連載
 

東京の杉を考える/第33話 「拠点でつながる時間」 

文/ 萩原 修
  あの9坪ハウスの住人がスギダラ東京支部長に。東京から発する杉ものがたり。
 

5月18日(月)。久しぶりに武蔵五日市に行った。中嶋材木店の中嶋博幸さんと、今後のユイスなどの活動について打ち合わせをするためだ。

待ち合わせは、駅裏にできた多摩産材のモデルハウス。ここは、秋川木材協同組合が運営母体となって5月22日に正式にオープンする多摩産材をPRするための拠点だ。平日は、ユイス・プロジェクトのカタログを制作してくれた「COCON制作室」のメンバーがつめている。この日もCOCONのメンバー二人が出迎えてくれた。

まもなく、中嶋博幸さんが到着。モデルハウスのことや、展示内容、運営方法などについて、いろいろと話を聞く。そうこうするうちに、秋川木材協同組合の事務局長や、西の風新聞社のIさんや、森のエネルギー研究所のSさん、そして、東京チェンソーズの3人が次々と集まってくる。

「え?今日って、そういう集まりだったの?」と思ったけど、どうやら、偶然らしい。それぞれに、名刺交換しながら、山の話に花がさく。あの団体の最近の活動は、どうだとか、あそこの山主は、誰々でとか。補助金をとるには、どうすればいいかとか。有意義な情報交換がどんどん展開される。

そうそう、こういう拠点っていいなあと思う。時間を決めて集まるんじゃなくて、偶然に人と人がつながり、ことさらに意識しなくてもリアルな情報が交換されていく。結局、中嶋さんとの打ち合わせはあまりできなかったけど、いいつながりができてきた。顔を会わせることの重要性を感じた時間だった。

今後、この拠点がどうなっていくのか、楽しみになってきた。スギダラトーキョーとしても、この拠点を積極的に活用して、何かしかけていきたいと思う。まずは、ユイスのメンバーで、トーク&飲み会でもしてみますかね。

   
 
   
 
中嶋材木店 http://www.gws.ne.jp/kigokoro/
秋川木材協同組合 http://www.akigawamokuzai.or.jp/
cocon 制作室 http://www.coconcocon.com/
森のエネルギー研究所 http://www.mori-energy.jp/
東京チェンソーズ http://tokyo-chainsaws.seesaa.net/
   
   
   
   
  ●<はぎわら・しゅう>デザインディレクター。つくし文具店店主。
1961年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。
大日本印刷、リビングデザインセンターOZONEを経て、2004年独立。日用品、店、展覧会、書籍などの企画、プロデュースをてがける。著書に「9坪の家」「デザインスタンス」「コドモのどうぐばこ」などがある。
http://www.tsu-ku-shi.net/
   
 
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