さわやかな晴天に恵まれた朝、宮崎空港駅でスギダラ本部、南雲さん、若杉さん、千代田さんと日本産業デザイン振興会・Gマーク事業課の真鍋武志さん(会員)、崎田真央さん(会員)と合流。延岡までの列車の中、次回の杉コレの話題や今後の展望などで盛り上がり、日向駅で日向市市街地開発課で活躍されている黒木課長と和田さん(会員)と合流です。行政をこえて個人として地域おこしに参加されるお二人に、なにか胸がジーンとなります。
延岡駅に着くと農林振興局の植村さん、梶原さん、北方町役場の林田さんらがマイクロバスでお出迎え。林田さんが北方町上崎地区に向かうまで、北方町のこと、9月の台風の被害のことを話して下さいました。北方町は十二支になぞらえる地区があるということ、そういえばトンネルなどに各十二支の絵があったのを思い出します。途中あの9月の台風で大きな被害があり、報道でもよく取りあげられていた高千穂鉄道が流されているところや、町役場、五ヶ瀬川の木々や橋などかなり上まで浸水した跡が、現在でもわかりました。このような台風の被害を乗り越えて、地域おこし、ふるさとづくりに向かう地区住民の方々との交流、どのようなドラマが展開していくのでしょう。途中で大分から池田陽子さん(会員)と、福岡から佐藤薫さん(会員)と合流。お二人は、小学生からの友人だそうです。
上崎地区に着くと、すでにミカン狩りを終えて地区婦人部の手作りのおにぎりと漬け物をいただいた九州保健福祉大1年生の学生12人と先生、日向木の芽会の海野さん宮崎県木材青壮年会連合会(以下木青会)延岡支部の田丸さん、地区住民の方々がお待ちかね。ここで、到着した私たちの簡単な自己紹介1回目。婦人部のおいしい漬け物とおにぎりをほおばりながら、伐採する杉林まで歩きます。杉提供者甲斐靖さんのご挨拶、日本の木材の現状、杉の厳しい現実のお話、内容もさることながらお話が上手なことに驚きます。なんとも頼もしい。学生達も野外講義を受けているかのようでしたが、かなり個人的なお話もされ(非公開とさせていただきます(笑)、その場をなごませて、スギダラ3兄弟を上回るくらいのお方なのでした。
ほとんどがチェンソーを扱うのも初めてのみなさんですから、杉を伐採前に、地区の方達の指導のもと玉切りでチェンソーの練習です。まずは学生たちから、男子達は慣れないながらも杉の粉を飛ばしながら活き活きと様になっています。女の子たちは、腰がひけている子がいたり、恐る恐るチェンソーを握るという様子。わたしたち九州スギダラ4姉妹も含め、初めてのチェンソーの爆音と振動にドキドキしながら挑戦したという感じです。ここで地面にチェンソーが着かないように気をつけること、石にあたると刃がダメになってしまうことなどを教わりました。私はチェンソーのエンジンからトライさせていただき、これがなかなか掛からないのです。これって瞬発力が必要?4,5回目でやっとエンジンがかかり、これがまたなんとも「カ・イ・カ・ン!」
いよいよメインイベントの大物杉伐採へ、まず地区の方が杉伐採の見本。一人が倒す方向を定めて、前方半分くらいまで三角に切り込みを入れ、もう一人が後ろ側に切り込みを入れそこに後押しするようにくさびを打ち込み・・・緊張した空気の中、樹齢約50年、幹周り約110センチの立派な杉が静かにミシッミシッ・・・ズド〜ォオン!と定めた方向へ杉と杉のわずかな間に倒れていくではありませんか!静かな杉林に鳴り響く音と地響きの衝撃に自分の生きた年数以上の杉の重みを体感したような緊張感が。さすが手際よく見事な伐採!!見とれてしまいました。
ようやく大物杉伐採体験です。杉を伐採するスギダラ本部3兄弟始め男性たち、その指導をして下さる上崎地区の地元男性たちのなんとも頼もしくかっこいいこと!静かな杉林の中、離れた場所で間隔をおいて次々にあの伐採の音と地響きの衝撃が響き渡ります。学生達が多いので、私たちスギダラ4姉妹まではまわってこないものと思っていたところ、ななんと甲斐さんの計らいで私たちスギダラ4姉妹を含めほとんどの参加者が伐採体験をさせていただけたのです。さすがに玉切りと違い立木の大物杉、樹齢年数の手応えを感じながら腰をすえてとりかかる、どこまで切り込んでいいのか角度がずれてないかなど気にしながらのチェンソー入れ、手がしびれるかのような感覚、地区の方に手伝っていただき前方の部分を切り終えることが、そして後方を崎田さんが切り込みを入れ、杉と杉の間にミシッミシッ、ズド〜ォオン!倒れた音を記録したかったと崎田さんの感想。杉クラフト家である池田さん、そしてスギダライベント初参加の佐藤さんも初体験!彼女は「普通のOL」から、「杉伐採をしたことのあるスーパーOL」にグレードアップしたと感動!
長い歳月をかけて手入れし育ててこられた杉を・・・初めてチェンソーを使う杉よりもず〜っとか、ちょっと若い女の子(たしかそうだと思う)が数分で伐採するのですから!ここれは、誰もが体験できない貴重な達成感「セーラー服と機関銃」ならぬ「スギダラ4姉妹とチェンソー」ともいえるくらいの体験です!!ほんと命知らず?の上崎地区の方々に深く感謝です。
伐採も終盤を迎え、最後の1本になると地区の方が「休憩前と終わる頃によく事故がおきる。みんなそこから離れて!」と、まわりに緊張が広がり・・・、そして誰一人ケガ無く、無事に伐採作業を終えることができました。上崎地区の方々、農林振興局の方々はここまでが、さぞかし心配されたことと想像します。ほんとうにお疲れ様でした。そして貴重な伐採体験をありがとうございました。
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