連載
  吉野杉をハラオシしよう!〜“駆け出し”専務の修行日記〜第44回
文/写真  石橋 輝一
  鍛え系杉連載。さぁ、吉野中央3代目と一緒に勉強だ!
 
今回は“しゃべり杉爺さん”こと京都女子大学の高桑先生とのコラボをご紹介させて頂きます。
京都女子大学に隣接する「阿弥陀が峰国有林」内に案内板を設置するプロジェクトです。
   
  2008年に林野庁と京都女子大学の間で締結された「遊遊の森」制度により、「阿弥陀が峰国有林」を「京女・鳥部の森」として約1.4kmの里山を自然観察のフィールドとして活用されています。
   
  スギダラネットワークを活かして、「鳥部の森」内の案内板が製作されました。
   
  デザインと施工を、狩野新アトリエの狩野新さん。
材料のヒノキを、当社でご用意させて頂きました。
   
  7月31日に高桑先生、京都女子大学の学生さん2名、狩野さんが吉野に来られました。
材料を見ながら、製材する寸法を相談させて頂きました。ヒノキ丸太を看板の脚に使用します。
   
 
  ヒノキの木肌を見せる為に、機械ではなく、手作業で皮を剥きます。左手前が狩野新さん、その隣が高桑先生。
 
  このヘラを使って剥きます。ヒノキの皮は剥きやすいです。スギの皮は吸着しやすい為、伐採直後に剥くことが多いです。
 
  2面を製材して、丸みを残したタイコ梁の状態にして使用します。製材する寸法を相談します。
 
  寸法が決まり、ヒノキの脚が揃いました!
   
  そして、8月3日に施工が行われました。高桑先生から写真を送って頂きました。
   
 
  重機が入らない為、案内板の設置現場まで、みんなで協力して人力で運ばれました。製材したばかりの生材(乾燥していない材)だったので、かなり重かったと思います。酷暑の中、本当にご苦労様でした!!!
 
  完成〜!文字やイラストは学生さんによる手彫り。すごく上手です!
 
  高桑先生と案内板。キマっています。
 
  看板の脚の裏に、名前を入れてくれました!
   
  美しい案内板が完成しました。
ヒノキの木肌も綺麗です。時を重ねるごとに味わいが増していくと思います。
   
  「京女・鳥部の森」は今回の案内板の設置することで、広く市民の方にも利用して頂く計画があるとの事です。京都の都心に残る豊かな自然の宝庫。すばらしい憩いの森になってくれそうです。
   
   
  つづく
   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴3年。杉マスターを目指し奮闘中!
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