第二特集
  2008年各支部の総括
コーディネート/ 千代田健一
  各支部の2008年のスギダラ活動を報告します
 
●スギダラ本部
   
 

本部広報宣伝部長 千代田健一

   
 

2008年はスギダラ倶楽部にとって、今までに無い飛躍をした年になったと思う。昨年までとの違いは、各支部の活動が全国区になってきたところだ。その一番のトピックが秋田支部発「窓山デザイン会議」と北部九州支部発「杉モノ・デザイン展」だったと思う。
これらは何かのイベントに乗っかったものではなく、スギダラ倶楽部の支部が主催者となって実行したものだからだ。中心となって実行に移していった秋田支部、菅原支部長、加藤二ツ井出張所長、北部九州支部、池田支部長、佐藤広報宣伝部長にとっては感動もひとしおだったと思うし、大きな自信になったと思う。
スギダラ最大のチーム宮崎支部は手を緩めることなく、次々に仲間を増殖させ、杉コレクションも継続の明かりが見えた。
天竜支部も独自に活動を開始し、年初のスギダラツアーを実施できたし、東京支部、日光・今市支部(栃木支部)でも独自に活動してゆける礎を築けたと思う。関西支部では、こどもゆめカフェプロジェクトにおいて、自治体だけでなく企業も巻き込み「コドモスギコレ」デザインコンペを実施したり、今までになかった繋がりを持てたのではないかと思う。
こういった各地域における様々な連携がスギダラの活動のポテンシャルを底上げした年だったのではないかと思う。
一方、本部の方でも大規模なセミナーを実施したり、スギダラファニチャーの製品化(ASHIKARAシリーズ)を実現したり、さらには日南市と連携してさらに地域と中央(企業)のコラボレーションによる今までに例を見ない製品開発というフロンティアに挑もうとしている。
年表には無いが、大学、高校、企業セミナー等においてスギダラの広報活動も今まで以上にやってきた。実感するのは、聞いてくれた人々、知り合った人々が示すスギダラの活動への関心の高さと具体的連携の意欲の高さである。デザイン、ものづくりの世界でもスギダラに関心を寄せるクリエーターが増えてきた。

ここまで来ると、会員の自発的参加によるコミュニティの域を大きく超えてしまっている。本部広報宣伝部としては、この勢いにのってどう具体的に活動してゆけるか模索しなければならないと思っているが、まだ具体策があるわけではない。ただ、今年一年の活動を見渡しながら、ひとつだけ具体的に取り組んでみたいと思っているのは、杉を中心とした「ものづくり」に関わる情報の可視化である。どの地域にどんな人(仲間)がいて、どんなことができるのか? とか、どこにどんなお宝(レアで魅力的な材料)が眠って(在庫)されているのか? といった情報を見える形にしたいと思っている。
例えば、後者の方で言うと、先日日南市の吉田産業さんに伺った時に見せていただいたのだが、随分前に製材された耳付きの幅広板があって、飲食店のカウンターとして使ったりするとさぞ迫力があって、豊かな空間ができるんじゃないかと思えた。実はこういったお宝とも思える材料が使われず(売れず)にいたるところの倉庫に眠っているらしい。こういう情報が設計者、デザイナーの知るところになれば、大いに役立つはずだし、杉材の流通に新しいルートを築いていけるのではないかと思うのだ。
実は、スギダラ倶楽部に対する、こういった材料に関する問い合わせも少なくはないのだ。まずは、この辺から情報公開できる方法を模索して行きたいと思っている。
それと2009年はさらに各地の活動にも拍車がかかると思うので、本部では各地の動きを全国に繋いでゆく役割を強化して行きたいと思う。既に新たな会員メンバーが広報部員として活動したい意思を表明してくれていたりする。現在、会員数約850名。来年の年末には1000名を越えているのではないかと思う。スギダラの輪はまだまだ続く。来年はどんな出会いがあるか楽しみだ。

   
 
  杉モノ・デザイン展に向かう時、福岡空港にて。各地の広報宣伝部長+秋田支部長すぎっちに囲まれてご満悦の本部広報宣伝部長の千代田。来年も素敵な一年でありますように!
   
