天草下浦フィールドワーク2014
  九州大学下浦フィールドワーク+デザインショップの追想
文/ 松岡政幸
   
 
  一.経緯
   
   平成26年7月25日〜27日の3日間における下浦フィールドワークの開催に向け、私たち受入れ側として、5月・6月・7月 藤原先生の説明による勉強会によって『フィールドワーク』とは如何なるものであろうかと思っておりましたが、大まかながら、その概要をつかむことが出来ました。
 下浦地区振興会、冨安会長のもと 地区住民有志による「下浦フィールドワーク実行委員会」を立ち上げ、今回のフィールドワークを、その趣旨に合った意義ある開催に結び付ける為、幾度となく会議を進めましたが、何せ初めてのことでどう対応したらよいのかわからず「侃侃諤諤」の状態でした。
 九大側との打合せ・民泊受入れの依頼・昼食準備・移動手段、宿泊場所の確保(天草トライアスロン大会と重複した為)・無人島調査のため船の準備・100名近く参加のバーベキュー晩餐会等々。
   
 
   
  二.行動計画
   
  @7月25日初日

15:30 九大バス到着
 《ようこそ下浦へ》横断幕で出迎え:バスから降りた参加者の皆様の《笑顔にホッ》とした反面、いよいよ始まったんだ・・・、と気が引き締められました。着いたばかりの学生諸君は、息つく暇もなく会場設営・・賑やかな会場設営に、只々感激!!
 18:00〜 学生諸君は受入れ家族と面会・・ホームステイ先へ・・活躍社会人参加者は、地元有志との懇親会・・後 宿泊先へ     

A7月26日2日目:

09:15〜地元講師による【下浦の歴史と下浦石工達】座学研修
10:15〜グループ編成・グループ別フィールドワーク作戦会議
11:15〜石工元祖《松室五郎座衛門翁》墓前詣り・・全員参加
12:30〜5班のグループ別フィールドワーク出発(女性部によるおにぎり弁当持参)
13:00 第2陣到着   17:30 フィールドワーク到着
19:00〜 全員参加のバーベキュー晩餐会    
22:00終了。

B7月27日3日目:

09:15〜グループ成果まとめ 
11:10〜グループ発表会
12:40〜さよなら昼食会 
14:20〜閉会式&後片付け 
15:30分現地解散
   
 
   
  三.下浦フィールドワークに寄せる思い
   
  @ 私は常々から天草石工達の活躍、下浦石の流れについて興味を持っておりました。この事については藤原先生と相共通する思いがあったのではないかと感じているところです。
下浦町石場地区においては毎年旧暦2月の第一日曜日、松室五郎座衛門翁を偲び建立された(この事については別の言い伝えもありますが)『花岡大明神』石碑前において供養祭を続けています。
下浦石工の流れについては私も調べていることもあって、その石橋の技術についての伝承は、八代郡東陽村(現在の八代市東洋町)の種山石工たちの石橋群(行き着く先は皇居二重橋)が名を馳せています。いつの日か、必ず松室五郎座衛門翁を祖先とした天草石工達の活躍、下浦石の流れについて、日の目を見る時が来ることを心から信じておりました。私達地区住民は、その石工の祖先が築いた功績の上に立って裕福な暮らしが続いている事を忘れないでほしいと願っています。

A.日本の少子高齢化が進む中、東北大震災・熊本県東部水害以降 大企業・中小企業とも従業員の確保が叫ばれ始めました。天草においては、若者の都会進出も多く、高齢化・過疎化が一段と進みつつあり、このままでは天草沈没?特に我が下浦地区も《なんか頑張らんば》沈没の危機にあります。
  今回、下浦フィールドワーク参加者から『ここは宝の宝庫ですね』と聞かされた時に一瞬・・ 何か起きる・・と感じました。
 地元ではか何も感じない事が、年でも無い物が宝になる、その掘り起し、デザインが、下浦の今後をどうするのか、どう活かすのか、今回の下浦フィールドワーク+デザインショップの趣旨ではなかったのか、感じています。
 各グループ発表会の内容も何か 光るものがありました。素晴らしかったです。今後 参加者の方々の応援を頂いて、又私達もそれを支援すると同時に下浦の魅力を子供たちに残すために鋭意努めたいと思います。
   
   
   
   
  ●<まつおか・まさゆき> 下浦実行委員会 代表
   
 
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