連載

 
杉暦 12月 おまけもあります。
文/写真 石田紀佳

季節ごとにうつりゆく杉の姿を紹介。杉ってこんなにも表情豊かだったのです。

 
 
12月の杉暦

 定点観測杉はたくさん実をつける鈴生り種のようです。専門用語では「結実性が高い」というのでしょう。前に杉の木クラフトの溝口さんから林業試験場の出している「スギ品種の特性」という記事を見せてもらいましたが、そこには「結実性がほとんどない」という表現もありました。杉ぼっくりがほとんどできない、ということなのか、杉ぼっくりはできてもその中に種子ができないということなのか? まだ杉を幅広く見ていないのでわかりませんけど、去年、日田に行って杉林に入ったときに杉ぼっくりがほとんどない木がたくさんあったのを覚えています。みなさんのお近くの杉はどうでしょうか?
   
 
   
  12/8-晩秋 
杉も色付く秋の暮れ

  12/8-ツノ 
ツノの長い子も色付いてきたが、個体差がある

 
 
 
12/8-鈴ぼっくり輪 
ほんと鈴のようです

  12/8-赤茶色に 
枯れると乾いた焦げ茶になるが、まだ赤っぽい
   さて、茶色になって、ウロコが開いた杉ぼっくりを指でつつくと、つん、ぱらぱら、つん、ぱらぱら、とあっというまに種がこぼれてしまいます。いったい種がいくつ入っているのか、そっと手のひらをあてて、つんつんしますと、50粒ほどが数えられました。でももうすでにいくつかこぼれているかもしれないので、確かではありませんが、ひとつの杉ぼっくりに50粒は入っているのですねえ。いったいこの細い杉の木がこぼす種は全部でいくつになるのでしょうか。
  →おまけ

  ●<いしだ・のりか>フリーランスキュレ−タ−
1965年京都生まれ、金沢にて小学2年時まで杉の校舎で杉の机と椅子に触れる。
「人と自然とものづくり」をキーワードに「手仕事」を執筆や展覧会企画などで紹介。
 

  
 
 

 
 
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