   
   
  ●秋田支部
   
 

秋田支部長 菅原香織

   
 

2008年はスロースタートでしたが、徐々にスピードを増し、一気に駆け抜けたような年でした。
順を追って振り返ると、3月にGSデザイン会議の活動助成金を受けて窓山デザイン会議が開催できることに。4月、GSデザイン会議のセミナー「領域を超えたデザインの可能性」に温だらを派遣、篠原先生をはじめ皆さんに窓山をPR。5月、秋田県農山村活性化事業助成金に窓山再生プロジェクトの企画を申し込むも不採択。6月、北秋田市で行われた全国植樹祭への参加。7月、秋田県森づくり県民提案事業にスギラボの企画を応募、採択になる。8月、お盆前東京で窓山デザイン会議のキックオフ、8月末、杉の葉採集で森の木こり塾に参加。9月、スギラボで杉玉づくりワークショップと杉かまくらの製作、展示。10月は最大のイベント、窓山再生WS&デザイン会議の開催。その翌週には、日向の杉コレの視察。11月頭には秋田県生涯学習センターの依頼で秋田杉に関する講義を担当。翌週にSD演習でまちのあかりデザインワークショップを開催、その翌週には白水の杉モノデザイン展を視察、そのまた翌週には秋田杉の街並み推進事業への協力で秋田市長と面談。12月には秋田ほっとHOTクリスマスフェスタへの参加。仕事納めは、県の水と緑のマスコットキャラクター「森っち」のイラスト画をプレゼント。もう、スギダラがどうにも止まらない(笑)一年でした。でもこれらの活動を通して、大きな学びと絆を得ることができ、わたしも一回り大きく成長できたと思います。協力していただいたみなさま、出会ったみなさまに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。そして2009年も是非またお会いできることを願っています。

   
   
   
  ●関西支部
   
  スギダラ関西の1年を振り返って
 
スギテル こと 石橋輝一(吉野中央木材)
   
  2008年も終わりになりました。今年のスギダラ関西を振り返りますと、春と秋にイベントを行いました。
   
   

[京都・北山杉ツアー]
4月6日にスギ関ツアーを開催し、京都の北山杉の産地を訪れました。東京や宮崎からも参加して頂き、台杉や磨き丸太を作る現場を拝見し、先人が編み出した育林技術とそれの応えるスギの生命力に圧倒されました。(詳しくは月刊杉38号http://www.m-sugi.com/38/m-sugi_38_sugikan3.htmにて)

       
   

[スギカフェinロハスフェスタ]
4月26〜27日には大阪の万博公園で開催されたロハスフェスタに参加し、スギ関のスギ屋台を使ったスギカフェをメインに、お箸作り体験、スギ家具の販売などを行いました。スギ屋台の中は良い香りでいっぱい、杉太にしがみついて離れない子供もいました。(詳しくは月刊杉34号http://www.m-sugi.com/34/m-sugi_34_ishibashi.htmにて)

       
   

[オビダラ御一行様in吉野]
また、9月にはオビダラ御一行様が、関西出張の途中で吉野中央木材に立ち寄って下さり、吉野の杉と桧の現場をご案内しました。(詳しくはオビダラ日記http://obidara.exblog.jp/9026657/にて)

   
 

そして、秋のコドモスギコレ。こちらは水木さんにお任せします!

   
  さて、2009年。スギダラ関西、一発大きく前進したいと考えております。スギ関の皆様、全国のスギダラの皆様、ご協力をヨロスギお願い致します!。2009年も楽しスギな1年になる事を願って…。
   
 
   
 

縁・円・宴

 

ふらふらし杉 こと 水木千代美

   
 

今年は「コドモスギコレ」開催において、スギ関の皆さまはじめ、内田洋行の皆さまなどたくさんの方にお手伝いいただきました。ありがとうございました。 
http://www.m-sugi.com/38/m-sugi_38_sugikan1.htm

これも「縁」なんですよね…としみじみ思います。ずっとずっと前に、スギ関の事務局である「吉野中央木材」さんのHPに出会わなかったら、宮崎でハルスギさん・南雲さんに出会わなかったら、大阪で若杉さんに会えなかったら…と、“たら”の何乗になるのでしょうか?運命ってあるのかなと思ってしまうくらいの確率で、偶然に?いえきっと必然の出会いでスギダラに吸い込まれていったのですよね。そして「縁」がつながって「円」になって、楽しい「宴」を皆でできるなんて素敵です。(飲み会を差してるんじゃないですよ:笑)こう考えると「杉」ってやっぱり“つなぐ”力があるんですよね。2009年もたくさんの「縁」に出会えて、もっともっと大きな「円」になって、もっともっともっと楽しい「スギェ〜宴」が皆さんとできますように。

