特集 杉コレ in 都城

 
スギダラと杉コレと都城木青会、そして「やまんかん祭り」
文/持永光志
 
 
 

 振り返れば、2006年11月17日都城市民会館にて行われた高専のデザインコンペに参加し、そこでナグモデザイン事務所代表の南雲勝志氏にお会いした時から慌しい1年間が始まったように思いますし、スギダラメンバーの皆さんと出会うことができたのもこの日があったからでしょう。しかしあの時の南雲さんは、我々とあまり話もしてくれなかったなー。正直、デザイナーという職業の方々とお会いしたのは初めてだったので、どう接したらいいのかわかりませんでした。この日を境目に、皆で何度も何日も、たまには酒を飲みながらいろんな理想や目標を語り合った事を思い出します。(やる気が無かったわけではありませんよ。南雲さん)

 

 
 

いつも真剣に行ってきた、スギコレ実行委員会。

 

  はたしてどれほどの作品が来るのか。エントリーの期日を待つ間いろいろな思いがありました。期待感もあり不安感もあり。でも杉コレが終わるまでは、常に期待と不安の繰り返しでしたね。
 選ばれた10作品の製作は予想以上に難航し、妥協寸前までいったときもありました。無理だよと言いたくもなりました。しかしそこは都城地区木材青壮年会の底力。団結したときのパワーは最高です(薩摩ですので……)。「森の待合所」一つを見ても、ほとんどの会員の力が携わっていたでしょう。昼は仕事にもかかわらず、毎晩のように夜遅くまで表面を削っては磨き、皆ホコリまみれになりながらも手伝っていただいた。その姿を目にしただけで涙が出そうになりました。
 そして、10月19日夜、すべての作品が完成しました。最高の瞬間。そこを離れることができません。私はその夜11時くらいまでずっと眺めていました。

 

 

前夜遅くに撮影した作品、感動でした。

 

 




 10月20日、「やまんかん祭り」(山の神祭り)その日、それまでの不安を吹き飛ばすかのような晴天。天気も最高、場所も最高、準備も万端。あとは数多くのお客様に来ていただいて楽しんでいただければ最高である。結果、2日間で約1万人ものお客様に来場していただきました。

 

 

子供達が楽しんでくれたことも印象的でした。

 




  すべてが最高でした。しかし、杉コレクションの作品の解体と撤収が始まったときはさびしかったですよ。なんとか残せないものかと残念無念でたまりませんでしたね。
  やまんかん祭り終了後、有馬先生も参加していただき、会員全員で行った打ち上げは最高でした。場所は神柱公園。終了後すぐにその場所で、杉コレクション作品や祭の後を眺めながらの酒の味は格別で、終わってほしくないなーと思いながら飲んでいました。

 




 いやー。1000字というのは思ったほど長くないですね。アッという間に超えてしまいました。杉コレと祭りで過ごしたこの一年は1000字では足りなかったみたいです。 
  しかしながら、もう少しだけいただきまして……。

 スギダラメンバーの皆さんとの出会いは、かなり衝撃的でした。私たちの「杉」は、常に外材と比較され馬鹿にされてきました。いつか見返してやるという気持ちが焦る中での皆さんとの出会い、とても勇気付けられました。皆さんは材木屋的価値観と違った目線で「杉」を考えておられ、それを知ったとき、今まで何をしていたんだろうと、自分をとても恥ずかしく思いました。そしてとても勉強になりました。今後も皆さんといろいろな活動を行うことができればうれしく思います。

 最後に、有馬先生、内藤先生、南雲さん、内田洋行の若杉さん千代田さん、そして「日本全国スギダラケ倶楽部」メンバーの皆様、本当にお世話になりました。感謝申し上げます。
  これからも森林を守り、未来へ向けて活動してまいります。来年は日向です。今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます。



 

 

●<もちなが・みつゆき>
都城地区木材青壮年会
宮崎県木材青壮年会連合会 やまんかん祭り実行委員長
持永木材株式会社 専務取締役
スギダラ会員 NO.567

 
   
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