特集  第一回ほしなカレッジ
  第一回ほしなCourage合宿

文 / セーラ・マリ・カミングス

   
 
 
 

 ここ、長野市若穂保科には電車もバスもありません。来て頂くなら泊まりでゆっくりと来てもらうしかありません。そして、星を眺めゆっくりと語り合いながら、里山を活かしていく共同作業を行う、合宿の場を構想しました。
 生まれ育ったアメリカのState Collegeはとても元気な町です。学生の街が一番元気なのです。人が行き交い交流しているからです。私自身も、小布施で12年間「小布施ッション(OBUSESSION)」という文化サロンを主催し、内部と外部の交流の場を作ってきました。その場をつくる事で、人との良い出会いがうまれ、好奇心とわくわくがうまれ、人の力が伸びるのです。
 外部の人に出会う機会がすくないここ長野市保科の地にも、そういった場を作りたい。「外」との出会いは、新しい自分にも出会えるのです。
「Courage」の名前の由来は、ここの地名が保科高下(コウゲ=Coge)で、高下の裏山の整備をしたい、という事で高下(Coge)と裏(Ura)をあわせ、Courage(=勇気)となりました。このひらめきから一気に構想が具体化。Courageをカタカナ表記すると、カレッジになり、College(=大学)も連想される事から、ほしなCourage合宿のコンセプトに、「この合宿そのものが大学!里山はキャンパス!」を加えコンセプトがより具体化しました。
 杉だらけクラブの方々にはこの合宿の第一回から一緒になって頂いて、楽し杉でした。杉だらけクラブの方とこの合宿以前に出会ったことと、保科で合宿の想いが合わさって、「ほしなCollege合宿」がうまれましたので、杉だらけクラブのゆかいな仲間たちには、心より感謝しています。
 合宿当日は、長野県内外から約50名の方のご参加を頂きました。蔵の片付け、ツリーハウスの基礎造り、大勢でやると何でも楽しい。長野県の郷土料理「おやき」を作って食べ、作業後に温泉に行き、夜はバーベキューで盛り上がり、早朝にお寺に座禅に行き、また作業という、盛りだくさんのプログラムになりました。海外の参加者もいる中で、杉だらけクラブの方が率先してアヒルダンスをみんなに教え、お互いの文化の壁を取り払ったように感じました。
 力を合わせて、里山再生及び日本の古き良き文化を伝承する道を一緒に築きたいのです。日本の希望の保科を目指しましょう★

 

 

   
   
   
  ●<せーら・まり・かみんぐす> 株式会社桝一市村酒造場取締役、株式会社小布施堂取締役、SMC株式会社代表取締役。利酒師。 アメリカ合衆国ペンシルベニア州生まれ。 長野県上高井郡小布施町の町おこしの立役者。2006年に結婚。 2014年株式会社文化事業部とともに独立し長野市若穂へ活動の拠点を移す。
   
 
Copyright(C) 2005 GEKKAN SUGI all rights reserved