杉で仕掛ける/第47回「森のおもちゃとアート展」

連載

文/写真海野洋光

2012年の杉コレクションも無事、盛会に終了した。ここで杉コレクションの発展的イベント、「森のおもちゃとアート展」を紹介します。

森のおもちゃとアート展。チラシ(PDF)はみやざきアートセンターHP内より、こちらをダウンロードしてください。

私の携帯にNPO法人宮崎文化本舗の石田達也代表から連絡がありました。「1月にみやざきアートセンターで木のイベントをするのだが、誰か紹介して…」
即、数人のアーティストの名前を挙げました。この名前こそ杉コレクション（以下杉コレ）に関わっていただいた人たちなのです。

宮崎県（都会に遠い地方はどこも同じかもしれませんが・・・）は、本当に遠いところです。イベントをするにも、セミナーをするにも他県と違って不要な労力をしなければなりません。宮崎県民性の大きな特徴に「人の良さ」があります。本当に人が良いのです。ただし、自分から積極的に付き合いをつなげようとする努力はしません。来た人にだけ、話しかけられた人にだけ、なのです・・・。

宮崎の杉の良さを知ってもらうためには、宮崎県自体が、宮崎の杉を売り込まなければ、誰も知ってくれないのです。そんな簡単なことが、誰も判らなかったのが、私を含めて10年前の宮崎の木材人だったのです。

そういった状況で2004年から始まった杉コレは、県外の人に宮崎の杉をＰＲする絶好の機会になりました。木材イベント杉コレの手法は、全国に広がっています。杉コレを通じて様々な設計者、デザイナー、アーティストと知り合いになりました。これも杉コレの宝です。

杉コレ2009 in 日南　での最終審査会

石田さんは、みやざきアートセンターの所長でもあります。みやざきアートセンターは、宮崎市の繁華街のど真ん中にあり、情報発信の場所には、最適なところです。アートと言う冠は、ついていますが、昨年は、ワンピースストアやエヴァンゲリオン展も開催され、宮崎県オタク館と言った方が良いのではと思えるくらい旬のイベントをガンガン打っています。当然、動員数も半端ではなく、数万に規模のイベントになります。
その所長からのオファーですから、気合が入ります。
宮崎人の「人の良さ」を知っていただいた人は、分かっていただけると思いますが、お付き合いしただけでそれはもう、何十年も前からの友人のような接し方です。（笑）
石田さんから電話を受けて数カ月が経ったある日、「時間がかかったけど、寺田尚樹さんを紹介してください」との返事。

企画から宮崎市に対しての承認までかなりの時間がかかるらしい。「大分の有馬晋平さんは、知っているから石田さんの方からお願いできるよね！」石田さんも杉コレ仲間は、かなり親しい！！
木材をＰＲするのに木材人以外が木材のＰＲ活動をしてくれるそれも、入場料を・・・。
企画次第で十分出来るのだ。宮崎でも！！

石田さんに紹介したついでにこのようなお願いをした。寺田さんは建築家・デザイナー・モデラー・料理研究家として活動されていて、最近ではテラダモケイとして、1/100建築模型用添景をデザインされている。テラダモケイの「添景」でぜひ宮崎バージョンを！！これには、石田さんも大乗り気で・・・。
寺田さんが、宮崎入りして事前調査をしたときは、県庁や平和台公園などを見ていただいた。

宮崎県庁を取材中の寺田さん

平和台公園の神武天皇お船出の門も見ていただいた

1月3日のイベント開幕日は体調が悪く行けなかったが、4日に見てきた。それは、それは、もう、アートセンター内はスギダラケでした。

森のおもちゃとアート展にて、テラタモケイ展の看板

森のおもちゃとアート展でのテラダモケイの展示風景

拡大。1/100の添景を使って、様々なシーンを作っている。ここでは「ラブラブ」。

寺田さんに無理やりお願いしてつくってもらった、宮崎バージョン

テラダモケイの1/100建築模型用添景セット。販売されています。

これがテラダモケイの宮崎県庁。今回特別に作っていただいた。

寺田さんがデザインした、「木んぎょすくい」も同会場に展示されています

同会場には杉コレ2012の入賞作品も展示されています

大切なのは、ひとつイベントを成功させることではなく、イベントを継続すること、そのイベントで得たものを大切にすることです。

●<うみの・ひろみつ>木材コンシェルジュ
ほぼ、毎日更新しています。ブログ「海杉　木材コンシェルジュ」 http://blog.goo.ne.jp/umisugi/
2009年3月31日をもって、日向木の芽会を卒業しました。
海野建設株式会社代表取締役　/ HN :海杉
『杉で仕掛ける』web単行本：http://www.m-sugi.com/books/books_umi.htm