隔月連載
  スギダラ初心者講座第4回:「スギダラはもはやスギダラにあらず宣言」または「杉というソウル」
文/写真 袴田彩子
   
 
 

さて、キャッシーの初心者講座第4回。佳境に入ってまいりました!
今回は、「スギダラ=変態」というこの怪しくも楽しい方程式について解説したいと思います。

前回を読み返してみますと、後半はすでに変態の域に達している感じが致します。だって、めちゃくちゃ重い杉のカタマリを1階から8階まで持ち上げろ!という指令が出たとして、えーーー!とかなんとか言いながらもわいわいと持ち上げ始める男たち(さすがに力仕事なので男の出番)、それを支える女たち、重さにひーひー言いながらも、女子と関わるきっかけができたなんてニヤつく男ども。同じ肉体労働をやる一体感とやり遂げ感。
で、やみつきになる。

この変態性、最近では特に、変なパフォーマンスが目立つようになっていると思います。懇親会と称して集まり、みんなで踊って変なポーズをとって満面の笑みをする集団・・・いやいや、宗教ではないです! 宗教ではないですが、どこが宗教じゃないのかと聞かれると難しいような・・・おそらく違いは、「お前ら一人一人の中に持っている力がすごいんだ、それを出してこい!! じゃんじゃん出してこーぜ!!」というのがお告げ、もとい信念だ、というところでしょうか。
あとは、壺は、売りません。杉は・・・売るかもしれないけど笑

   
 
  杉ポーズでくるくる回る人たち (2009年飫肥杉大作戦@宮崎)
   
 

さて、人は大人になると、いろいろ仮面をつけて鎧をつけますね。心に、ですよ。
お互いの本心が分からなくても、うまくやってくための仮面。
本心とは違うことをやる時に、あがく本心を閉じ込めておくための鎧。
いわゆる社会人で、それがゼロってことはきっとないと思います。でも、あんまり毎回そういうことをしていると、ぴったり張り付いて、つけていることすら忘れてしまうのです。そうすると、脱ごうとしても脱げないんですね(つけていることも忘れているから)。

そういうぴったり仮面でいる時に、全部脱いじゃっている人を見ると(ここで言う"変態"ですね)、反発します。怒ります・・・その気持ちは分かります分かります。

だって、やりたくないことも飲むのが社会人、やるのが責任なんでしょと、無理やり本心を押し込めてどうにかこうにか今まで過ごしてきたのに、もろもろの中身を臆面もなく出しているなんてずるい! 許せん! 俺は我慢しているんだからお前らも我慢しろ!! という気持ちになるんです。分かります分かります。

もちろん仮面も大事。全員が100%ピュア変態だったら、さすがにこの社会はいろいろ成り立たないと思います。
でも、外す機会0%ってのも、人として辛い。
仮面張り付きっぱなしでもなく、四六時中変態でもなく・・・というのがきっと楽しい大人の姿なんです、きっと。
経験上で言えば、かなり素敵で魅力的です、そういう大人は。

最近どうにもぴったり仮面が増えて増えて窮屈だなあ・・・と本能で感じ取っている我らが精鋭変態軍団は、これはというぴったり仮面(変態的才能のある方はどうしても隠しきれないですね)に出会うと嬉しくなり、仲間にしたくて、うねりに巻き込み、変な踊りをさせて雄叫びを上げさせるのです。

その瞬間、ぴったりだった仮面が一瞬外れる。外の空気に触れて、そのあまりの自由さに魂が震える!! ああ、俺はこんなに息苦しく閉じ込めていたのか!!  なんだ、むき出しでいいんだ、気持ち良くていいんだ、フォーーーーー!!
・・・新たな変態の誕生です。いや、「変態を取り戻す」でしょうか。

そうやって、新たな変態を覚醒をさせるし、巷の変態な面々は匂いを嗅ぎつけて集まってきてるし、いまやそれが、ザ・スギダラ変態集団です。

真面目な話、取り外し可能な仮面が、一番使い勝手が良いです。
ほんとの要所だけ、ぽっと付けると効果も高いし。
要所以外は、変態そのものになりますけど。
まあ、大丈夫です。人はそもそも変態を内包する生き物ですから。

次は最終回です。

もし質問があれば、杉web編集部までどうぞ。次回お答えします。

   
   
   
   
  ●<はかまた・さいこ> またの名をキャッシー。スギダラ天竜支部広報宣伝部長。 6年間の株式会社内田洋行勤務を経て、Uターンにて現在デジタルセンセーション株式会社勤務。
   
 
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