特集 西鉄柳川駅「学ぼう! つくろう! 駅前広場でモノづくり」
  柳川駅周辺の整備と市民参画のまちづくり

文 /写真 目野隆広

   
 
 
 

柳川駅周辺整備は、事業期間も残り2〜3年と非常に厳しくなってきた平成24年度の後半に「西鉄柳川駅周辺地区デザイン検討会議」(構成は下図、以下「デザイン会議」)が立ち上がり、やっと動き始めました。

   
 
   
 

短い期間で、計画検討や関係機関等との協議、補償交渉、施設整備を完了さなければならなかったのですが、デザイン検討会議からは、利用者である市民意見の反映や事業周知などについて、ワークショップやシンポジウムをとおして丁寧に進めることを求められました。
しかし、当課ではこうした経験がなく、また、完成まで時間がない中で取り組めるのか非常に大きな不安がありましたが、九州大学の高尾忠志さんや永村景子さんの全面的な協力を得たことで、駅周辺のデザインや利活用を考える市民ワークショップは順調に進みました。
また、設計WGの南雲勝志さんから提案をいただいていた、親しみを持ち愛される施設とするための市民協働事業は、事業期間が残り1年となるころ、やっと実施に漕ぎ着けることができました。
(外部だけでなく内部調整の難しさも痛感しました。)
そこで、南雲勝志さんとプロジェクトマネージャーの辻喜彦さんの協力のもと、柳川駅近くの柳川市立藤吉小学校育友会父親委員会会長の橋本憲之さん(当時)の快諾を得て、モノづくりワークショップが本格的にスタートしました。
ワークショップでは、「地元や駅への愛着心を育むこと」、「将来のまちづくりの担い手を育成すること」、「人と人のふれあいや親子の絆を深めること」の3つの目的を立て、完成までに4回開催しています。

   
 
   
 
   
 
 
  「第1回は素材探しの旅」
   
 
 
  「第2回はイベントで使えるベンチづくり」
   
 
 
  「第3回は線路際のフェンスづくり」
   
 
 
  「第4回は線路際にフェンス取り付け」
   
 

このワークショップでは、児童のお世話をしていただいた藤吉小学校育友会父親委員会の橋本憲之さんや矢ケ部智博さん、本田浩樹さん他委員や保護者の皆さん、杉のお話をしていただいた矢部村愛林クラブ会長栗原さん、八女市役所林業振興課若杉係長(当時)、製材体験をさせていただいた諸冨林産興業さん、石材のお話をしていただいた潟Iガタストーンの緒方さん、木材を提供いただいた松本木材鰍ウん、フェンスの材料加工や取り付けで協力いただいた藤ウッドテック鰍ウん、活タ藤・間さん、西日本鉄道叶路課の皆さんなど、回を追うごとに多くの関係者の協力と支援があり、参加人数も増え、子どもたちと保護者の笑顔も数多く生まれました。

子どもたちの記憶に何が残ったかは分かりませんが、お父さんやお母さん、いろんな方と共同作業をしたことは、きっと楽しかった記憶として残ったと思いますし、ワークショップの目的も少しは達成できたと思います。
こうした体験をきっかけに、子どもたちが柳川のまちづくりにも興味を抱いてくれればと願います。

今年もモノづくりワークショップは動きました。
父親委員会の皆さんの活動はさらに力強くなり、活動内容もスケジュールもお父さんたちが話し合って作りました。その結果、子どもたちの参加人数も倍以上に膨らみました。
また今回は、ハリウッドワールド美容専門学校さん、柳川観光振興プロジェクトチームが一緒に活動するなど新たな動きが加わり、モノづくりワークショップは次の段階に入ろうとしているように感じます。
こうした動きが無理なく続き、広がりを持てるよう行政の関わり方も考えなければと感じています。
 最後に、やっぱりみんな笑顔でいれることはいいですね。そんなまちづくりを続けていけたらと思います。

   
 
 
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  ●<めの・たかひろ> 柳川市役所 建設部 まちづくり課 課長補佐
   
 
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