特集 長野県栄村セミナー&スギダラツアー
  スギダラセミナーin栄村
文/ 久保田道一
   
 
 
  長野県・栄村
   
 

長野県北部に位置する栄村は、日本一長い千曲川と豪雪で有名な村です。千曲川は隣接する新潟県津南町で信濃川に名称を変えます。また豪雪の記録としてはJR駅積雪7m85cmという日本最高記録ももっています。

東北地方太平洋沖地震の起こった13時間後の平成23年3月12日未明、長野県北部を震源とする直下型の大きな地震が発生し、栄村は甚大な被害を受けました。M6.7。震度6強。村内の約9割にあたる804世帯、2055人に避難指示が出て、約1週間、避難所での生活を余儀されました。
おかげさまで全国の方々から多くのご支援をいただき、現在のところ復旧は90%以上進んでいます。みなさまのご支援、本当にありがとうございました。

       
   
  平成23年3月12日の地震の被害   復旧が進む復興住宅
   
 
   
  森林・林業・住生活環境
   
  復旧・復興を進める中で、「村の面積の93%を占める森林の活用が復興の中心となる。」そんな思いが、昨年オーストリアの林業を視察してから確信にかわりました。若い人が作業員として働き(服装もかっこいい)、伐採後は必ず植林をし、伐採された木材は枝、葉を含め利用され、木質バイオマス等も進んでいます。地域(田舎?)に暮らす人々はその住環境を受け入れ生活しています。こんな村にしたい夢と希望が湧いてきました。
   
 
   
  スギダラとの出会い
   
  平成25年1月(株)内田洋行 本社へ若杉さんを訪ねました。ところが・・・・。
若杉さんは突然のインフルエンザによりお会いすることができず、奥ひろ子さんからスギダラのお話を伺う中で、是非、栄村でこの話を聞きたい、という思いが募りました。そこからスギダラセミナーin栄村の開催が決まったのでした。
実は、若杉さん、南雲さんにお会いしたのは今回のツアー・セミナーが初めてでした。2人ともパワフルでしかも回転が速く、ついていくのが大変でした。
   
 
   
  「J材」の誕生とセミナー
   
  栄村は日本有数の豪雪地帯で、雪がスギの根元にたまり、その重みで根元が曲がってしまいます。これを「根曲り材」と呼んでいます。早速南雲さん、若杉さんに見ていただいたところ、「根曲りっていう呼び方は暗いなあ・・・。J材・・・。J材、これがいい。今日からJ材と呼ぼう。」豪雪のために根元が曲がったその形が「J」に見えることから、「J材」。あっという間にネーミングが決まりました。
その後、お二人からご講演いただき、若杉さんの「未来に向けた価値とは」という話に非常に共感しました。いつも思っていることが・・・。まさにその通りの内容でした。
   
  何が大切なのか?
森から始まる価値づくりへ。
経済資源と共感資源。
   
  セミナーでいただいたヒントは、これからの自分の仕事、プライベートに大いに役立ちそうです。森林組合の現場の若い職員もたくさん来て講演を来ていましたが、皆、時間が足りない、もっと聞きたいと言っていました。本当に良い機会をいただきありがとうございました。
   
   
  豪雪のため雪がスギの根元にたまり、その重みで根元が曲がってしまう「根曲がり杉」の林   「根曲がり材」改め「J材」の断面
 
  セミナーの様子
   
   
   
   
   
   
  ●<くぼた・みちかず> 栄村森林組合 総務兼業務課長
   
 
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