   
   
   
  ●宮崎支部
   
  2008年を振り返って、そして進化する2009年へ
 
宮崎支部広報宣伝部長 吉武春美
   
 

2008年の活動を「南のスギダラ」「オビダラ日記」ブログで振り返ってみました。

   
 
2月〜3月

●ふれあい富高小学校の課貝授業
ミヤダラ三姉妹の楠ダラさんと参加しましたが、もうずいぶん前のことに思えるほど、2008年様々なイベントがありました。「了貝!」が合い言葉に!

3月

●Yappa あおしま De ナイト!Part5!
青島ですでにシリーズ5回目となる!今回は、長期で青島を活性化するしくみのオープニングイベントとなりました。 http://miyadara.exblog.jp/m2008-03-01/

4月
●京都北山杉ツアー
行き帰りフェリーを使っての弾丸ツアー、やはり楠ダラさんと参加。詳細はその1からその3までレポートしていますので、↓ご覧ください。参加した側ですが、結構な体力が必須のツアーでした。 http://miyadara.exblog.jp/m2008-04-01/
●GSデザインセミナーIN 東京!
宮崎支部からも、またまた楠ダラさんと春杉が参加してきました!大いに刺激を得られた東京2日間でした。
6月

●スギンダラツアー日南・日向&ギンダラセミナー
こちらは、姉妹団体ともいえる「ギンダラ」の活動参加と、スギダラ宮崎ツアーを合わせた交流ともいえます。それぞれに貴重な体験となりました。  http://miyadara.exblog.jp/m2008-06-01/

●にちなんにちなんだ商品づくり
にちなん飫肥杉商品開発研究会の第1回が開催されました。  http://obidara.exblog.jp/8533304/
8月

●秋元川清流まつり
2008年で、2回目となる秋元地区あげての川まつり。昨年に続いて宮大生とミヤダラが応援隊として参加。過疎化が進む地域と外部との交流に活路をみいだしたイベント。

●スギ関のしゃべりスギ爺様&難しスギ様来宮
スギ関の特にアカデミックなお二人が、宮崎に上陸!日南市飫肥杉課(オビダラ)の方々が飫肥杉ツアーご案内。オビダラもミヤダラも逆に奥深いお話しを聞く機会でもあり勉強になりました。 http://miyadara.exblog.jp/m2008-08-01/
9月

●オビダラの飫肥杉箸を作りたい関西ツアー  http://obidara.exblog.jp/9026657/

10月

●杉コレ2008in日向
海野支部長が大奮闘!ミヤダラは、「かふぇ みやだら」で応援。(入選とはなりませんでしたが、杉コレにも応募しました)その全体のレポートをその1からその3でアップしています。 http://miyadara.exblog.jp/m2008-08-01/

●飫肥杉ワゴン登場!
3日間、油津の商店街に、飫肥杉製の販売台がずら〜っと並びました。日南商工会議所が森林組合に50台を発注!飫肥杉課も支援しました。 http://obidara.exblog.jp/9377115/
11月

●杉+展示会in唐津「白水」
北部九州支部主催イベントに参加。一泊二日で宮崎からは、海杉支部長と春杉が参加。同じ九州から発信された杉モノ展示にいくつもの+を取り入れ活かした企画に、地方の力と結束力を感じさせられました。

●油津堀川まつりの目玉に、飫肥杉トロッコ登場! http://obidara.exblog.jp/9693989/
12月

●2008高千穂・秋元夜神楽
2008年は、スギダラ会員の飯干淳(仙人)さん宅が神楽宿、ほしゃどん(舞い手)で、本部(東京)からも数名見学参加されました。  http://miyadara.exblog.jp/m2008-12-01/

●いつもと違うミヤダラ2008最後の杉談議in青島
12月も下旬22日から23日にかけて、ミヤダラ初めてのケビンでの宿泊忘年会です!
仕事で宮崎入りされた5名の東京組も合流して、大人17名、子ども5名参加の大盛会な2008最後の杉談議となり、2009年に向けた新たな計画がすでに動きはじめました。 
●京都女子大飫肥杉ツアー   http://obidara.exblog.jp/9976045/
しゃべり杉爺様こと高桑先生が、京都女子大の皆さんとともに「飫肥杉ツアー」計画に、飫肥杉課全面協力です。
   
