特集 杉コレクション2012 in 宮崎
  杉コレ受賞者コメント
文/写真  吉野やままち"森ガー!"
★コンフォルト賞『ナガスギ』 / ★野田村賞『結杉』

石橋輝一・筧ひろし
内田利惠子・坂田かおり

 
 

森ガー!

   昨年、屋台をデザインしようと考えていたところ、今回の杉コレのテーマ発表!「ひとりじゃ、ヤタイ!」 。きっと宮崎に行けば楽しいことが待っているはず!グランプリを奪うぞ!と、有志メンバー4人でプロジェクト始動。内藤廣さんが審査委員長というのも気合いが入りました。
   吉野やままち"森ガー!"として5案エントリーし、結果2作品に賞を頂きました。"結杉"を製作いただいた日南十日会の皆さん&武田さん、そして"ナガスギ"を製作いただいた延岡支部の皆さん&工藤さんの熱い想いとお力があったからと心から感謝しております。 当日、皆さん温かく迎えてくださり、実寸のヤタイも立派に製作していただき、大きな飫肥杉のように頼もしい存在に感じました。皆さんのお陰で受賞することができたこと、本当に楽しいプレゼンテーションができたことは、一生忘れられません!ほんとうに有難うございました。
 (吉野やままち"森ガー"一同)
   
 
  5案エントリーした際のアイデアスケッチ
   
 
   
 

ナガスギ。

   わたしが日本全国スギダラケ倶楽部に入会したのは7年前。ちょうど関西支部(スギ関)メンバーが増え始めた頃で、スギ関ホームページを開設したり、様々なイベントで木の良さを発信したり、宮崎ツアーに出かけたりと…。思い起こせば結構いろいろやってきたなーと思います。杉つながりで職業も立場も違う関西の仲間が出来たこと、杉に燃えまくる本部のスギダラ3 兄弟と知り合えたこと、そして、スギダラがなければきっと出会うこともなかった宮崎の人たちとの出会い。考えてみるとすごいことです。
 改めて感じているのは宮崎の人たちの熱さ。6 年前に杉関メンバーで宮崎林業地見学に伺い、宮崎中を北から南まで弾丸ツアーに連れて行って頂きました。巨大製材所や原木市の土場、ご当地グルメから木青会の会合宴会まで、生産量〜飲みっぷりまでどれを取っても豪快な宮崎に仰天したのを思い出します。民間も行政も関係なく日本の森や林業の為にこんなに熱い思いを持って活動しているところがほかにあるだろうか?と思うほどです。そしてとにかく明るくフレンドリー!
 
  6 年前、杉関メンバーによる宮崎林業地見学
   私が担当したナガスギを制作して下さった延岡支部の工藤さん。まずお会いしようと宮崎へ行き、山や林業に対する思いがすごい人だと感じました。「こんな人ばかりだと、日本の林業が何とかなるかも」と思えるほどの林業好青年。「ああ、この人に託そう」そうと思いました。
   あとは私たちができる最高のプレゼンテーションを考えよう!ナガスギを長く見せようと巨大鏡を二枚! テーマの「愛」特注プレートでかっこよく!挙句の果てには「工藤さん、寅さんやってください!」この無茶ぶりにも「ここまで来たら何でもしますよ!」と心強い返事!流石宮崎!!「軽量、コンパクト、組み立て楽々」がコンセプトの持ち運べる屋台。寅さんのように身軽に各地を移動する人にも使える屋台ということを表現したかったのですが、結局工藤さんにはプレゼンテーションまでお世話になってしまいました。
 ナガスギを増殖させ"愛"で日本をつなぐという思いがこもっていましたが、製作している時点ですでにたくさんの"愛"がつながっていました。作品案を全国から募集し、製作を県全体の木青会が各地で担当する。こんな素晴らしいコレクションに参加でき、賞をいただけたことを本当にうれしく思います。これを機にますます杉活動に精進したいと思います!ありがとうございました。
 (内田利惠子)
       
