連載

 

スギダラ家奮闘記/第10回

文/構成 若杉浩一

「まだまだ続く杉奮闘劇

 
 


ようやく、先が見えたと思ったスギダラビル、やはりそう簡単にはいかなかった。
スギダラ仲間の小町さんから「まるで少女マンガのようで、とても真実とは思いがたい展開だ」という話がありました。私とてそう思います、まるで意地悪でもされているがごとく翻弄されています。今回はそのへんの模様をまたお話したいと思います。

一応の盛り上がりとチームの結束を得ることができ、ようやくスギダラビルの基本的な狙いと方針が決まった(第8話を御覧下さい)。
しかし、なんと、大親分からの突然の中止命令が下ったのであった。

「悪いが中止!!」
「なんでなんですか?」
「もっと優先すべきことを、先にやる。それで終わり」
「せめて、今までの成果をプレゼンテーションさせて下さい!」
「聞く意味がない、以上」

である。
まあ、経営とは順序や段取り、頑張りとは関係なく、世の中と自分を最適化しなければならないものなので、こんなこともあろうかとは思っていたものの、体が納得できない。特に寺田さん他メンバーはなおさらだ。事情を体が飲み込めないのである。
大声で叫んでしまった。
「ちくしょう〜〜、なんでなんだよ〜〜」
きっと寺田さんも叫んでいるに違いない。メンバーをのせた僕の方からすると
「やっぱり、そう簡単にいかないと思った。やっぱり若杉だし〜〜」
ってなことになっているに違いない。
まったく、またまた「お調子モノか〜」
英語で言うと「リズムメーカー? 結構いいじゃない、これって使える!!」
とすぐ立ち直るのであった。 
その瞬間またまた悪巧みが頭を過った。
「今年のショールームリニューアル計画で空き地になった所へ、スギダラ家をあわせて提案するってあるんじゃないか? あるある、絶対ある!!」
全く懲りない。
自分ながら、自分のしつこさには感心する。もし自分のような部下がいたらうんざりするだろうなと思うと同時に、我が上司(細井さん)の偉さをほんの少し感じ、手を合わせた。
時を同じく寺田さんも、である。
「若杉さん、ちょっと考えたんですけど、いいですか?」
と持ってきてくれた案が以下である。
更地になった土地に、寺田さんと開発した製品を使って仮設建築をつくってしまおうという計画である。近代的なモダンな建て家に対しスギダラ家の空間。アルミを使った構造体をベースにガラス張りの平家建て、モダンになったものの中はまさしくスギダラ家である。
「いける、やってみたい。やりたい、やるぞ〜〜」
すぐにお互いの気持ちは固まった。こうなりゃ、絶対諦めない。何がなんでもスギダラ家はつくる!! どんなチャンスも逃さない。可能性がある限り、提案をし続ける意志を固め、ショールームプランに拍車がかかったのであった。

 

こんな感じのプラン

CGイメージ


CGイメージ2

さあやるぞ〜、スギダラ家。
こうなりゃ、東京スギダラ家オフィス化計画も巻き込んで、東京スギダラマップ化をも目指し、驀進するぞ〜。
みなさん、オフィスをスギダラに!
スギダラケなオフィスや空間が増えるよう一緒にやりましょう。
そして、新しい杉のデザインを模索しましょう!!

 

 
写真1:悔しさにうなだれるテラダチーム

写真2:希望にはしゃぐテラダチーム
(注:これらの写真の撮影された場所、日時は全く異なります)

まだまだ続くスギダラ家奮闘記です。

 
 
  ●<わかすぎ・こういち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンターに所属するが、 企業の枠やジャンルの枠にこだわらない活動を行う。
日本全国スギダラケ倶楽部 本部デザイン部長

 
 
 



 


 
   
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