ワークショップストリート in OPEN MUJI 有楽町 2017
  MUJIを通じて企むスギの未来

文 / 外山 賢

   
 
   
  「木本(きほん)【宮崎編】」→「みやざき市場〜めぐる木のめぐみ〜」 →
「オープンMUJI有楽町2017」までの流れと「これから」
   
 

 私が、良品計画と一緒に仕事をするきっかけとなったのが、平成27年度に林野庁の補助事業を使って、良品計画と内田洋行が、「木本(きほん)【九州編】」の製作や、棚・テーブルなどの家具開発、MUJIの店舗でのPR活動までを一連の事業として実施された際に、少しだけお手伝いしたのが始まりでした。最初は、どうして良品計画がここまでやるのか?、さらには、一昔前の内田洋行であれば、絶対に会社の仕事になるはずのない、「スギダラ」的な活動の延長線上にある「木本」「木準」「木図工」「木図鑑」というダジャレ満載な取り組みが、会社としての取組になっていることに戸惑いながらも、8年ぶりにスギダラ的な仕事ができる部署に帰った来た私にとっては、楽しさ満載な状態に喜びながら、お手伝いさせていただきました。

出来上がった「木本(きほん)【九州編】」を見て、凄いな〜、カッコいいな〜、【宮崎編】作りたいな〜と思いたったが吉日、県の予算を算段し、28年度の夏に取材を敢行、「木本(きほん)【宮崎編】」を作ってしまいました。(鳥井さん、古瀬さん、西山さん、寺田さん本当に有難うございます。)この取材(旅行?)が、また楽しくて楽しくて、取材チームの皆さんも、取材で会いに行った方々もみんな素晴らしい人達ばかりで、大変だったけど元気貰えた〜という楽しい楽しいお仕事でした。

   
 
 
     
 
     
 

良品計画の林さんに、出来上がった冊子を見せながら、楽しい取材のことを話すうちに、林さんが木本で伝えようとした資源の循環や「森と木」と「木とくらし」について、もっと沢山の人に伝えたいな〜と呟き、じゃあMUJIでイベントやろうよ!ということになり、イベントをやるからには、木本で取材した人達に会わなくっちゃ!という流れから、年明けに「木本(きほん)【宮崎編】」のPRイベントをMUJI有楽町で実施することを決め、そのイベントの仕掛けも含めて11月に2泊3日の木本ツアーを組むことになりました。

   
 
   
  ツアー初日は、五ヶ瀬ワイナリーから阿蘇山を眺めるところから始まり、「宮葡ヶ[」で宮風コさんから釜入り茶について学び、高千穂町五ヶ村で神楽面を彫っている工藤さんの話や60歳からの村おこしを実行されている佐藤光さんの話を伺い一日目を終了。
   
 
   
  二日目は、Iターンで移住し宇納間備長炭を焼いている森さんの話、農家レストラン「味さと」の美味しい昼食、美郷町で椎茸問屋を営んでいる岡田商店の岡田光さんの話を伺い、住友林業でスギの苗木のお話しを伺ったあと、挿し木づくりを体験し、諸塚村に移動して終了。
   
 
   
 

 3日目は、諸塚村の山を散策し、ドングリや落ち葉を採取、その後、木材加工工場等にお邪魔して製材端材や鋸屑を集め、2月にイベントに向けた材料をゲット。
 このツアーを実施したことで、リアルに「木本」という冊子の背景にある人の暮らしや想いについて、お互いに共有できたことはとても大切なことだったと思います。
お陰様で2月にMUJI有楽町で開催した「みやざき市場〜めぐる木のめぐみ〜」では、ワークショップ中心にMUJIのお客さんに、資源を循環させる「森と木」のこと、それを支える「暮らしと文化」について伝えることが出来たと思います。

   
 
   
 

これらの取組を進める中で、「モノ」とその背景にある「コト」を伝えてこそ、循環資源である国産木材を使う土台を作ることに繋がることを実感したのですが、宮崎だけでやってはダメだ〜!もっともっと沢山の地域や人、行政や企業と力を合わせて盛り上げていかないといけないぞ〜!と、強く強く僕自身感じました。みんなの力を合わせるためには、ハブ機能が必要です。MUJIという存在は、まさにハブとなる重要な役目を担える存在だと思います。今回のオープンMUJI有楽町2017では、みんなの力を結集することを意識しながら、林さんや渡部さんが、一生懸命取り組んでくれた結果、函館や鹿沼のメンバー、カリモクさんやイケヒコさんなど、ご縁が確実に繋がっているのを実感しています。

次は、池袋ですね。これまでのご縁を大切に継続していければ良いな〜と考えております。個人的には、「みやざき市場」の様な取組(「はこだて市場」や「かぬま市場」などもやりませんか?)を大阪や福岡などの国内でも広げていけると面白いと思いますし、もっと妄想を膨らませると、シンガポールや上海などの海外にこそ、資源の循環や「森と木」と「木とくらし」を伝える力を持つことができると、心豊かに暮らし続けられる世界を未来に紡いでいけるような気がしています。完全に妄想ですけど(笑)、林さん、渡部さん、折角なら大風呂敷を広げませんか〜

私だけでは絶対できないと思いますが、ここに集っている仲間がいれば、みんなで紡いでいけるような気がしています。いや信じていますので、みんなでやりましょう!

   
   
   
   
  ●<とやま・けん> 宮崎県庁
   
 
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