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わたしたちが働いている吉野林業地帯一帯は、近代〜現代にかけての産業遺産だと思う。中でも今回まちあるきの舞台となった貯木は当時の遺構を残す水門をはじめとして、文化的な風景がかしこに見られる。風景だけではない、リフトが走り回ったり製材機が動いたり、工場から出る音、製材したての木の香りやその土地の匂い、木の手ざわり、山の里の味が楽しめる喜び……、今回の貯木まちあるきに来ていただく方には、五感で貯木を感じてもらいたい、という想いがあった。 |
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前回、前々回といつも課題になっていたのは、集まる「場」のことだった。フォーラムや発表会をする、「場」ではなく、例えば“食”を囲んで、楽しそうに人が集まってゆるゆる、木のことを語れる場、出会える「場」が欲しい。 |
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今回のメイン会場となる、福田製材所さんの倉庫と出会ったのは、そんなときだった。昨年第2回の貯木まちあるき、貯木内をかつて走っていた引き込み線を巡るツアーをしていたとき。 |
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福田さんは、杉をメインに挽いてはる製材所。まちあるきの構想が広がるなかで、会議にも福田さんは足を運んでくれた。「なんでも言いよー」。この一言が、嬉しかった。 |
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木材倉庫をバックに。地元の食材販売やワークショップのブース出店 | |||||||||||||||
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当日は、吉野の山奥から、はたまた街から、まちあるきを盛り上げるべく多くの方が出店してくださった。林業だけの分野でない、農業といった他業種の連携もこれからきっと求められるはずだ。 まちあるき中は会場の運営をしつながらではあるが、来てくれた人とずっとおしゃべりしていた。あっちこっちで「杉談義」のおしゃべりが聞こえてくる。外から来た方だけでなく、中にはご近所の製材所の奥さんの姿も。内の人が、貯木を改めて見つめ返す、良いきっかけになれば、そんな想いもした。 |
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貯木を想うとき、いつもあの独特な雰囲気と工場の「音」や「匂い」を思い出す。 |
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●<ますたに・のりえ>潟Eッドベース勤務 源流塾・事務局担当 http://genryujuku.web.fc2.com/ 川上村を拠点に、源流学(自然とともに生きる力)を学んでいます。山の名人、辻谷さんを師匠に楽しく活動中です! |
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