連載

 

スギダラな人々探訪/第22回 本部イベントプロモーション部の皆さん 

文/ 千代田健一

杉を愛してやまない人びとを、日本各地に訪ねます。どんな杉好きが待ち受けているでしょう。

 
  今回はつい先日、突発的に参加した全国都市再生まちづくり会議2007を契機に発足した本部イベントプロモーション部のメンバーを紹介したいと思います。蒔田有美子さん(会員No.19)と南奈緒子さん(会員No.336)と前田和さん(会員No.174)の3名の女性によるチームです。
   
  イベント3姉妹
  左から蒔田さん、前田さん、南さん。とある日曜日、密かにキックオフミーティングを行う。
   
 

どこの支部でもそうですが、最初に能動的にアクションを起こすのは女性の方が多いんです。で、3人と言うのがお決まりになってますね。3人寄れば文殊の知恵とも言いますが、3人と言うのはまとまりを生みやすかったり、刺激を与え合える丁度いい人数なのかもしれません。スギダラではスギダラ3兄弟を始め、本部の3姉妹、ミヤダラ3姉妹、秋田おばこ3姉妹、杉九3姉妹というように数々の3人組みを誕生させました。それでという訳でもないですが、この度、発足した本部イベントプロモーション部もまずは3人で集まり活動を開始いたしました。

何ゆえそんなチームを作ったかと言うと、その全国都市再生まちづくり会議への参加が本部と支部で連携して進めてゆく必要があったからなのですが、そのイベントに参加することになった経緯を少し解説しておきます。

話を持ちかけてくれたのは、都市のカラー計画を専門にされている山口ひろこさん(会員No.627)で、宮崎県日南市で景観デザインの仕事に携わっているスギダラメンバーとは旧知の間柄です。山口さんとは僕も何度かお会いしたこともあるんですが、その全まち会議に参加するまでは会員ではありませんでした。山口さんはその会議の主旨から、まずはミヤダラ支部長海野さんに杉コレのPRをやったらどうか?というお誘いをかけてくれました。その話を聞いた海野さんは東京でのイベントであるため、早速本部への応援要請をかけます。それだけでなく、その時点でスギダラ倶楽部のPRもやったらどうだろうか?という膨らましプランを携えて・・・しかし、準備期間がまるで足りないし、当の海野さんも東京まで来れるかどうかわからない。しかもその全まち会議がどんな集まりなのか? どんな方々が見にくるのか全くわかりませんでしたし、展示のやり方にもはっきり言って賛同できなかったので、僕自身、あまり気が進みませんでした。南雲親分に相談してもあまり気が乗らない様子。そんな中、山口さんが暑苦しく?奮闘してくれて、自分の知りうるスギダラメンバーに声をかけまくってくれていました。山口さんはこのイベントにおける成果を唯一イメージできたでしょうから、自信満々にみんなを巻き込んでいったのでしょう。

次々に状況が変わっていきました。まず海野さんからはイベント当日、杉コレPR部隊として行けることになりました!と。その後、本部メンバーにしてミヤダラ部員でもある宮大生の辻さん(会員No.48)がどっぷりつかることになり、展示のパネル製作やプロモーショングッズ製作の段取りを開始。辻さんの会社のスタッフの南さんと元ナグモデザイン事務所のスタッフだった蒔田さんをサポートスタッフで雇いましたから・・・と。さらにそれに拍車をかけるニュースが! 何とイベント当日にはミヤダラから吉武先生(会員No.74)、広報宣伝部長の吉武春美さん(会員No.118)に加え、都城のちんどん屋「花ふぶき一座」座長の宮田若菜さん(会員No.565)が参加してくれると。この辺がミヤダラパワーのすごいところと言うか無謀なところ。本部としてもミヤダラ軍団を迎撃すべく、最善を尽くさねばなりません。

