特集 日向市のまちづくりと、プロジェクト本「新・日向市駅」発刊!
  日向本「新・日向市駅」発刊!
文/ 篠原 修
 
「日向本」は今までに企画、編集、執筆した本の中で、最も面白く読んでもらえるものになったと自負しています。G.S.群団シリーズ丁度4冊目で、4番バッターにふさわしい本になったと考えます(偶然ですが)。  
     
  日向市駅プロジェクトは平成10年から丸10年、この4月29日の駅前交流広場の竣工式で一区切りとなります。詳しくは読んでもらえれば分かりますが、本当に山あり谷あり、突風あり暴風ありのプロジェクトでした。このプロジェクトは、このプロジェクトだけで一冊の本にと、前々から考えていました。中味が異様に濃いからです。  
     
  宮崎県の井上康志さんから日記風の年表をもらい、過去の記憶と照合しつつ、シナリオの組み立てを考えました。次に、各場面の登場人物を決め、現在進行形の形で書いてもらうよう要請しました。「どういう風に書いていいか分からない」と言われ、見本を書いて執筆者に送りました。ところが皆結構うまいのです。そして、登場人物は俺も俺もと、次々にふくれあがり、30名位以上となり、想定していたボリュームをはるかに超えてしまったのです。そう、日向プロジェクトの人々は本の製作においても熱かったのです。「切らなければ…本にならない」、しかし熱く書いたものを「そう簡単には切れない」、これは嬉しい悩みでした。  
  そして、送られてきたものを読むと、一貫して係わってきた筈なのに、知らない事だらけでした。「そうだったのか」、と思い当たることもしばしばでした。
出版社(彰国社)との交渉も難航しました。シナリオ仕立てのプロジェクト報告の本なんて聞いたこともない。関係者以外が読んで本当に分かるのか。第一厚すぎるよ、等々。出版にもプロジェクト程ではありませんが、山も谷もあったのです。結果は目出たく出版。彰国社に感謝。
 
     
  この本は何回読んだことか、恐らく辻さん、内藤さんも同じでしょう。
最も時間を使ったプロジェクト、最も困難だったプロジェクト、それが日向市駅であり、最も時間を割いた本、最も力を入れて作った本、それがこの「日向本」です。
日本も捨てたもんじゃない、それを、このドラマで追体験して頂きたいと思います。
 
   
   
   
   
 

●<しのはら・おさむ>土木設計家/政策大学院大学教授
GSデザイン会議 代表 http://www.groundscape.jp/

   
 
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