特集スギダラ秋の陣 vol.3
 

「杉+」展示内容紹介

文/  溝口伸弥
 
実は、もうすでに展示品の搬入が始まっています。展示会は2ヶ月先だというのに、です。
じっくり作品と向き合い、置く場所を見つけられる。と受け入れる側の有馬さん、長尾さんはとても丁寧に準備を始めています。スギダラ屋台も鎮座していてすでにイベントに使われ、すっかり馴染んでしまっています。スギダラ空間は、もう始まっています。
萱葺き民家と酒蔵の展示会場はほんとに多様な空間があります。座敷、蔵、レンガ造りの空間、縁側、土間、庭、田んぼ。様々な新旧杉モノを展示するのにこんなにぴったりな場所はありません。展示作業がとても楽しみです。
   
  「杉をよく知ろう。」
 

まずは、杉の組成や性質を分かりやすく紹介します。植物である木の性質を深く理解して、そこからくる素直なかたちの表現を試みます。
素材としての杉も体感します。触ってみる、削ってみる、割ってみる、焼いてみる。また、風化していく過程とその美しさを見たり、相性のいい塗装の紹介などもあります。

   
  「面白杉古道具たくさん。復刻からわかったこと。」
 

実際に使われていた酒造りの道具、各地から集めた魅力的な古道具の展示。一体これはどうやって使うのか?何なんだこれは?というようなものまでとても興味深いです。そして、現代の作り手による古道具の復刻版も見られます。

   
  「身近な人に贈る、杉で作った手作りの欲しかったもの。」
 

古道具から見えてきた、簡素ながらも、よく考えられた、手間をかけた丁寧な仕事。そこには使い手と作り手のあたたかい関係が見えました。欲しい人がいて、それを作れる人が作る、というシンプルな関係のなかに杉があった。これをヒントに家族、友人に欲しいものを聞いたら、出てくる出てくる。作り手ができる限りこれを実現します。

   
  「杉イベント盛り上げ杉」
 

北部九州支部お得意のイベント大道具が勢ぞろいします。屋台、縁台、テント、ベンチがお祭り気分を盛り上げるでしょう。杉の照明も雰囲気を盛り上げます。

   
  「さりげなさ杉」
 

存在感たっぷりの杉モノもあれば、あ、これも杉なんだと気づくものもありそうです。あまりに何気ないので気づかない人もいるかもしれません。また、もともとそこにあったものを展示品と間違えるかもしれません。

   
  「現代の杉、未来の杉」
 

杉モノ作りに取り組む現代の作り手が、難しいながらも生み出す作品の数々を展示します。各産地の杉を使った作品、杉ならではのやさしいおもちゃ、曲げワッパや桶など基本の杉道具、組子、障子などの伝統工芸への提案作品なども予定しています。森林組合との協同作業で、地元杉利用も面白そうです。程よく異素材も入ってくるのでそちらもお楽しみに。
杉の展示会を通じて、人のつながりがどんどん広がっています。

見て、飲んで、食べて、語らう。杉のものが集まれば心地よくないはずがない。テーマも作品もこれからまだ増えていくと思います。お楽しみに。

   
   
   
 

●<みぞぐち・しんや> 杉の木クラフト http://www.suginokicraft.com
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