不定期連載

かみざき物語り 第2回
文/構成 南雲勝志

もうすぐ橋が架かる上崎地区、架橋を通してまちが動く!?

 

   

 

 前回は昨年末行われた「第1回ふるさとづくり」ワークショップに至までの経緯、そして地区を代表して長谷川民さんに現在の心境を語っていただきました。
今回は 、そのワークショップに参加してくれた若者達、延岡市にある九州保健福祉大学の学生のみなさんの感想を紹介します。

 一般的にまちづくりワークショップには都市系、土木系、そして建築系などの学生が多いですが、今回は福祉大学からの参加。そしてまだ若々しい一年生だけです。少々不安?もありましたが、いざ地域に入って共同作業をしてみると、彼らも、向かい入れる地元の方も、大いに盛り上がりました。
 考えてみると高齢化社会をこれからどう考え、対応していくか?という命題はまさに福祉の問題で、実にいい組み合わせかも知れません。若者達と地域のおじいちゃん、おばあちゃん、なんだかとっても素晴らしいコラボレーションに発展しそうです。

 学生達の感想を読むと、杉の伐採やみかん狩りなど、自然と直に接した感動がほとんどです。逆にいうと今の若者はなかなかそういった体験と縁遠くなったことがうかがえます。地方にいても、自然とすぐ近くの環境にいても自ら望んで入り込んでいかなくなってしまった。そう考えると、過疎問題だけでなく、若者の体験離れも、実は大きな問題かも知れません。
そうです、もともと両者が力を合わせて地域のコミュニティを形成していたわけですから。
 まだまだ始まったばかりですが、思わぬ収穫が期待出来そうな予感もしてきました。

 そして、学生の参加を快く引き受けて下さった、大津先生にはこの場を借りてお礼申し上げます。でもまだまだ長期戦です。今後も引き続き協力をお願いします 。

 
 



 
   


   


今回参加してくれた、九州保健福祉大学の面々。(伐採前に山主さんの説明を熱心に聞く) 写真:千代田健一  
 
 


かみざき地区まちづくり第1回ワークショップに参加して


 
九州保健福祉大学
 

大津隆一 先生

 
  

皆様の思いが天に通じたのか、好天に恵まれた中で第1回目の上崎プロジェクトに参加し、楽しい一日を過ごさせていただきました。また、生まれて初めて杉の伐採という貴重な体験をさせていただき感激しました。森林管理の必要性が叫ばれる中で、都会育ちの若者にも環境保全への意識が芽生えるきっかけになればと期待しております。学生諸君も少しは興味を持ったのか、スギダラのHPへ時折アクセスしているようです。少子高齢化が進む中で、上崎地区活性化のために、若者の視点から見た環境共生型のプランを提案できればと思っています。
 最後に、上崎地区の皆様には想像以上の歓待をしていただきありがとうございました。皆様の熱意がひしひしと伝わり、このプロジェクトを是非とも成功させねばと肝に銘じる一日となりました。


米満卓久

  
 

スギダラと一緒に上崎地区のふるさとづくりに参加して、木を伐ることの楽しさ、人のやさしさ、温かさを感じた。みんなで一つのことに取り組んでいろんな人と出会い、ふれあうことで、対人コミュニケーション能力の向上につながると思った。
またスギダラの熱意に負けないように自分達もいいアイディアを思案していきたいと思う。

鈴木美佳

 
 

今回の参加では、自然を常に感じられました。初めは、どんな体験をするのだろうと興味に加え不安もありましたが、地域の人々が喜んで迎え入れて下さって、楽しくみかん狩りや杉の伐採を行うことができました。地元の雰囲気を感じることも出来て、とてもよかったです。建設中の橋が完成したら本当に便利になると思うし、その橋を通してこの地区にたくさんの人が来てくれたら、地域の活性化にもなると思いました。
小学校とのふれあいやイベントなどで、子供たちと木工を通して木の良さを伝えていったら交流が深まっていくでしょう。私自身ももっと参加して、木の使い方などを考えていけたらいいなと感じました。

島袋祥子

 
 

本当に貴重な体験をすることが出来ました。初めて木を伐ったことや、あんなにたくさんのみかんをもぎとったこと、地域の方々と交流できたことは、私の良き思い出のひとつになりました。橋づくりの一環に参加できたことをとても嬉しく思います。

早島芽久美

 
 

今回の体験は、日頃生活している中ではなかなか経験できないもので、とても新鮮でした。地元の方が親切にチェーンソーの持ち方から使い方、構え方などを教えてくださったので、全く知識のない私でも杉の木を伐ることが出来ました。伐った時には木の香りがとても心地よく、気分がリフレッシュされたような気がします。本当に貴重な体験が出来てよかったです。

河村未央

 
 

