特集 スギ天 長良ツアー
  長良ツアー、スギ天・キャッシーの想い

文/写真 袴田彩子

 
充実した気持ちで、第二回スギ天ツアー・岐阜の陣が終了した。 キャッシーの「キ」は、生真面目の「き」、どこまでも真面目に振り返り、今後のことについて考えたいと思う。
   
   
   
  ●長良ツアー、スギ天・キャッシーの想い
   
  キャッシーがもくろんでいた今回のスギダラツアーの大きな目的は、天竜支部メンバーの結束を高めることであった。
   
  この点、これまでのツアーでの、「多くの方に杉の存在や現状を知ってもらいつつ、杉をきっかけとした活動に関わることが楽しいと実感してもらう」というものとは趣を異にしていたのかもしれない。
   
  それは、静岡メンバー+長良メンバーは、元々何かの仲間だったというメンバーがいない。背景も何もかも違うメンバーであり、純粋スギダラ・スギズナなのだ。だから、まだ共通項が一つもない。
   
  共通項が一つもない、まだ走り出せない…それが、4月の杉Web特集への寄稿と、長良ツアー企画のために主要メンバーが集まった会合(宴)で分かったことだった。
   
  一方、集まったメンバーが、真剣に関わろうとしていることも痛いほど分かった。口火を切る係である私に、メンバーはまっすぐに問うてきた。
スギダラは何をしたいのだ?
意欲は分かるが、持続的な活動を支えるものはあるのか?
   
  私が本部にいたときには、それらは全て親分が決めて、行動で示してくれていた(のだと思う)。おかげでそういった疑問を持たずに物事は進んでおり、またそういった発言はノリを悪くするから口にしない、という自分だったことに気づかされた。
   
  しばらく考えたが、メンバーの真剣な問いに対して自分の中に答えがないことが分かった。しかし、ツアーに、答えがない状態で臨むわけにはいかない。
困った結果、全国の支部長にヘルプメールを出すという方法を取った。そういえば過去、そんなメールがみなさんから来たことはなかったように思う。へこたれスギ天で申し訳ないが、とにかく他の支部での成果がどういう想いで動いた結果なのかを、秋田から宮崎までのみなさんに聞いてみた。
   
  温かいメールが返ってきた。
 「不思議な顔をされつつも、とにかくスギダラ名刺を配ったよ」
 「とにかく『杉』にアンテナ張ってたら、イベントに出せたよ」
 「とにかくやり続けたら、こうなってきたんだよー」
というお返事。
   
  安心した。これ(現状)で良いのだと。
確かに、いろいろな課題はある。だが、継続性やら経済性が気になってしょうがないのなら、それをクリアする道を探し続ければいい。組織的な裏付けが欲しいなら、そうなるように動けば良い。それだけのことだった。
   
  これまでは、スギダラと言っても何をしていいのか分からず、各支部のツアーに行くことしかできなかった。が、それも、大きな力となっていた。各支部長の顔も声も表情も浮かべながらメールが打てる。キャッシーの叫びに、みんな真剣に応えてくれる。そんな関係はそのまま力である。
そして、場に集まり、真剣に意見を述べてくれる仲間の存在。
さらに、私の丸投げなツアー企画(後述)を、受けとめて、発展させてくださった仲間の存在。
   
  大きな力に囲まれていることが分かった。
スギ天団員も、互いに一歩近づいたと思う。
   
  今後も、もそもそと動き続ける天竜支部(含む静岡班・長良組)をお楽しみに。
   
   
   
  ●長良ツアーで学んだこと
   
 
山を取り巻く事情は変化した(高価値だった材木→評価が低く)。しかし、木材流通経路は変わっていない。変わらず山で生計を立てていくには、どこかを変えるしかない(システムを変えるなど)。
   
これまで見学させてもらった現場よりも、本当の最前線はずっと厳しい場所だった。林道は、車の中で体が飛び跳ねる程。たどり着くまでにも一苦労も二苦労もある。
   
手入れができていない林からは、枝虫の被害が出る(材の価値が下がる)。これまで、枝打ちができずフシが入る/山林の保水能力が下がるなどの認識はあったが、木材自身が劣化するとは思っていなかった。
   
好きなことを続けるには、知恵を絞るのだ!
   
スギ天メンバーは、一般的に生真面目である。(古田さん、キャッシーの数々のリクエストへの対応ありがとうございました)
   
   
  100年後の我が家族の幸せを願う。そんなテーマを根底に持ちたいなと思っています。
   
  岐阜ツアーの詳細報告は、スギ天ブログをご覧下さい。
  「岐阜の陣 報告1」→http://sugiten.exblog.jp/11175332/
  「岐阜の陣 報告2」→http://sugiten.exblog.jp/11194578/
  「岐阜の陣 報告3」→http://sugiten.exblog.jp/11467005/
   
   
 
  長良川の鵜飼見物にて
   
   
   
   
  ●<はかまた・さいこ> またの名をキャッシー。スギダラ天竜支部広報宣伝部長。
6年間の株式会社内田洋行勤務を経て、Uターンにて現在デジタルセンセーション株式会社勤務。
   
 
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