会場の設営をどうするか? 展示パネルのデザインは? どんなプロモーショングッズを作るか? このあたりは蒔田さん、南さんが仕事の後に毎晩遅くまでかかって練り上げてくれました。グッズ製作のための杉のキューブ300個もすぐに海野さんが用意してくれ、準備は整ったのですが、いざ製作するとなると人手が必要。たまたまこのイベントのことを聞きつけた前田さんが自分も手伝いに来ると言ってくれ、今回のイベントプロモーションチームの体制が整うことになりました。しかしながら実際は、300個もの杉キューブの製作は3人だけでしかもアフターファイブでやり遂げるのは大変だし、実際のイベント会場の設営だって人手がかかります。今回は内田洋行のデザインチームの新入社員7名がスギダライベントの洗礼を受けることになりました。KATARI-BAR(杉屋台)や杉太(杉ベンチ)等のスギダラ大道具の運び込み、組み立て設置。これだけでも結構な人手が必要です。こういう突発的なイベントだとスギダラ会員をサポーターとして集めるのも結構難しいんです。イベント期間中に来てくれた人にとっては、スギダラらしい楽しげで心地良い雰囲気がさも当然のように出来上がっているのがお分かりいただけたかと思いますが、実はその舞台裏では蒔田さん、南さん、前田さん、内田洋行のメンバー他、数多くのスタッフの活躍があるわけです。今回、ミヤダラメンバーはその舞台で演じる役割でしたが、ミヤダラも独自にイベントを起こす時は同じように裏方を支援するメンバーに支えられているわけです。各支部でアクションを起こす場合は、それぞれの裁量でやればいいのですが、地域をまたがってやる場合には、その連携を取ったり、サポートメンバーを集めたり、当日の集客と、規模も作業量も増えてきます。本部デザイン部長の若杉さんがいつも言っているように「どんな相手でも同じリズム!」「手抜きをしない!」「半端にやると伝わるものも伝わらない!」今回も日々そういった激を受けながら、スギダラがスギダラらしく、スギダラのクオリティを落とさないように臨みました。その成果は予想を遥かに超えるものになったことは各地のブログでの報告通りです。(本部ブログ スギダラ家の人々参照)

   
  有美ちゃん囲まれる   デカビータ
  全まち会議で配る杉キューブの製作のため、内田洋行に来た蒔田さん。蒔田さんのアイデアは素晴らしいんだけど、人手が無いとできそうにないもの考えるもんなー・・・大変そうだからという訳でもないんだろうが、頼みもしないのにウチのスタッフが続々と手伝いに来る。んーーー。   ミヤダラから借りてきたオビータの巨大版「デカビータ」を今回の展示に合うようにお色直し。
  デカビータ
  お色直ししたデカビータはとっても綺麗になりました。ミヤダラに返したら驚くかも。
  あいちゃん囲まれる   杉キューブ
  ヨシモトポール納涼祭の杉名札の準備。こっちは内田洋行の新人に「手が空いてるヤツは手伝ってやって」と言ったら、みーんな集まっちゃって・・・スギダラの女性は人を集める力があるのか???   海野さんが300個以上も送ってくれたもんだから、焼印押すのも磨くのも大変でした。内田洋行の新入社員軍団があっという間に終わらせましたけど・・・7名もいると助かることも多いです。
   
 

地域でのまちづくり活動、NPO活動のPRと支援要請・連携を目的としたイベントにあって、スギダラのPR内容は異色だったと思います。その地域地域だけで頑張っているのではなく、全国横断的に活動していて、しかも地域間の連携も厚い。そんなプレゼンテーションはスギダラだけでした。スギダラの活動はこれからのまちづくり、地域活性化においても大きな可能性を感じ取っていただけるものだったと思います。ミヤダラ支部長の海野さんは万が一にも賞を取ったら誰が壇上に上がればいいか?と余計な心配をして、南雲さんを始め、「海野さん、すごい心配してますねー」なんて言われていたのですが、その心配が現実となりました。冗談から杉、というのはこの事ですね。まあ、それにしても大賞を取れるとは思っていませんでしたけどね。

南雲さんが今回の記事にも書いているように、スギダラには金も名誉も無い。まあ、ホントですが、この全国都市再生まちづくり会議での大賞受賞は名誉なことだったと思います。おかげさまでこのイベントを通してさらに会員も増えましたし、また新たな連携が生まれつつあります。その後の展開はまたしばらくしたらご報告できるかと思います。

