連載
  吉野杉をハラオシしよう!〜"駆け出し"専務の修行日記〜第62回
文/  石橋輝一
「小豆島、ヤマロク醤油さんの木桶」
 
  2010年にスタートした木桶仕込み復活プロジェクト
先月号は日本酒の木桶仕込みでしたが、今回は醤油の木桶仕込みです。
   
  小豆島は国内有数の醤油産地、月刊杉70号でご紹介したことがありますが、現役で活躍している木桶の半数、1000本近くを抱える、木桶の島でもあります。
   
  ヤマロク醤油さんでは、新しい木桶12本を4年前に導入されました。醤油屋さんで新桶を入れられるのは、戦後初めての事だったそうです。吉野の木桶と同様、大阪・堺の(株)ウッドワーク(藤井製桶所)さんが手掛けられました。日本で数少ない、仕込み用の大桶を作る事の出来る桶職人さんです。
   
  さらに、桶づくりの技術継承を目指して、藤井製桶所さんの指導の下、五代目の山本康夫さんをはじめ、小豆島の大工さんが木桶作りに取り組まれています。木桶"職人"復活プロジェクトです。
   
  2013年5月、ヤマロク醤油さんが吉野に来られました。自らの手で作られる新桶の材料探しのためです。大半の材料は、藤井製桶所さんから分けて頂いたそうですが、底板の材料は足らなかった為、吉野杉をお求めいただきました。
   
  吉野杉は、樽や桶の材料として最適であった事から、その林業の歴史が始まっています。吉野杉の特性を最高に活かせる場が、樽や桶なのです。今回、木桶復活を目指す仲間として、吉野杉がご協力できる事をとても嬉しく思います。
   
  ヤマロク醤油さんでの新桶づくりは、この秋から始まります。
瀬戸内国際芸術祭でのコラボレーションの動きもあります。
   
  日本の木の文化の素晴らしさ、吉野杉の真の実力、そして、木桶仕込み醤油の美味しさが沢山の人に伝わると嬉しいです!
   
 
  吉野で材料選び。真ん中がヤマロク醤油・五代目の山本康夫さん。右が大工の坂口直人さん。左が筆者。
   
   
   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴5年。杉マスターを目指し奮闘中!
吉野中央木材ホームページ: http://www.homarewood.co.jp
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