 

こうして見てみると、二ヶ月に一回のイベント開催参加、そして+本部と他支部のイベントへ参加。イベントの多い宮崎です!!それなりに体力と時間を費やして活動してきましたが、応援的な参加の部分が多かったなぁと感じています。
2009年秋には、日南で杉を通じて生活のさま、生きざまが見えるまちへ、まちづくりから、製品開発までの一貫した活動「至上最大の飫肥杉大作戦」が決行されようとしています。12月迄で本部スギダラ3兄弟のみなさんも参加して、4回の飫肥杉商品開発調査研究会が開催されました。テーマは、「商品開発」と「地域からの発信」です。その内容や報告は、随時「オビダラ日記」に掲載されていますので、ご覧下さい。
これに宮崎支部が全力をあげて参画し、2009年は宮崎支部がさらに進化することをめざします。これまでの宮崎での活動でつながったみなさんと、さらに杉絆を強めて取り組みたいと思っています。 

オビダラ、木青会、本部のみなさんと共に、宮崎日南ならではの至上最大の杉イベント開催に向けて、
「にちなん!にちなん!にちなんだぁ!×3」
「YES、飫肥杉CAN!」
「YES、みやざき CAN!」
お〜!!

   
 
 
 
「YES、飫肥杉CAN!」「YES、みやざき CAN!」お〜!! 写真提供:出水進也
   
 
   
  ●北部九州支部
   
 
北部九州支部長 池田陽子
   
 

年初めの新年会では、日田のイベントに便乗参加する以外はいつもながら特に予定もあてもなく、今年もなんか楽しいことができるといいですね、ぐらいに話していたので、まさか秋にスギダラ展示会をすることになるとは思いもよらず。突然降ってわいた話に乗っかり、春から半年をかけて幾度となく白水に通い、白水三昧な年となりました。そして私事ですが、夏にうちの工房を大分から福岡へ拠点を移すことになったのもこれまた突然の展開だったので、人生何があるか分からないものだなとつくづく思ったものです。

そしてどちらも自分達だけではどうにもやりとげられない大仕事だっただけに、周りでたくさんの方々が手を貸してくださったことが心底ありがたく、感謝の一言に尽きます。大変だったけれど、今年はほんとに出会いの多いよき年となりました。

杉九的には佐賀へ大きく勢力拡大し、今後どのような展開になるのかたのしみでもあります。(またもやでたとこ勝負。)出会った方々との縁を大切にし、来年も次の波がきたときにさっと乗れるよう、心のフットワークも軽くいきたいと思っています。

   
 
   
 
北部九州支部広報宣伝部長 佐藤 薫
   
  今年の杉九の活動と言えば、やっぱり「杉モノ・デザイン展」。
今年と言うより、杉九発足以来コツコツと少しづつ蓄えていったコト・モノ・人脈をフルに出し切った今までの杉九総決算のようなイベントでした。

今回の特集で暑苦しく語らせていただいておりますので、ここでは簡単にしか触れませんが、とにかくたくさんの方が関わって、展示会を一緒になって盛りたて、そして私たちを支えて下さいました。
全てが無事に終わった今、感謝の気持ちでいっぱいです。

この展示会で初めて顔を会わせた作家さん同士が家族ぐるみで仲良くなったり、コラボをしたり、共に工房で作業をし合ったり、そんな新しい関係も生まれ、杉九を取り巻く人々はますます面白くなってきました。

来年はどうするか?今は終わったばかりでまだ頭がまわりません。ただ、いつも行き当たりばったりのような気がしますが、確かな流れが出来ているのは感じています。溝口さんが書いてくださっているように、これから私たちはその流れに乗っていくだけです。

今回「また一緒にやりましょう」 「遊びに行きます」と、お約束した人たちがたくさん。
来年はまずお世話になった皆様に御礼巡業の旅に出よう、と池杉さんと盛り上がって います。
行きたい場所、会いたい人が増えました。

私達がふらりと現れた時には、皆さんどうぞ宜しくお願い致します。
   
 
 
杉九の仲間たち
   
   
   
  ●天竜支部
   
 
スギダラ天竜広報宣伝部長 袴田彩子
   
 

