新春特集2

 

スギダラと未来

文/ 若杉浩一
 
 
 
と関わってもう6年目になる。
南雲さんと一緒にやった展覧会「ON-HOT」から始まる。それから様々な人と出会い、富高小学校で教育、まちづくりに関わり、色々な場面でスギダラの活動が広がっていった。当時はスギダラ家具を製品にしようと孤軍奮闘していたが、もはや当たり前のように、我々ショウルームに並び、そして、多くの人たちから喜ばれ、多くの人たちが賛同し、応援してくれて、会社からも企業活動の一環として応援してくれるようになった。
しまいには海外の方々からこの活動やデザインに対し、絶賛してくれるようになった。もともとそんな大それたことをしようなんて思っていない。仲間が出来、たのしい、そして喜びあえる。輪が広がって、感動が生まれるのがやめられなかっただけなのである。
南雲さんに出会って、スギに出会って、千代田君が仲間になって、それから凄いことになってしまった。

先日,オランダ,ロッテルダム、エラスムス大学で経営戦略や次世代のマネジメントを研究しているパトリック先生が、スギダラオフィスやその活動を聞かれて関心されていた。彼が言うには「我々企業は今まででは経済性のみが重視されるPROFIT型のマネジメントを重視していた。しかし社会が成熟し新しい価値を必要とする社会においては、新しい企業活動との経済活動との総合的なバランスが価値と見なされる社会になる、その新しい企業活動とはPEAPLE&PLANET、地域や地球環境に対する開発活動である。そしてデザインは社会に対する貢献が出来るテクノロジーである」
う〜んえらいことだ。
滑りに滑って皆と盛り上がって、ついに最先端に?
そうじゃない、そんな難しいことではない、皆が思っている素朴な、単純なことを真っ当にやっているだけ、長町さんが言うように、真っ当なことと生きることが中々両立しなかった、ごまかしていた。真っ当なことほど難しい。

しかし、立ち位置を変え、価値観を変えるとなんてことはないのだ。だって昔の人は当たり前のようにやって来たことだから。僕はスギダラに潜むデザインはとても魅力的でインターナショナルでありそしてとても未来を感じる。もう6年にもなるが色あせるどころか、次から次へ、いや、スギからスギへと溢れていると思う。
屋台プロジェクトもその一つである。未来の空間の形がそこにあると思う。説明はいらない、そう実は我々に過去から潜んでいてモノだから。

今年もえらい年になりそうだ。考えただけでドキドキする。

 
 
 
  ●<わかすぎ・こういち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンターに所属するが、 企業の枠やジャンルの枠にこだわらない
活動を行う。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部デザイン部長




   
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