連載

 
あきた杉歳時記/第2回
文/写真 菅原香織
すぎっち@秋田支部長から、旬の秋田の杉直(さんちょく)だよりをお届けします ・・・・
 
 

 いよいよ西日本では「スギ花粉飛散」のニュースが聞かれるようになりましたね。でも秋田のスギはまだまだ雪の中。今は1年で一番雪深い季節ですが、もはやパウダースノーではなく、ズシッと重い湿り雪に、春の兆しを感じるようになりました。

 さて、うちではこの4月に小学1年生になる娘がいるせいか、新聞の折り込みチラシやテレビでの新入学用品の広告がやけに目に付く今日この頃。ショッピングセンターの「学習机とランドセルフェア」みたいなコーナーに子連れで行くと、販売員に狙われやすいので(笑)できるだけ遠巻きか、猛スピードで駆け抜けながら横目でチェックします。スギダラの私としては、どうせならスギの学習机がいいかナーと思って探しているのですが、スギの学習机ってなかなかないんですね。また、出来るだけ無垢材でってなるとやはりそれなりのお値段になります。棚だのワゴンだのオプションがつくと10万は軽く越えるし、我が家の住宅事情には微妙に合わないサイズなので、どうせならいっそ杉キッチンみたいに特注で作ろうかなぁと考えています。
 ところで、子供が通う小学校では、スギの間伐材を利用して作られた椅子と机を使っているんですよ。(杉デスくん21:丸新製作所
この学習机と椅子のセットは県内の小中学校に既に6000台も納入されているそうです。
無垢材ですが、持ってみると本当に軽くて扱いやすいので好評です。秋田市では小学校の机・椅子の木製化を進めているほか、内装にもスギを活用しており、スギダラ化は着実に進行中のようです。ただ、年々少子化の影響で1学年の子供の数は減って来ており、今年の1年生はなんと71人、2クラスのみ!かつては10クラスあったのを考えると、本当に子供が少なくなったんだなーと実感します。
 また、少子化は学び舎にも変化をもたらしました。県内ではあちこちの小学校の統廃合が進み、昔懐かしい木造校舎が廃校となってどんどん消えていっています。スギダラ秋田ツアーで通りかかった、日本一高い杉のある二ツ井町水沢地区の入り口にある、仁鮒小学校もそのひとつ。平成20年には町に残る4校を統合して1校になるそうです。
絵本の中に出て来るような素敵な校舎。正面右手には体育館があって、使い込まれた階段や柱の傷から子どもの元気な声が聞こえてきそうな気がします。手入れをすればまだまだ使えるのにもったいないと思いませんか? 
何より地域の心の拠り所が消えてしまうのは寂しい限りなので、二ツ井の青年部有志で廃校後の活用方法についていろいろ模索しているところです。
例えば、サテライトオフィスや大学のセミナーハウスとしてとして整備しては?とか、校舎の裏手にあるグランドに杉の住宅を建てて、スギダラなまちなみのモデル地区にしようとか、いろいろ夢は広がります。いつかまた子どもたちの元気な声が戻って、地域が活気づいてくれたらいいですよね。 
スギダラ家のみなさんからも、是非素敵な「入れ知恵」お待ちしております〜!

 
  

今日も雪かきから1日が始まります

 

杉デスくん21

 

使い込まれていい感じのつや

仁鮒小学校外観

階段も年期が入っています



●<すがわら かおり> 教員
秋田公立美術工芸短期大学 産業デザイン学科 勤務 http://www.amcac.ac.jp/
日本全国スギダラケ倶楽部 秋田支部長
 

 
   
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