さて、長くなりましたが、イベントプロモーション部に話を戻します。
今回の全まち会議では、ミヤダラを中心に宮崎におけるまちづくりと地域活性化、地域産業発展のための取り組みを中心にPRしたわけですが、東京での出展ということもあり、実作業までこなすのは困難。かと言ってできる範囲でやっていたら、今回のような成果を得ることはかなわなかったかもしれません。そのための連携を司る人の力が必要です。海野さん、辻さんと僕で始めたことを見事に形にしてくれたのがイベントプロモーションチームの3名でした。この全まち会議のイベントの後、早速、仕事が舞い込んできました。7月28日(土)に行われたスギダラ倶楽部法人会員のヨシモトポール納涼祭です。昨年、ゲストとして呼んでいただき、例のアヒルのダンスを地域の子供たちと踊ったのが大受けしたので、今年は端っからプログラムに組み込まれていました。参加を検討するとかそんな問題じゃなく、出ることが決まっている。じゃあ、どこまでやろうか?ってことになるのですが、やはり出る以上は「スギダラのいつものリズム」となるわけです。藤岡市の地域の人々、子供たちとふれあい、盛り上がるために作戦会議を開催。事実上、このイベントプロモーションチームの結成式となりました。準備期間はその後1週間。今回は、子供たち用にランドセルにつける名札というイメージでミニスギダラ棒を用意し、同時に群馬スギダラクイズを作りました。クイズに応えてくれた子供たちにその名札を配ったのですが、プロモーション部の3人だけでなく、参加したスギダラメンバーは昨年よりも密に子供たちとのふれあいを持てて自分たちの方が楽しんでいたようです。
主催者ヨシモトポールの由井社長さんを始め、皆さん、大喜びしていただきました。何と2800名もの来場があったようです。もうこれで毎年の恒例になってしまうようです。
スギダラ家の人々を参照

   
  ナグモカカシ
  ヨシモトポール納涼祭のスギダラコーナー。今回は南雲さんはナグモカカシとして登場。犬におしっこ引っ掛けられたり・・・はしてません。持ち場としては昨年同様、焼き鳥コーナーです。
  豚バラを焼く   クイズ練習
    来場者に出題する練習をするプロモーション姉妹。子供たちのとコミュニケーションツールとして功を奏してました。一番頑張ってたのはウチのスタッフの山崎君でしたが・・・
    杉名札
  昨年内輪用として用意した豚バラの串焼きが好評だったので、今年も用意しました。プロモーション3姉妹とキャッシーで串の仕込みやりました。   これがヨシモトポール納涼祭で配った杉名札。名前書いてランドセルにぶら下げるといいでしょ? 新人君たちが焼印押してくれたんですが、なかなかうまくなりました。実は小口への焼印はすぐに焦げちゃって大変なんです。
  デュエット
  昨年は千代田が壇上に上がりましたが、今年は南雲さんもいないし、次男若杉さんを起用。うまいこと歌ってましたけどね。みんなは聞いちゃいないけど・・・(笑)
  アヒルのダンス
  そう、実はスギダラはスギダラのPR活動をしに来たわけじゃなくって、この出演がメインだったんです。今年はアヒルの着ぐるみまで用意する気合の入りようです。これ目当てで来た子供たちも多かったようです。藤岡市の人々には変な集団と間違われている可能性がかなり高いですね。
   
 

このようにイベントの中でどうやってコミュニケーションしてゆくか? そのためにどんな用意をすればいいか? それを作るためにどんなメンバーを集めれば良いか? イベントを成功させるための重要なポイントです。イベントプロモーション部3姉妹にはこの辺のところを中心に能動的に動いて仕掛けてゆく役割を担って欲しいと思ってます。

スギダラには多彩な才能を持つ役者がたくさんいます。その役者たちが最高のパフォーマンスを発揮できる舞台作り。舞台演出。今後どうなって行くかまだまだ手探りになるとは思いますが、舞台裏の最前線で活躍していってもらいたいと思います。もちろん、自ら作った舞台の上に立つことも当然ありますから、3人とも油断しないように!!!
またもや女性パワーですね。本当にスギダラは女性に支えられてる集団ですね。
最後にメンバーの抱負をそれぞれに語っていただきます。

まずはイベントプロモーション部長の蒔田有美子さん。蒔田さんは今年の初旬までナグモデザイン事務所のスタッフとして、仕事にスギダラに活躍していましたが、現在はナグモデザインを卒業し、照明計画の会社に勤めています。宮崎に出入りすることが多かったこともあり、準ミヤダラ部員のように活躍してくれています。皆さんもご存知のミヤダラのマスコットキャラ「オビータ」の産みの親です。

   
 

「千代田さんに任務を任されたものの、私自身もイベントプロモーション部が何なのか、どう活動すればよいのか正直まだよくわかっていない所があります。ただ、イベントと一言でいっても様々あって、お祭りもあれば全まちのようなものもある。来る人も違えば、状況も変わってくる。その時その時に応じてスギダラの活動をどう伝えていくか、それを考えるのがイベントプロモーション部の役目かなと勝手に解釈しています。
各地にはそれぞれアイデアマンがたくさんいますし、楽しい活動がすでに行われていますから、私達の出る幕はほとんどありません。なので各地のイベントをサポートするとともに、全国視野でその各地の活動やスギダラ自体をどう一般の方々に知ってもらい、賛同してくれる仲間を増やせるか、という点で少しでも力になれればなと思っています。
最後に、イベント実行時には沢山の方々の協力が必要です。準備段階から、各方面の手配、材料の調達等・・・逆に力を貸して頂く事が多いかもしれません。スギダラな皆様の協力が必須なのです!どうか、宜しく御願いしまーす!」(蒔田有美子)


