やがて風景になるものづくり。ようび再始動!
  ツギテノミカタがようびメンバーに

文 / 福田瑞恵

   
 
   
 

私が初めてようびに訪れたのは、2017年8月、ツギテプロジェクトの参加者としてでした。当時私は、東京の職業訓練校の木工技術科に通っていて、ようびの新宿伊勢丹での展示会を見に行った事がきっっかけでツギテプロジェクトの事を知り、夏休みにクラスメイト何人かで西粟倉まで足を運びました。地元が近かった事もあり、連日合計で3回、ツギテノミカタとして参加しました。

   
 
  訓練校の仲間とツギテプロジェクトに参加!120本の角材の加工達成!
   
 

待っていたは、大量の90ミリ角の角材と、大工さんが使うような大きなのみ。構造になる部分の継ぎ手の欠き取りの作業でした。訓練校では使わないような大きな突きのみの作業を、簡単な説明を受け、見よう見まねでひたすら作業を進めて行きます。いろんな境遇の人達が集まって、皆が同じ目標に向かって作業を進めていく一体感の中で、またひたすら木と向き合って手を動かす、その時間がとても楽しくて。
休憩中やお昼ご飯は皆で楽しくおしゃべり。作業中の真剣さと、休憩になった時のメリハリや、皆でご飯を食べる事を大事にしていたりと、人とのつながりを大事にしているところが素敵だなと思いました。
そういった、ようびのメンバーの人柄や、仕事に対する情熱に惹かれ、私もここで働きたいと思い、志願して、2018年1月の年明けから、ようびのメンバーの一員としてツギテプロジェクトに関わる事になりました。

夏に来たときは、これがどんな建築になるんだろうと想像きませんでしたが、組み上がっている現場を見たときは圧倒され、自分が加工したものの一部がこの建築の一部になっていると思うと感動しました。
入社初日は、まずは雪かきから。かいてもかいても、翌日にまた雪が積もっていると絶望的な気持ちになる事もありましたが、自分以上に頑張っている仲間が周りにいたし、こんな厳しい環境でも助けにきて下さるツギテノミカタの方達がいるのに、弱音を吐いている時間はありません!「寒いね」と言いながらも、休憩中は温かいお茶を飲みながら、明るく笑い合って話あえる環境にはとても励まされました。
建築に、屋根や壁がついた時は、本当にホッとしました。建物とは、こんなにも安心感を得られる尊いものなんだと身にしみて実感しました。

   
 
  構造材たちにどんどん降り積もる雪・・・ 一本一本雪降ろしします。
   
 
  しんしんと雪が降る中でも、みんなで元気に笑顔でポーズ!癒やされます!
   
 

私の主な仕事は、構造部分のビス打ちや金物付け。60p間隔で組み上げられた格子の中を、ジャングルジムのように、上ったり下りたり横に移動したりと。私のような小柄な体格は向いている方だと思いますが、格子の中を移動するのはなかなか一苦労。厚着をしていることもあり、足が上がらなかったり。上に上がってから、何か持って上がる道具を忘れたことに気づいたり、金物が途中で切れたりするとガーンとなります。家具製作の中ではあまり使いませんが、建築の現場では腰袋は本当に便利ですね。継ぎ手部分の金物付けが全て終わった時の達成感はひとしおでした。

   
 
 

巨大ジャングルジムに挑むちびっ子達!高いところも大丈夫!

   
 

この現場では、一つ一つの作業は単純な積み重ねのものが多く、たくさんの方の、たくさん積み重ねでできた場所なんだなと改めて思うと、人の力ってすごいなと改めて感じるし、愛しい建築だなと思います。そういったものづくりに関われた事はとても嬉しいし、ものづくりを通していろんな方と出会いその想いに触れあえた事はとてもありがたく幸せな事だなと思っています。ツギテミカタで来て下さった方々、支援して下さった方々、周りで見守って下さった方々、一緒にお仕事して下さった職人方々、本当に本当にありがとうございました!

   
   
   
   
  ●<ふくだ・みずえ> ようび

   
 
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