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2005年にインテリアの専門誌『CONFORT』(4月号、建築資料研究社)で杉の特集を編集協力させてもらいました。特集タイトルは「杉とゆく懐かしい未来」。当時はまだスギダラが発足したばかりで、我らが親分、南雲勝志さんと若杉浩一さんらが関わった宮崎県日向市の活性化プロジェクト「移動式夢空間」をはじめ、さまざまな杉にまつわる記事を掲載しました。新旧の杉普請について語った筑波大学名誉教授・安藤邦廣さんの「森を見た建築家 レーモンドと利休」も秀逸な建築論で、今なおたくさんの人に読んで欲しい特集になっていたかと思います。 |
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それから12年。 |
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まずは、私自身の思いから。なぜ杉特集を組んだのか、どういう思いで編集をしたのか、それを特集のリードに書きました。写真は、吉野の杉林にて。村角創一さんのみずみずしい写真がとても美しいです。 |
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「名産地の殻を破る。吉野杉の挑戦」 「杉と建築」コラムを4本。 2/パレットホーム 3/竹田市立図書館 4/縦ログ構法 |
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「融通無碍な板倉づくり」 2/名古屋の煖エ秀明さん設計の住宅。板倉づくりならではの小屋裏空間を生かし、外観は平屋くらいに抑えながら、内部は伸びやかな2層になっています。 3/なんと、ハウスメーカー「日本の森と家」から板倉の家が登場しました。基本設計はアトリエ・ワン。日本製であることとデザインにこだわった板倉です。 「杉インタビュー」を2本。 「インタビュー1 安藤邦廣 杉の今と板倉と」 「インタビュー2 南雲勝志 杉と地域とデザインと」 「スギコダマ 有馬晋平の仕事」 |
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「ありふれた材でつくる、とびっきりの家 伊藤寛」 「杉図鑑」 以上、ざっと記事を振り返ってみました。 スギダラ発足当時、なぜ杉なのか、という話をよくしました。杉は日本の暮らしを形成してきた象徴的な木であるのに、いつの間にか放ったらかしにされ、厄介者にまでされてしまった。つまり目先の利便性と経済性を優先した現代日本のゆがみの象徴であると。だから杉問題を解決しなければ、日本に明るい未来はないと。改めて今回の特集でもそのことを実感すると共に、10数年経っても根本的な問題は解決されていないことも感じました。でも、憂うことと同じだけ希望もたくさんあることに気づかされたのも確かです。「杉との関わりを考え続けていく先に、懐かしい未来がある」と再確認した特集となりました。 |
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●<うちだ・みえ> 編集者 インテリア雑誌の編集に携わり、03年フリーランスの編集者に。建築からインテリア、プロダクトまでさまざまな分野のデザイン、ものづくりに興味を持ち、編集・ライティングを手がけている。 月刊杉web単行本『杉の未来』:http://www.m-sugi.com/books/books_uchida.htm |
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