今年は、立ち上がったばかりのスギ天での、1月厳冬伐採ツアーから始まりました。(冬の山は本当に寒く、寒さでつらかった参加者の皆様に改めてお詫び申し上げます。もっと防寒が必要でしたよね。おかげで、参加メンバーの防寒意識はかなり上がったようです・・・)
さて、スギ天ツアーは、良かったという感想は頂いたものの、開催側としては非常に手探りのツアーで、なかなかこれといったものが示せなかったなあ・・・手のひらにある“きっかけ”を体験してもらうことだけができたかなあ というのが正直な感想です。まだまだ、点がつながっていないのです!
そのもどかしさもあってか、2008年残りの10ヶ月は、各地スギダライベントにたくさん参加させて頂きました。唯一参加できた懇親会に全力投球した東京スギカワイベント。山そのものの魅力を見に行ったつもりでいたら、人の魅力に力あることに気付いた秋田窓山ツアー。街に息づく新旧の杉大道具(酒蔵)・小道具に感動した北九州厳木ツアー。都市や街のすぐ隣にある里山という新境地・神奈川秦野ツアー。
年初に放出し、放出して空いたところにスギスギと体験と情報を詰め込んだ1年でした。

さて、今後のスギ天としては、2年後の2010年を目標に、イベントをしたいと思っています。天竜ならではと自信を持って言えるようなものを。
2009年はネットワーク作りから。ちょっとご無沙汰しているスギ天メンバーともう一度集まり、何がしたいか、何ができるかを語るところから。

実用の杉の使い方を見つけたい
山の杉を街で使いたい
天竜ならではがにじみ出る使い方
そして、楽しい。もしくは美しい。そのために感動を呼ぶ。

今のところ、「木枠」っていいんじゃないか と思っております。

   
   
   
  ●スギダラトーキョー
   
  08年「川」、09年「泉」
 
スギダラトーキョー支部長 萩原 修
   
 

自分の連載「東京の杉を考える」を読み返しながら、2008年のスギダラトーキョーの活動を振り返ってみた。ぼくが東京支部長になったのが05年の忘年会の時だから、3年目の活動になる。正直言って、06年、07年の2年間は、どんな活動にするのか試行錯誤だった。自分の家のデッキを杉材にしてみたり、神田のイベントで杉の屋台を持ち込んでみたり、鳥取の杉を見にいってみたりと、いろいろ動いてみたけれど、今ひとつ活動として盛り上がることができなかった。そもそも、東京の杉との接点がなかなか見いだせなかった。そんな中で大きな出会いが、07年の9月にやってくる。武蔵五日市の中嶋材木店の中嶋さんと出会って、月1回のペースで武蔵五日市に通うようになり、07年10月と08年3月に多摩産材ツアーをやりながら、いっしょに考える時間を共有できた。

そして、08年7月12日に武蔵五日市で「スギカワ2008」というイベントに結びついた。「ふるさと工房」という施設での展示とマーケットとカフェ、杉の皮を使った染めのワークショップをおこない、夜は、秋川沿いでバーベキュー自己紹介というもりだくさんの夏の一日だった。ほとんど予算のない中、集まってくれた仲間たちと楽しい時間を過ごし、信頼関係もでき、その後もつながりが続いている。

「スギダラトーキョー」のキーワードのひとつに「ナガレモノ」がある。全国から東京に流れついた材と人。モノだけでないヒトとシゼンがつながった新しい流通のあり方を模索したいと考えている。そんな中で、08年のテーマは「川」だった。「杉」と「川」のつながりをなんとか見いだしたいと思った。結果的にはよくわからなかったけど、「山」から「海」につながる「川」の流れに何か大きなヒントが隠されている。 

さて、09年のテーマは「泉」である。武蔵五日市には温泉施設があり、日本全国にも温泉施設がある。なんで日本人はこんなにも温泉が好きなのか。そして、「杉」と「温泉」はどうつながっているのか。「川」をさかのぼって、わきでる「泉」にたどりついた時、あらたな物語がはじまりそうな予感がします。まあ、いろいろ屁理屈はさておいて、09年のスギダラトーキョーは、みんなで裸になって、汗を流して、気持ちよくなりたいなあと考えているわけです。全国各地の温泉にも行ってみたいと思います。いっしょに温泉に行く仲間も募集中です。興味のある人は、連絡ください。

   
   
   
   
  ●<ちよだ・けんいち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンター所属。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部広報宣伝部長
   
 
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