連載  
  あきた杉歳時記(隔月刊)/第53回「秋田の玄関口が変わります」
文/写真 菅原香織
  すぎっち@秋田支部長から、旬の秋田の杉直(さんちょく)だよりをお届けします ・・・・
 
 
  前回85号に書かせて頂いた時からなんと半年ぶりの投稿です。大分ご無沙汰している間に季節は冬から初夏になってしまいました。さて、この半年の間に秋田の空の玄関口である秋田空港と陸の玄関口JR秋田駅西口のバスターミナルのリニューアル計画が進んでいました。
   
  秋田空港は、昨年末より国内線ビル2階をリニューアル中。秋田らしさを演出するために、内装材には「秋田杉」をふんだんに使っています。突き板を網代に編んだ壁面、天然秋田杉の巨大な柱、ロビー奥には木立の中をイメージしたカフェ、飛行機の離発着を見ながら食事が出来るレストランにも秋田杉が随所に使われています。荷物検査室には杉のモザイク壁が設置されて、おもてなし度がアップしています。そのほかスカイラウンジやリラクゼーションルームなどもスギダラ化中で6月30日にはグランドオープンの予定です。飛行機に乗る用事がなくても、第3駐車場は2時間無料ですので、カフェや食事、秋田のお土産物を贈ったりと、ドライブコースにはおすすめです。
  秋田空港HP:http://www.akita-airport.com/news/detail.html?news_id=147
   
 
  秋田空港 国内線ビル2階 おみやげ広場
 
  秋田空港 国内線ビル2階 出発ロビー
   
  突き板を網代に編んだ壁面のディテール   木立の中をイメージしたカフェ
   
   
  一方、陸の玄関口JR秋田駅の西口では、バスターミナルの建替え工事が5月20日に着工しました。このバスターミナルは平成21年3月に鉄骨の上に杉のルーバーを取り付け、秋田杉を活用したとしイメージの向上を目指して修景整備されていました。また平成21年5月には杉のベンチを設置。以来、秋田杉のバスターミナルとして市民にも親しまれてきましたが、構造体の鉄骨の老朽化と平成23年の東日本大震災の影響もあり、建替えられることになりました。
   
  実は昨年の8月、秋田中央交通さんから秋田駅西口バスターミナルの建替えに関して相談を受けておりました。きっかけはなんと「杉恋プロジェクト」!昨年5月に開催したおり名刺交換していたのを頼りに、訪ねてくださったのでした。しかも秋田杉を使って、主構造が木造のバスターミナルにしたいというご要望。そこで早速、スギダラメンバーでエンジニアアーキテクト協会の南雲さんと小野寺さんに相談したのち、地元の建築士協会のかたにも連絡をとってプロジェクトメンバーを召集しました。基本設計はナグモデザイン事務所、実施設計が小野寺康都市設計事務所・渡邉篤志建築設計事務所・間建築研究所(秋田市)のJV、施工が中田建設株式会社(秋田市)で5月20日に無事着工の運びとなりました。完成までのようすは次号と北のスギダラの方にもアップしていこうと思いますので是非お楽しみに。
   
 
 
 
  秋田駅西口バスターミナル完成予想図(CG:ナグモデザイン事務所)
   
   
   
   
   
   
  ●<すがわら かおり> 教員
秋田公立美術大学 景観デザイン専攻 助教 http://www.akibi.ac.jp/
日本全国スギダラケ倶楽部 秋田支部長 北のスギダラ http://sgicci.exblog.jp/
月刊杉web単行本『あきた杉歳時記』 http://www.m-sugi.com/books/books_sugicchi.htm
月刊杉web単行本『あきた杉歳時記2』 http://www.m-sugi.com/books/books_sugicchi2.htm
   
 
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