連載
  杉で仕掛ける/第51回 「足場」
文/ 海野洋光
   
 
 
 

 もう何回目か・・・。書いていて出さなかった原稿とか・・・。
  あまり、言い訳をしても始まりませんが、心を入れ替えて、日南のオビスギ仮面と隔月連載で再開したいと思います。

イベントで「ここは!肝」と思える重要なことがあります。そんなことを何気なく私に振って頂くことがあります。
  10数年前、地元の青年団の方から、「ドライブインシアターをやるんだけど安くでスクリーンの足場を組めないか」という何気ない依頼がありました。
  今までのドライブインシアターでは、スクリーンの後ろにビデ足場と呼ばれる枠足場を10段×15列ほど組んでスクリーンを下げていたそうだ。しかし、スクリーンの大きさだけでは、倒れるので後ろに階段状に1段ずつ下げながら組んでいるのでかなりの大きさの足場を作っていたそうだ。
 組み立て解体は、プロに任せるのだそうだが、スクリーンを取り付ける作業は、最上段まで上がって青年団のメンバーが取り付けるそうです。「とっても怖い」と言っていました。
 足場だけでも、100万円以上の値段がするとのことで足場だけに足が出てしまうとのことでした。
  そこで私が提案したのは「吊り下げるクレーン方式」でした。
  スクリーンの骨組みを地上の安全な場所で単管足場を組みます。ちょうど、大きな凧をイメージしてもらうと良いでしょう。
  組み上げた足場にブルーシートを張ってその上にスクリーンを張ります。それをクレーンで引き上げるのです。
  たぶん、15万円くらい経費ですんだと思います。

   
 
  安全で収支も合うイベントになりました。
足場で思い出すのが、日南のオビスギ大作戦でした。当時、南雲さんは、熊本でみたラーメン屋さんをいたく気に入って足場で展示会をしたいと言い出していました。南雲さんの言っている熊本のラーメン屋さんの写真を見せてもらうと「南雲さんの好きそうなみすぼらし単管足場で周りを囲んだテントのラーメン屋でした」
南雲さんの「これ!これだよ!!」と子どもみたいなキラキラした目には、いつも困難が付きまとうのです。
【東郷町の牧水公園での作業風景】    
   
 
  日南飫肥杉大作戦2009にて、組み上げの準備をする筆者(真ん中)
   
 
  完成したスギダラ館。内側からは透けるように外が見えます。
   
 
  館内は広く、様々な杉モノが展示されました。
   
 
  最後はみんなでスギぃ!!
   
   
   
   
  ●<うみの・ひろみつ>木材コンシェルジュ
ほぼ、毎日更新しています。ブログ「海杉 木材コンシェルジュ」 http://blog.goo.ne.jp/umisugi/
2009年3月31日をもって、日向木の芽会 を卒業しました。
海野建設株式会社 代表取締役 / HN :海杉
月刊杉web単行本『杉で仕掛ける』:http://www.m-sugi.com/books/books_umi.htm
月刊杉web単行本『杉で仕掛ける2』:http://www.m-sugi.com/books/books_umi2.htm
   
 
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