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日の丸醸造の杉玉 | ||||||||||||||||
9月1日、所用があって秋田県南部の横手市増田町の日の丸醸造を訪問しました。店の入り口には大きな杉玉が下がっています。昔は灘の杉玉業者から購入していたそうですが、最近は地元の花屋さんに作ってもらっているそうです。昨年西都市で杉玉ワークショップを行った際に、ミヤダラの杉鼓さんが調べてくださった資料をもとに、いつ頃から杉玉を下げるようになったのか、酒屋と杉玉のことについて調べてみました。 | ||||||||||||||||
● 杉玉とは | ||||||||||||||||
杉玉は、酒屋の看板として軒先などに吊るし、新酒ができたことを知らせる役割を果たします。吊るされたばかりの杉玉はまだ青々としていますが、やがて枯れて茶色がかってきます。この色の変化によって新酒の熟成の具合い(飲み頃サイン)を知らせているとも言われています。 | ||||||||||||||||
● 杉玉の起源 | ||||||||||||||||
昔、神に供える酒を「みわ」と言いました。奈良県桜井市の大神神社は三輪山全体がご神体で、三輪山の杉の木を神木としていたことから、大物主大神のご神威が宿る杉の葉を束ねて酒屋の軒先に吊した風習が杉玉の起源とされているそうです。当初は「酒箒(さかぼうき)」や「酒旗(さかばた)」江戸中期には鼓のように束ねた杉の葉を「酒林(さかばやし)」呼び、軒先にかけて酒屋の看板としていました。江戸後期に現在のような球状になっていったらしいです。 | ||||||||||||||||
「和漢三才図会」より | ||||||||||||||||
● 杉と酒に関する文献 | ||||||||||||||||
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● 酒栄(さかえ)請と「しるしの杉玉」 | ||||||||||||||||
酒造りの神社として全国に知られ、酒造家たちの厚い信仰を集めている大神神社では、この大神様と杜氏の祖神の御神徳を慕う全国の酒造家の集まり「酒栄講」があり、新酒の仕込みの季節を迎える毎年11月14日に新酒の醸造安全祈願祭が執り行われます。この日、拝殿向拝に吊っている「しるしの杉玉」が新しく取り替えられ、参列した全国の酒造家や杜氏には、三輪山の神杉の葉で作られた直径30センチほどの杉玉が配られ、酒造りの安全、商売繁盛、子孫繁栄などを祈って軒先に吊るすそうです。 | ||||||||||||||||
● 秋田県内の造り酒屋の創業年 |
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秋田で杉玉を飾る習慣がいつ頃からはじまったかは定かではありませんが、おそらく1603年の佐竹義宣の転封や北前船によって、江戸時代には伝わっていたかな?と想像しています。また時間をつくって調べたいなと思います。 | ||||||||||||||||
奥の座敷蔵の前には歴代の杉玉が飾ってありました。 | ||||||||||||||||
●<すがわら かおり> 教員 秋田公立美術工芸短期大学 産業デザイン学科 勤務 http://www.amcac.ac.jp/ 日本全国スギダラケ倶楽部 秋田支部長 北のスギダラ http://sgicci.exblog.jp/ 『あきた杉歳時記』web単行本 http://www.m-sugi.com/books/books_sugicchi.htm |
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