連載
  杉で仕掛ける/第49回 「杉コレクション2013 in延岡 始動」
文/ 海野洋光
   
 
 
  杉コレクション2013 in延岡、今年も難産でした。ようやく、落ち着いたのは、杉コレ大会テーマ「神話」で「森話」と作品テーマ「遊Gwood」です。
   
  「杉コレクション2013 in延岡」 応募要項を参照ください。
   
  杉コレのスタッフは、毎年変わる。この規模で毎年メインスタッフが変わるのは、かなりきつい。厳しいことは承知で8回進めてきました。9回目でも同じ問題に突き当たる。どのような作品を集めるか?どのような大会にするか?杉コレのスタッフになったメンバーなら判るだろうが、後で気づくことの方が多い大会運営となる。私にとっては、毎回、毎回、同じことの繰り返しなのですが・・・。
   
  今年は、延岡大会だ。私にとっても感慨深いものがある。2004年に始まった杉コレが、2013年なのに9回目?数が合わないのだ。7年前の2006年、本来の杉コレクションが開催できなかった土地である。正直に話すと私に原因があるのです。
   
  当時の木青会の会長は、「県木青の杉コレの担当を私に…」と打診していた。普通なら私は、喜んで引き受けるところなのだが、その時だけは、難しかった。母が子宮ガンで入院をしていたのです。いつも元気な母だが、担当の医師からは、「子宮ガンでもやっかいな体ガン」と言われ目の前が真っ暗になりました。明日が手術の日という時に延岡選出予定の会長から、「杉コレ担当に…」と直接話を頂いたのですが、私は「無理です」と断ることが精いっぱいでした。
   
  当時、杉コレは今のようにノウハウがしっかり固まっていませんでした。試行錯誤でうまれた手探りのイベントだったのです。毎年、スタッフを替えるという私のアイデアも木青会メンバーの修練の一環として捉えていました。また、大会に様々な外部の人と関わることの大切さを学んで欲しいと言う意味もありました。どこの組織も同じですが、当時の木青会は、外部との接触で組織を活性化しようと言う動きは、まったくありませんでした。マンネリ化した組織運営が、思考回路の衰退する組織に思えて仕方がなかったことを覚えています。それよりも大会の意義、審査委員長のことや審査委員のことを伝えることだけでも、かなりの仕掛けが必要だったのです。
   
  今回の延岡大会実行委員会では、はじめに作品テーマ「遊Gwood」(遊具 / you good)と決め、南雲氏に打診しました。南雲氏の回答は、「延岡らしさがない」と一刀両断でした。杉コレがダジャレだけでテーマを決めているように思われがちですが、ダジャレの中に何かが必要なのです。何かが・・・。ダメ出しの理由がかなり抽象的な表現であるために何を議論して良いのか判らない状態です。激論して生み出す苦労を知らない若者が増えて、冒頭、大会テーマについても激論しました。二転三転した末にメインテーマとして「神話」で「森話」と決めたのですが、今年の実行委員長は、「これ(メインテーマ)は、取ってつけたようなものですから…」と言ったのです。
  「それは、違うよ」と私は言いました。作品テーマは、応募者向け、大会テーマは「主催者・スタッフ」向けなのです。毎年、スタッフが変わるのは、木青会の修練ですが、闇雲なイベントではなく、プログラムされたイベントなのです。杉コレの面白さは、関わるほど奥の深いイベントです。
   
   
   
   
   
   
  ●<うみの・ひろみつ>木材コンシェルジュ
ほぼ、毎日更新しています。ブログ「海杉 木材コンシェルジュ」 http://blog.goo.ne.jp/umisugi/
2009年3月31日をもって、日向木の芽会 を卒業しました。
海野建設株式会社 代表取締役 / HN :海杉
月刊杉web単行本『杉で仕掛ける』:http://www.m-sugi.com/books/books_umi.htm
月刊杉web単行本『杉で仕掛ける2』:http://www.m-sugi.com/books/books_umi2.htm
   
 
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