   
  制作を担当してくださった延岡支部の工藤さんも寅さんに扮してプレゼンに参加いただきました。   ナガスギ収納時。愛のプレートもこの日のために準備しました。
   
  ナガスギ。最終審査会前の状態。(photo/(c)ブーフーウー)   最終審査プレゼンにて、ナガスギがたくさん連なった風景を演出するため、大きな鏡を利用しました。(photo/出水進也・南奈緒子)
 
  「森ガーっ!」
   
 
   
 

結杉。

 

 発想のきっかけは、吉野の山守さんからの「杉の小径木を上手く使うデザインは無いかなぁ?」という一言でした。きっと、日本中の山で同じテーマがある。
森ガーを結成した昨年の夏、宮崎の風土が感じられる事柄から屋台デザインのヒントを探していました。ふと、目にとまった宮崎観光遺産というサイトにある写真。田野町でみられる冬の風物詩"大根やぐら"。巨大な冬のオブジェ、とある。しかし、オブジェというよりは、神社のような崇高な佇まい。美しい。これを"まち"に持ち込んで、ヤタイとなるカタチを考えました。日本各地の杉(小径木)で結杉が組まれ、人々が集い、地元の産物で賑わい、そして、美味しいお酒で盛り上がる夢をみます。森ガー(乾杯)!

  宮崎の皆さま!スギコレの皆さま!日南十日会の皆さま&武田さん!そして、野田村の小田村長&皆さま!またお会いしたいです!ガンバります。ほんとうにありがとうございました。
   
  追伸:田野町の"大根やぐら"を生で見てみたいとです。と、武田さんにご相談したら、まだ時期が早く見られないそうですよ。と、教えていただきました。残念無念でした。後、宮崎からもどり、みなに報告するために写真を探そうとサイトを検索していると、なんと、南雲さんが2年も前にすでに訪れてはりました!美しく素晴らしい写真とメッセージに感動です。デザイン、楽しいとです。
  【参照】月刊杉53号 南雲さんの連載「田野の大根やぐら」
 (筧ひろし)
   
 
  田野の大根やぐら(photo/南雲勝志)
   
  結杉。大根やぐらをヒントにデザインした。(photo/(c)ブーフーウー)   2次審査時に製作した模型。
 
  最終審査にて。審査員より「落ち着く」との感想が。(photo/出水進也・南奈緒子)
 
  表彰式にて受賞を喜ぶメンバー。左から内田、筧、坂田、石橋。(photo/出水進也・南奈緒子)
       
 
       
  ●「森ガー!」とは
それは、"やま"と"まち"をつなぐ仕事に携わっているひとのこと。
わたしたちは、"やま"と"まち"と"ひと"との未来を想いながら、杉(国産材)を生活で楽しむデザインを提案することを通して、林業が経済としてまわっていく仕組みを模索しています。
 
   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴5年。杉マスターを目指し奮闘中!
吉野中央木材ホームページ: http://www.homarewood.co.jp
ブログ「吉野木材修行日記」: http://blogs.yahoo.co.jp/teruhomarewoodもよろしく!ほぼ毎日更新中です。

『吉野杉のハラオシをしよう!』web単行本: http://www.m-sugi.com/books/books_ishibashi.htm
   
  ● <かけひ・ひろし> デザイナー
パワープレイス株式会社 大阪デザイン室所属。石川県金沢市出身。
森ガー! のひとりとして、林業のことと杉デザインの修行中。
日本全国スギダラケ倶楽部 関西支部メンバー。
   
  ●<うちだ・りえこ> 建築設計室Morizo-  木に萌える燃える一級建築士
もりもりMorizo-ブログ 恥を忍んで崩しキャラで発信!気が向いたとき更新します
建築設計室Morizo-HP 木から森から創造するMorizo-が大まじめに綴ります
   
 

●<さかた・かおり> 二級建築士。
淡路島出身(実家はおそうめん屋)。建築設計室Morizo-所属。
建築設計室Morizo-HP:http://morizo-archi.com/
さかたはん家のおそうめん:http://tenobe.web.fc2.com/

   
 
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