   
 

ちょっと引っ込み思案なところがある蒔田さん。これまでのスギダラを支えてきてくれましたし、その自負もあると思います。それにこれからもスギダラの最前線(祭前線の方がいいかな?)に居たいとう強い想いがあります。その想いを存分に発揮していただくため、この度、本部広報宣伝部から派生したイベントプロモーション部をお任せすることにしました。

次に副部長の南奈緒子さんです。南さんは日本一の杉フリーク辻さんの会社のスタッフで都市計画の設計をされています。まあ、辻さんがいつもそばにいるから元々スギダラとも運命共同体で、拒否権無きスギダラの業務依頼が自ずと飛び込んできます。会員番号は新し目ですが、スギダラ倶楽部設立当初から何かとお世話になってきました。そんな南さんもそろそろ観念して公然とスギダラ最前線に立ってくれることになりました。

   
  「私は、全まちではじめてスギダラ会員としてお手伝いさせてもらいました。その時は、必死になって私に出来ることを、、、何かやるぞ!という意気込みだけでお手伝いさせてもらいましたが、スギダラの活動を通して、多くの人たち渡ふれあうことが出来て、楽しく過ごすことができました。ただ難しく考えていくだけでなく、楽しくしていくこと。これがスギダラの活動なんだ!と改めて実感しました。この全まちをかっけにあれよあれよという間に、イベントプロモーション部が発足しましたが、私もまだどの様に活動していく部なのか手探り状態です。しかし、一歩一歩、歩みながら、皆さんの力をおかりしながら、イベント毎で楽しいモノガタリが生まれるサポートができればと思っております。自分たちも楽しみながらやっていきたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。」(南奈緒子)
   
  最後にスギダラトーキョーからの派遣部員 前田和さんです。和と書いてアイと読みます。日本で最も有名な某旧帝大大学院卒業(われ等が内藤廣さんの研究室)し、今はフリーターやりながら、米国留学の準備をしています。そんなこともあって少し自由な時間があるのでしょうが、ここのところスギダラ系イベントには必ずと言っていいほど参加し、スギダラのいいところを若者に暑苦しく語ってくれています。何か女の子にしては親分肌が強く、イベントプロモーション部の対外的な窓口として活躍してくれそうです。
   
  「イベントプロモーション部に配属になりました会員番号174番スギダラネーム大福こと前田和です。よろしくお願いいたします。
スギダラにイベントプロモーション・・・?という疑問はあることと思います。日本全国スギダラケ倶楽部は名前の通り支部が全国に及び、最近では全国都市再生まちづくり会議2007では宮崎支部が大賞を受賞し、新たに支部が出来る予定があるなど、スギダラは全国に飛び火していっています。そんな風に全国でイベントを起こして自ら盛り上げようとしている熱い人々がいるにも関わらず、イベントをプロモーションするとはどういうことなのかと。
私は群馬ツアーや宮崎や東京でのスギダラ活動に少しではありますが参加することができ、そこでお会いした全国の情熱ある方々にお会いして初めて感じました。もともとスギダラに必要な情熱は全国にくすぶり続けていて、スギダラはその火の子をもりあげる油の役割を担っているのだと。だからこそ、3年と短期間で全国に広がっていったのだと思います。それぞれの地域とそこに住む人々にしかできないことがあるように、日本「全国」スギダラケ倶楽部であるからこそできることがあるはずです。イベントプロモーション部では全国の熱いスギダラ活動の応援や全国のスギダラ活動の面白さを伝え、そしてさらにスギダラを盛り上げたいです。今までより会員皆さまと接する機会が増えるかもしれませんが、何卒よろしくお願いいたします。」(前田和)
   
  別に配属した訳じゃないけど・・・(笑)
   
 

この3名を中心にスギダライベントを盛り立てて参りますので、全国の皆様もご支援、ご声援の程、ヨロスギお願いいたします。この3名自体のプロモーションは引き続き、本部広報宣伝部のわたくしがやりますので、ファンレターとかは千代田を通してお願いします・・・うそ!

尚、イベントプロモーション部員を広く募集いたします。どうせ関わることになるのがわかっている方は元より、スギダラのお祭りに深く関わりたい方の挙手をお待ちしております。(ち)
   
   
   
   
   
   
 
●<ちよだ・けんいち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンター所属。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部広報宣伝部長
   
 


   
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