杉の木を伐るという貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。「杉の木」をあんな身近に見たのは初めてだったと思います。そして、つくり物ではない自然の杉の木の「香り」はとてもよいものだと感じました。スッキリとしていて、目が覚めるような新鮮な香りでした。「村おこし」の一環として、私達学生がどれだけ役に立てるかは分かりませんが、若者の立場として感じたのは、杉の木だけではなく、村全体が、私達の身近では感じることのできない、静かで、温かい、「いやし」の空間になっていたことです。
特別に何か派手なものをつくらなくても、美しい自然やあの村にしかない雰囲気を生かし、「果樹園」や「道の駅」、「旅館」などをつくってはどうでしょうか。私ならこのような場所にそういうものがあれば、ぜひ行きたいと思いました。もちろん、ただの「果樹園」では人気はでないと思うので、地のものを生かしたカフェなどを同時につくるとよいのではないでしょうか? 「果樹園」は年齢関係なく人気のあるものだと聞きます。カフェは、杉の木を使ってつくるなどすれば雑誌などにも取り上げられるのでは、と思います。

三野英孝

 
 

上崎ふるさとづくりに参加したことは私にとって、とてもいい経験となりました。特に、貴重な体験となったのは、自分の手で杉を伐り落としたことです。伐採現場まで行き、杉に囲まれた中で杉を伐ったことで、普段意識していなかった木のたくましさを感じることが出来ました。また、南雲勝志さんの上崎に対する情熱にも感銘を受けました。私も南雲さんに負けないくらいの気持ちでこのプロジェクトに一生懸命参加しようと思いました。

スティーブ裕一

 
 

上崎地区のふるさとづくりに参加し自分にとって、とても良い経験をしました。
上崎地区の人たちはとてもあたたかい人たちでした。
あんなにあたたかく出迎えてもらえるなんて思っていなかったです。
地区の人たちの為にも、今回のふるさとづくりは完成させたいです。自分達にできることは何でもしたいと思います。次回のふるさとづくりに参加するときは今自分たちにできることを考えて参加したいです。
また、スギダラケの皆さんと一緒に上崎地区を変えていきたいと思いました。
一緒に最高の町にしましょう。

ps. スギダラ三兄弟元気にしてますか?スティーブは元気だ〜よ!!
ふるさとづくり完成したら、東京に呼んでくださいよ(^_^)/ ̄今度は、前回より仲間を増やしていきますんで、スギダラケの皆さんも仲間をたくさん連れてきてくださいね♪♪

豊里瑠香

 
 

上崎ふるさとづくりに参加して一番印象的だったのは、杉の木の伐採体験でした。初めてチェーンソーを手にして、最初は恐くて上手くできるか心配だったのですが、教えてもらいながらやっていくうちに楽しくなってきました。それと同時に、日頃のストレスも発散できてよかったです。他にもミカン収穫体験や地区内散策など、普段経験できないことが体験できました。
また地元の人との交流会では、その地区ならではの人の温かさに触れることができました。今回ひとつひとつの体験はどれもいい経験になり、自分の財産になったと思います。今度、それを活かせていけたらいなと思っています。

小浜芽以

 
 

今回参加して、やっぱり一番思い出に残っている事は杉の木を切った事です。まず、山を登ってたくさんの杉の木を見た時は、驚きました。何本もの杉の木が真っすぐに空に向かってのびていて、杉の木の太さもさまざまで、とてもきれいに杉の木が並んでいました。ここまで育てるのにたくさんの時間や人の手が加えられているのだろうなと思いました。
杉の木をチェーンソーで切る時は、すごく緊張したけど楽しかったです。貴重な体験が出来てよかったです。

杉野由佳

 
 

今回、参加させていただき、かつ、スギダラケの皆様にもお会いできてとてもよかったです。木を切らせていただいたり、色々な経験をしました。これらのことが、何か保健福祉の面に役立てることができるように、考えていきたいです。


 
 

感想を寄せてくれた学生諸君、ありがとう。上崎のみなさんに届くといいですね。
第2回がもう近づいてきました。 次も頑張ってね!こっちは本当に大勢で行くよ!
オッと、その前にスギダラ会員登録をしないと。
しかし、杉野由佳さん、すぎのゆか・・・ほんといい名前ですね。

 
 



上崎の豆知識その1



北方町は日本で唯一、干支の名前が地区に付けられていることで知られています。
ちなみに上崎地区は辰なんですね。参考までにご覧下さい。



 
 

おまけ

 
 
 先月号のスギダラな人びと上崎編の最後、5次会に突入した最後のお店「幸」で書いた寄せ書きを、どなたかが? 送ってくれましたので紹介します。

 
 
 

デザイナーが書いたとは思えない、へたくそーな感じが いいですね。(左)

そして、その左横にはご覧のように、すでにどなたかの上崎応援隊の別の紙 が貼られている模様です。(上)

 

 
 
 
 

 
 
●<なぐも・かつし>デザイナー
ナグモデザイン事務所 代表。新潟県六日町生まれ。 家具や景観プロダクトを中心に活動。
最近はひとやまちづくりを通したデザインに奮闘。著書『デザイン図鑑+ナグモノガタリ』 (ラトルズ)等。
日本全国スギダラケ倶楽部 本部
 
     
 
   
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