小特集2 杉と子ども

杉教育・・・・・うちの場合
文・写真/ 梶谷哲也
 
 
 

あ〜、こんな企画が読みたかった。杉に取り憑かれた人たちがどんな杉教育っぷりをしているのか知りたかったから。みんなどんな感じなんだろ〜、楽しみだなあ。

では、うちの場合を書いていきましょう!
まずは名前。やっぱり大事ですよね〜。これは悩んだ。最終的には生まれて来てから決めたんだけど、どうしてもこの字だけは使おうと決めていたものがあった。「杉」? いやいや、さすがにこれをうまく名前に取り入れる事はできなくて。
答えは「直」。杉は直ぐい木、つまり真っ直ぐな木という語源を持つ事はスギダラさんならご存知のはず。
僕らの住む奈良県吉野は杉で有名な地域。そのまっすぐで大きな杉に囲まれたこの地で素直にすくすくと育って欲しい、そしていつかはあの大きな杉のように・・・。親の思いは勝手にどこまでも行きスギるのです。

一歳の誕生日にはお餅を担がせて歩かせるなんて話しを聞いた事があったので、我が家でももちろんやりました。地元神社のご神木だった400年生の杉の破片を背中にくくり付けてハイハイです。服装はもちろん「出来杉計画Tシャツ杉の葉染めバージョン」。さすがに背中に異物がついてるのは嫌だったのか、すぐに外してしまったのですが、親は満足です。

   
 
  誕生日行事を終えて、関西ハッピの上にたたずむ
   
 

一歳をスギたある日のこと。和歌山県に木の神様を奉る伊太祁曽神社というお宮さんがあるのですが、そこへ行き参拝をすませ境内を歩いていると雷に打たれ枯れてしまった杉のご神木がありました。空洞になったこの中をくぐると厄よけになるそうで、こどもにハイハイさせてみると。
もう大喜び! なんどもいったり来たりして厄よけしまくってました。
こう喜んでくれると親としては嬉しい限りですね。

   
 
 
杉のご神木の中をハイハイで厄除け。とても楽しそう!
   
  と、これ以外にも家での遊び道具はもちろん杉積み木。積み木は積んで遊ぶということが分かってないようで、いつもなめたりかじってますが、それはそれでオーケーでもっと杉を味わえよ〜ってなもんです。
そしてもうちょっと大きくなったら一緒に杉の山に行って、あーだこーだ杉の話をしたいですね〜。たぶん話しなんて聞かずに遊び回るんだろうけど、それはそれでやっぱりオーケーですね!
   
   
   
   
   
   
  ●<かじたに・てつや>
現在、奈良県吉野で山仕事を本業とするかたわら、地元に豊富にある「杉のためにできること」(出来杉計画)を実行に移す。僕の肩書きは「山いき」。
   
   
 
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