特集 杉コレ in 都城

 
作品名「木漏れ光橋」
文・写真/与語一哉
昼も夜も光をたずさえた、山の架け橋になれば……
 
 

 宮崎は気候もアツイが、杉にアツイ!! これが率直な感想です。

 プレゼン当日会場に着くまえはものすごくドキドキしていました。メールで一度やり取りをしたものの、実際完成したのかなと、楽しみと不安が混ざった状態でした。会場に入って自分の作品を見つけたときは、それはもう感動しました。模型で作ったものが原寸の大きさで目の前に置かれていたのですから。

 今回テーマが「こりゃ〜スギェ〜!」ということでしたので、僕は杉でこんな大スパンをとばすことが可能なのか!? というテーマに置き換えて考えてみました。他の素材にはない杉の繊細さ、柔らかさ、粘り、といった特徴を生かして、今までにない杉の橋を考えてみようとしてできたのがこの「木漏れ光橋」であります。

 

鉄結

 


 

鉄結

 

プレゼンに望む筆者。格子の構成はすべて三角形。加工が正確だ。

 

「木漏れ光橋」には、山と山の谷間に架けて山の景観のシンボルとなればという想いを込めています。昼は内側に太陽の光が降り注ぎ、夜は内側に置かれたライトからは行灯のようにぼやっと光が漏れて、ひとつの夜景スポットとなるようなものに。
 すべて4m材を使っており、立体的に格子を組むことによって三角柱を構成しています。実際相欠きに加工した部分を見ましたが、精度の高さに本当にびっくりしました。私は模型を作っていてすごく苦戦したのですが、原寸の大きさで逃げ(余裕)をつくらず組み立てた職人さんのすごさを身に感じました。
  今回は場所と施工上の問題から、宙に浮いた姿を見ることができず、少し残念な気持ちもありましたが、置いていただいた場所も良く、太陽の光がきれいに内部に溢れていました。時間の変化とともに射し込む光が変化していくのを見ることができ、十分に満足させていただきました。

 



スタディー段階の設置イメージ。

 

鉄結

 

格子を通して生まれる木漏れ日が美しい。その表情は時間とともに刻々と変化する。

 

 今回、杉コレに参加して一番の収穫は、杉にアツイ人に会えたことです。杉コレに入賞した方々はもちろん、内藤さんや南雲さんをはじめとする審査員、主催者、実行委員会の方々、スギダラの皆さんに会えたことだと思っています。杉の可能性を探り、杉でなにか面白いことできないだろうかという志を持った人間がこれだけ集まれば日本中に強いメッセージが送れるのではないかと思います。来年の杉コレはもちろん、別の形でまた一緒にお仕事ができればと思っています。
  次回の杉コレこそはグランプリ狙っていきますので、よろしくお願いします!!

 

●<よご・かずや>
滋賀県立大学大学院 環境科学研究科 環境計画学専攻 環境意匠コース 松岡拓公雄研究室 在籍

 
   
 

   
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