連載
  吉野杉をハラオシしよう!〜“駆け出し”専務の修行日記〜第40回
文/写真  石橋 輝一
  鍛え系杉連載。さぁ、吉野中央3代目と一緒に勉強だ!
 
春の吉野といえば、吉野山です。「一目千本」と謳われる吉野山の桜が見頃を迎えます。 吉野山の麓の下千本から始まり、中千本、上千本、そして奥千本と、桜前線が山を駆け上がっていきます。
   
  吉野山はシロヤマザクラを中心に約3万本の桜が密集しています。山桜は花が開くのに合わせて若葉が出ます。ソメイヨシノに比べると1本あたりの花の数は少なめです。ソメイヨシノのような豪華さはないかもしれませんが、可憐で美しく思います。
   
 
  シロヤマザクラ。若葉とともに花が開きました。
   
  吉野山の桜は山岳宗教に由来する信仰の桜として、1000年以上に長きに渡って、大切に保護されてきました。
吉野町のホームページによると、その起源は約1300年にさかのぼります。その当時は、山々には神が宿るとされ、吉野は神の住む理想郷として認識されていました。のちに修験道の開祖と呼ばれる役行者は、山上ヶ岳に深く分け入り、千日の難行苦行の果てに憤怒のおそろしい蔵王権現と感得し、その尊像こそ濁世の民衆を救うものだとして桜の木に刻み、これを山上ヶ岳と吉野山に祀ったとされています。その後、役行者の神秘的な伝承と修験道が盛行するにつれて、本尊を刻んだ桜こそ御神木としてふさわしいとされ、またそれと同時に蔵王権現を本尊とする金峰山寺への参詣もさかんになり、御神木の献木という行為によって植え続けられました。
   
 
  吉野山の山上の宿場街です。右奥にみえるのが修験道の総本山、金峰山寺の蔵王堂です。
 
  夕暮れ時の吉野山です。昼とはまた違った趣きがあります。
 
  山上の旅館に、明かりが灯りました。
 
  吉野山のお花見は、山歩きをしながら楽しむスタイルです。
 
  吉野山へあがる観光車道沿いの桜です。桜のトンネルまでもう少しです。
   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴3年。杉マスターを目指し奮闘中!
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