連載

 
東京の杉を考える/第23話 「木+川=杉」
文/ 萩原 修
あの9坪ハウスの住人がスギダラ東京支部長に。東京から発する杉ものがたり。
 
 

企画というのは不思議なもので、すすむ時には次から次へと話が展開して、いつのまにかかたちになっている。今年の夏、7月12日(土)に、スギダラトーキョーが主催して、武蔵五日市のふるさと工房で、一日だけのイベントを開催することになったのもそんな自然の流れだった。

最初は、夏に秋川でバーベキューが楽しめればいいなぐらいに考えていた。(もちろん、今でもそれば重要な目的です)その時に打ち合わせしていた場所が武蔵五日市にある「きれ屋」という店で、なんとなく杉の皮でも染め物ができるという話になり、武蔵五日市に住む染色家を講師に招いて、ワークショップをすることが決まった。会場なら「ふるさと工房」がいいのではと、その足で向かい日程を確認。夏休みは混むので、その前にしようということで7月12日に。講師の日程を電話で確認し、その場で会場を予約。さらに、バーベキュー会場となる山渓に行き下見し予約。となんだかとんとん拍子。どうせ、ふるさと工房でやるのなら、展示やマーケットもやりたいねという話でもりあがる。

武蔵五日市からの帰りの電車の中でさらに企画会議が続き、「スギカワ2008」というイベントのタイトルが決まる。もちろん「カワ」は皮や川をかけてのことで、「カワイイ」につながっている。「木と川で杉」になることを発見し、またまた興奮。こうして、「杉と川をみんなで楽しむ夏の一日」企画の概要が決まった。

と思ったら、数日後、武蔵五日市の中嶋さんからメールが。同じ日に、同じ場所で、あきるの市の観光協会の武蔵五日市支部青年部が音楽イベントをやることに。このイベントのチラシは、あきるの市全戸3万軒に配られる。なんだかすごいことになってきた。音楽イベントに来た人に、スギダラトーキョーとして、いったい何を伝えたらいいのか。「ふるさと工房」は、陶芸と紙漉の工房がある。言わば、あきるの市のモノづくりの拠点ともいえる場所。それなら、陶や紙だけじゃなくて、山を背景にした「木工」のことをつなげるいい機会かもしれない。さっそく知り合いの木工家やデザイナーに連絡を取り、何か展示して欲しいと依頼しはじめた。木工だけではさびしいので、自然素材を活かしたモノづくりをしている人にも声をかけはじめている。7月12日に、武蔵五日市でどんなつながりができるのか、今から楽しみだ。

そうそう、さらに偶然なことに、音楽イベントのライブをやるのは、知り合いの知り合いだった。知り合いの展覧会のオープニングで偶然に出会った。人と人のつながりは、なかなか見えない。偶然に見えて、実は当然のことも多い。
 
お金の時間もないイベントだけど、なんとかなるような気がしている。次につながるようにできるかぎりのことはやりたいと思う。木と川がつながって、流れていく。「ナガレモノ」をテーマにしているスギダラトーキョーらしいイベントにしたい。
 
7月12日。ぜひ、東京の杉と川を感じに来てください。

   
   
   
   
   
   

●<はぎわら・しゅう> 9坪ハウス/スミレアオイハウス住人。

 



 
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