」と薦められ、山菜をがぶり。「ひぃ〜」   こちらも、がぶり。「んー、すっぱい」
   
   
  ● 北野天満温泉
  森林見学を終えて、今夜の宿「北野天満温泉」に到着。
そして大宴会スタート!スギダラ恒例の自己紹介が始まります。
話が尽きず、盛り上がり、長い夜になりました。
   
  宿泊先:北野天満温泉   北野天満宮
 
  北野天満宮・鎮守の杜
   
  大宴会スタート!乾杯!   美味しい山菜料理に大満足
   
  スギダラ恒例の自己紹介が始まります。参加者全員、キャラクターが濃くて、おもしろい!   宴から参加、フィノキアーロさんも語ります(日本語ペラペラ)
   
  南雲さん、若杉さんが採ってきたウドも調理頂きました「うまい!」   最後の締め
   
   
  2日目:2013年5月26日(日)
   
  ● 栄村森林組合見学
  製材された「根曲がり杉材」の見学。
根曲がり材は、根元から2mまでの箇所は、アテが強いため、木の繊維のひっぱり具合が違い、乾燥させると割れたり、繊維が切れてしまうとのこと。また、トラックにて山から運び出そうにも積み込み効率が悪い、製材するにも曲がっているため高さがあって機械に入らない、1つ1つの木形状が違い過ぎるなどの課題があります。ただ、この曲がりを個性として捉えるとこんなおもしろい材は他にはなく、そもそも「根曲がり」っていう名前のイメージが悪いと、スギダラらしくネーミングから盛り上がりました。
   
 
ネーミング
候補
「J材」:曲がり具合から「J」
「暮らすJ」:JALにスポンサーになってもらう
「Jリーグ」: J1、J2などJ度を競う
活用方法 舟プロジェクト:
千曲川でのラフティングが有名なこともあり、中を掘り込んで活用してはどうか  フネん材、フネんでならない…
チェーンソーアート、チェーンソーにて山でベンチ作りのワークショップ
J材コンペ:J材を活用したコンペ
ホルンプロジェクト:
曲がりを活用して、杉の中をくり抜き、10m級のホルンを作る。
そんなにホルンですか? ひたすらホルンです。
   
 
  「根曲がり杉材」の見学。久保田さんにご案内頂く。
   
  製材された根曲がり杉   根曲がり杉の割れ
 
  ネーミング、活用方法で盛り上がる
 
  正円ではない木口(セイエン(千円)よりも価値がある一万円だそうです)
   
  マトリョーシカ型もある   根曲がり杉の上に立つ南雲さん
   
   
  ● セミナー
 

栄村森林組合見学を終えて、さかえ倶楽部スキー場に向かいます。
スキー場内の施設にて「杉が示す懐かしくて豊かな未来〜スギダラケ奮闘記〜」セミナーが始まります。講師は日本全国スギダラケ倶楽部より若杉浩一さん、南雲勝志さん。そしてオーストリア大使館よりフィノキアーロさん、オーストリアの森林業・森林教育・バイオマス活用についてお話を伺いました。

 
  「杉が示す懐かしくて豊かな未来〜スギダラケ奮闘記〜」セミナーにて、各地での活動を通しローカリティーの可能性について語る南雲さん。多くの方に参加頂きました。
   
  オーストリアでは林業はかっこいい、子ども憧れの職業と語るフィノキアーロさん   若杉さんのお話。地域と行政、企業が組むことで楽しく仲良く問題を解決していく杉騒動の数々に会場中が大笑い。
   
   
  ● 記念撮影
  セミナーが終わり、北野天満温泉においしいお蕎麦を堪能。
最後に、みんなで記念撮影です。
今回のスギダラツアーを支えて頂いた栄村森林組合の久保田様、長野県庁・糊倉様、長野県庁のみなさま、本当にお世話になりました。ツアーに参加頂いたみなさま、セミナーに参加頂いたみなさま、どうもありがとうございました!
 
  みんなで、片腕上げて「J」!
   
   
   
   
   
   
  ●<おく・ひろこ> パワープレイス株式会社 リレーションデザインセンター インタラクションデザイン部
日本全国スギダラケ倶楽部 本部事務局
   
 
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